act#45
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「傷物は俺も同じですな」
クバードはそう言い、自身の開かない片目に触れた
『あぁ、そうだな……』
アリアスはふ、と少しだけ笑い、着ている外套に手をかけた
『だいたいの男はこの顔を見て萎える。顔の火傷もひどいが……身体も未だに火傷の痕が残っている』
しゅるり、と黒い外套が地に落ちた
外套に隠されていた細身の身体つきが露になった
それにはさすがに、いままで口を挟まなかったカーラーンも目を丸めた
『抱くなら本当に暗い方がいいぞ。それに情婦よりも身体は柔らかくは、』
「アリアス様!」
服に手をかけ始めたアリアスの前に 、サームが立ち塞がった
「もうお止め下さい」
サームの声は苦しそうだ
眉間にはいつもにまして、皺が増えている
「クバード」
「…分かってるさ。度が過ぎたな、謝る」
クバードは頭を掻きながら言った
「アリアス様。くれるっていうなら金貨と酒だけでいい……なんなら、ザーブル城攻略、最後までお付き合いしますよ」
クバードは本気だった
今まで会ったことのある女性王族とは、まるで違う王女に興味を持ったのは確かだった
それと共にサームと再会した際に、耳にしたアリアスの真の目的とやらも気になっていた
一緒に行動していれば、本当に熱い夜を過ごせるかもしれない……という邪な考えも少し過った
『気持ちだけ受け取ろう』
「おや……予想外の展開だな」
クバードは顎に手を当てた
『サームからどこまで聞いたか知らぬが、気持ちだけで本当に十分だ』
「貴女の役に立ちたいと思い始めたのに?」
『わたしの役に立ちたいというのなら、今すぐにでもアルスラーン王太子の元へ駆けつけてほしい』
「……殿下の元へ?」
『そうだ。ペシャワールに向かい王太子に力添えしてくれ。ただし、わたしがそう言ったことだけはどうか言うなよ』
何故、と質問をする前に遮るようにそう言われた
有無を言わせぬ雰囲気は、紛れもなく王家の血を引くものの、威厳のようなものを、クバードは感じた
「はぁ……そこまで言われたら行くしかねぇな」
クバードは報酬を受け取り、馬に股がった
「アリアス様」
『なんだ』
馬上からクバードはアリアスを呼んだ
「俺が殿下に力添えすることが出来たら、貴女と一夜を過ごさせていただけますかな」
『…………どうだろうな。勝手にしてくれ』
少し間をおいて、アリアスは答えた
「では、勝手にさせていただきます。サーム、カーラーン、達者でな」
クバードはアリアスに一礼し、馬を走らせた
アリアスはそれを見えなくなるまで、しっかりと見送った
「アリアス様、お身体が冷えます」
サームは足元に落ちていた外套の土をほろい、アリアスの肩にかけ直した
『あぁ、クバードは中々に面白い万騎長だな』
「……面白いと思うのは勝手ですが、あまり自分を軽く売るような行為は今後一切お止め下さい。これは私だけではなく、カーラーンとザンデからもです」
サームの言葉に、カーラーンとザンデも頷いた
『……分かった。もうしない』
アリアスは仮面の下で笑みを見せ、外套を翻した
『さ、敵の数は減らせた。もう一度作戦を立てるぞ』
~END~
(一戦を終えて)
クバードはそう言い、自身の開かない片目に触れた
『あぁ、そうだな……』
アリアスはふ、と少しだけ笑い、着ている外套に手をかけた
『だいたいの男はこの顔を見て萎える。顔の火傷もひどいが……身体も未だに火傷の痕が残っている』
しゅるり、と黒い外套が地に落ちた
外套に隠されていた細身の身体つきが露になった
それにはさすがに、いままで口を挟まなかったカーラーンも目を丸めた
『抱くなら本当に暗い方がいいぞ。それに情婦よりも身体は柔らかくは、』
「アリアス様!」
服に手をかけ始めたアリアスの前に 、サームが立ち塞がった
「もうお止め下さい」
サームの声は苦しそうだ
眉間にはいつもにまして、皺が増えている
「クバード」
「…分かってるさ。度が過ぎたな、謝る」
クバードは頭を掻きながら言った
「アリアス様。くれるっていうなら金貨と酒だけでいい……なんなら、ザーブル城攻略、最後までお付き合いしますよ」
クバードは本気だった
今まで会ったことのある女性王族とは、まるで違う王女に興味を持ったのは確かだった
それと共にサームと再会した際に、耳にしたアリアスの真の目的とやらも気になっていた
一緒に行動していれば、本当に熱い夜を過ごせるかもしれない……という邪な考えも少し過った
『気持ちだけ受け取ろう』
「おや……予想外の展開だな」
クバードは顎に手を当てた
『サームからどこまで聞いたか知らぬが、気持ちだけで本当に十分だ』
「貴女の役に立ちたいと思い始めたのに?」
『わたしの役に立ちたいというのなら、今すぐにでもアルスラーン王太子の元へ駆けつけてほしい』
「……殿下の元へ?」
『そうだ。ペシャワールに向かい王太子に力添えしてくれ。ただし、わたしがそう言ったことだけはどうか言うなよ』
何故、と質問をする前に遮るようにそう言われた
有無を言わせぬ雰囲気は、紛れもなく王家の血を引くものの、威厳のようなものを、クバードは感じた
「はぁ……そこまで言われたら行くしかねぇな」
クバードは報酬を受け取り、馬に股がった
「アリアス様」
『なんだ』
馬上からクバードはアリアスを呼んだ
「俺が殿下に力添えすることが出来たら、貴女と一夜を過ごさせていただけますかな」
『…………どうだろうな。勝手にしてくれ』
少し間をおいて、アリアスは答えた
「では、勝手にさせていただきます。サーム、カーラーン、達者でな」
クバードはアリアスに一礼し、馬を走らせた
アリアスはそれを見えなくなるまで、しっかりと見送った
「アリアス様、お身体が冷えます」
サームは足元に落ちていた外套の土をほろい、アリアスの肩にかけ直した
『あぁ、クバードは中々に面白い万騎長だな』
「……面白いと思うのは勝手ですが、あまり自分を軽く売るような行為は今後一切お止め下さい。これは私だけではなく、カーラーンとザンデからもです」
サームの言葉に、カーラーンとザンデも頷いた
『……分かった。もうしない』
アリアスは仮面の下で笑みを見せ、外套を翻した
『さ、敵の数は減らせた。もう一度作戦を立てるぞ』
~END~
(一戦を終えて)