act#7
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目の見えないイリーナの手をアリアスはそっと握った
「何を思っておられたのです」
若い王子はゆっくりと手を伸ばしアリアスの左頬を撫でた
『…故郷のことを』
「パルスのことを…?」
『王族とは、汚いものだ』
その言葉は皮肉めいていた
盲目の王子を王宮から一番離れたところで軟禁しているマルヤムの王室への嫌みもこもっている
「アリアス殿は美しい」
『美しくなどない…わたしにも王族の醜く汚い血が流れ、それは醜い顔を生んだ』
「そんな悲しそうな声を出さないでください」
イリーナの手はアリアスの眼帯に触れた
「顔の醜悪や血などどうでもよいのです。貴女の心が優しければ」
アリアスは盲目のイリーナに自分が体験したこと、目で見てきたこと、感じたことを事こまかく説明しなにも見えないイリーナに外の世界を教えた
イリーナは初めて自分にここまで優しくしてくれる人と出会い、惹かれていた
『イリーナ殿』
「はい」
『こんなわたしにも優しくしてくれてありがとう』
アリアスは心からの感謝を述べた
こんな傷物の女を迎え入れてくれた王子の幸せを願っていた
「出ていかれるのですか」
『そう長くはいられぬ』
アリアスはマルヤムの者たちが、自分が長いすることを拒んでいることを薄々感じていた
そろそろ出ていかなくては勘の良い人物はもしかしたらアリアスの正体に気付き始めたかもしれない
ここからパルスに自分が生きているなどの噂が出回るのだけは避けたいのだ
『どうかわたしの分も幸せになってくれ』
「アリアス殿…!また出会えたら俺と話してくれますか…?」
『もちろんだ』
「貴方ともう一度巡り会えることを願っております────」
マルヤムの王子の口付けは
今までで一番、優しいものだった
~END~
(互いの幸せを願う)
「何を思っておられたのです」
若い王子はゆっくりと手を伸ばしアリアスの左頬を撫でた
『…故郷のことを』
「パルスのことを…?」
『王族とは、汚いものだ』
その言葉は皮肉めいていた
盲目の王子を王宮から一番離れたところで軟禁しているマルヤムの王室への嫌みもこもっている
「アリアス殿は美しい」
『美しくなどない…わたしにも王族の醜く汚い血が流れ、それは醜い顔を生んだ』
「そんな悲しそうな声を出さないでください」
イリーナの手はアリアスの眼帯に触れた
「顔の醜悪や血などどうでもよいのです。貴女の心が優しければ」
アリアスは盲目のイリーナに自分が体験したこと、目で見てきたこと、感じたことを事こまかく説明しなにも見えないイリーナに外の世界を教えた
イリーナは初めて自分にここまで優しくしてくれる人と出会い、惹かれていた
『イリーナ殿』
「はい」
『こんなわたしにも優しくしてくれてありがとう』
アリアスは心からの感謝を述べた
こんな傷物の女を迎え入れてくれた王子の幸せを願っていた
「出ていかれるのですか」
『そう長くはいられぬ』
アリアスはマルヤムの者たちが、自分が長いすることを拒んでいることを薄々感じていた
そろそろ出ていかなくては勘の良い人物はもしかしたらアリアスの正体に気付き始めたかもしれない
ここからパルスに自分が生きているなどの噂が出回るのだけは避けたいのだ
『どうかわたしの分も幸せになってくれ』
「アリアス殿…!また出会えたら俺と話してくれますか…?」
『もちろんだ』
「貴方ともう一度巡り会えることを願っております────」
マルヤムの王子の口付けは
今までで一番、優しいものだった
~END~
(互いの幸せを願う)