act#46
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ザーブル城を包囲したまま、アリアスは本格的な春を迎えていた
最初の出現で二千余りの兵を失った聖堂騎士団は、それ以来、城に立てこもったままである
色々と誘いはかけてみたが、出撃はしてこない
いずれにしても聖堂騎士団は孤立していて、彼らが自滅する機会を気長に待てば良いのだが、そうのんびりもしていられない
あルスラーン挙兵の報が、アリアスのもとにも届いたのだ
『サーム、カーラーン、王太子のことは聞いたか』
「はい」
「聞きおよびました」
二人の万騎長は考え事をするアリアスを静かに見つめていた
アルスラーンが挙兵するということは、一歩ずつ確実にアリアスの目的が、近づいてきていることを指しているのだ
『王太子が挙兵したのなら、わたしはわたしなりに準備せねばならぬこともある。そのためにも今、目の前に見える岩壁の奥に閉じこもった薄汚い砂漠ねずみどもを、いぶし出さねばならぬ。何か案はないか?』
銀仮面の表面に、陽光のかけらが当たって虹色のきらめきを発した
それは、二人の万騎長に一人の女王の幻影のようなものを見せた
あの頃、夢に見た女王の姿が空中に浮かんで消えた
目の前にいるのは、女王ではない
女性初の王位継承を剥奪された、悲しき王女なのだ
生き永らえてしまい、パルスの王家の血と闇を清算することを目的としたこの人と茨の道を共に歩むと決めた
もう振り返りなどしない
「ザーブル城には井戸がなく、三本の地下水路によって飲み水をえています。その地下水路の位置はすでに判明しておりますれば、ただちに兵士どもに土を掘らせましょう」
サームがそう言った
『水に毒を入れるのか』
「いえ、それでは後日まで、水を使えなくなります。城を占拠した後、ただちに、しかも長く使えなくては、意味がございませぬ」
『たしかにそうだ。では、どうする?』
アリアスは淡々と彼の考えた作戦を悟った
聞きおえて、アリアスはカーラーンと共に大きく頷いた
『よし、それでいい。サームの策を採ろう』
「ありがとうございます」
『やはり籠城攻略はサームには敵わぬな。幼い頃を思い出す』
アリアスは懐かしそうに笑いながら答えた
時折見せる笑みは、銀仮面越しでも分かるもので、サームは顔に熱が集まるのを感じていた
最初の出現で二千余りの兵を失った聖堂騎士団は、それ以来、城に立てこもったままである
色々と誘いはかけてみたが、出撃はしてこない
いずれにしても聖堂騎士団は孤立していて、彼らが自滅する機会を気長に待てば良いのだが、そうのんびりもしていられない
あルスラーン挙兵の報が、アリアスのもとにも届いたのだ
『サーム、カーラーン、王太子のことは聞いたか』
「はい」
「聞きおよびました」
二人の万騎長は考え事をするアリアスを静かに見つめていた
アルスラーンが挙兵するということは、一歩ずつ確実にアリアスの目的が、近づいてきていることを指しているのだ
『王太子が挙兵したのなら、わたしはわたしなりに準備せねばならぬこともある。そのためにも今、目の前に見える岩壁の奥に閉じこもった薄汚い砂漠ねずみどもを、いぶし出さねばならぬ。何か案はないか?』
銀仮面の表面に、陽光のかけらが当たって虹色のきらめきを発した
それは、二人の万騎長に一人の女王の幻影のようなものを見せた
あの頃、夢に見た女王の姿が空中に浮かんで消えた
目の前にいるのは、女王ではない
女性初の王位継承を剥奪された、悲しき王女なのだ
生き永らえてしまい、パルスの王家の血と闇を清算することを目的としたこの人と茨の道を共に歩むと決めた
もう振り返りなどしない
「ザーブル城には井戸がなく、三本の地下水路によって飲み水をえています。その地下水路の位置はすでに判明しておりますれば、ただちに兵士どもに土を掘らせましょう」
サームがそう言った
『水に毒を入れるのか』
「いえ、それでは後日まで、水を使えなくなります。城を占拠した後、ただちに、しかも長く使えなくては、意味がございませぬ」
『たしかにそうだ。では、どうする?』
アリアスは淡々と彼の考えた作戦を悟った
聞きおえて、アリアスはカーラーンと共に大きく頷いた
『よし、それでいい。サームの策を採ろう』
「ありがとうございます」
『やはり籠城攻略はサームには敵わぬな。幼い頃を思い出す』
アリアスは懐かしそうに笑いながら答えた
時折見せる笑みは、銀仮面越しでも分かるもので、サームは顔に熱が集まるのを感じていた