act#45
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
血まみれの通路を戦場に作り上げると、クバードは馬首をひるがえし、ふたたび敵の中へ向かった
クバードが大剣を振るごとに、新しい流血が生まれた
動揺するルシタニア人たちに向かって、サームの指揮するパルス軍が全軍突撃を行った
人、馬、金属のぶつかる音が耳をつんざく
勝者の怒号と敗者の悲鳴が沸き起こり、ルシタニア人はついにパルス人のために敗走した
聖堂騎士団は、二千をこす死体を残して、ザーブル城へ逃げ込んだ
ふたたび、そびえ立つ岩山に建つ城の鉄の扉の向こうへ身をひそめてしまったのだった
「これで当分は出撃してくるまい。持久戦にもちこむつもりだろうが、策はある。よくやってくれた、クバード」
敵の返り血に、甲冑を赤く染め上げたサームが、クバードを賞賛した
クバードが、大剣を鞘におさめて、何か答えかけたとき、カーラーンとザンデと共にアリアスがやって来た
ようやくクバードはアリアスと対面することになった
『サーム、無事か』
「はい。全て返り血ですので問題はありません」
『そうか』
アリアスは馬から下り、クバードの前に出た
『クバードというのは、おぬしか』
「はあ…」
あまり鄭重とはいえない返事に、ザンデが目をむいた
「礼節を守らんか!この御方は、」
『ザンデ』
アリアスはザンデを制した
後ろでカーラーンがため息をつきながら、注意している
『サームから話は聞いた。手を貸してくれたこと、感謝する』
クバードはただ、黙ってアリアスを見ていた
見ていることしかできないでいた、という方が正しいかもしれない
銀仮面をつけたこの元王女が、此度の混乱を起こした張本人ということもあり、目を離せないでいる
クバードの知っている女性王族とは、かけ離れている目の前の元王女は、銀仮面で顔を隠しているため、素顔は分からない
しかし、時おり覗く黒い外套の下の身体はいくらさらしを使ってもクバードには、女性の身体つきなのがすぐにわかった
サームやザンデの態度を見れば、わかることでもあった
『…何かついているか?』
じっと見られ不思議に思ったのか、アリアスは声をかけた
「あぁ、失礼」
『報酬は金貨と宝石…あと酒が好きだと聞いたから用意しよう。すまぬが、女はいない』
「……女なら俺の目の前におりますが」
クバードの言葉にサームは目を丸めた
「今はもう、王女は捨てたのでしょう?軍師という立場なら、俺と対して変わらぬかと…アリアス様」
『なるほど。確かにそうだな』
アリアスはふむ、と頷き仮面の留め具に手をかけ、仮面を外した
『傷物だぞ』
久しぶりに晒された火傷負いの顔はクバードを見据えた
思っていたよりも酷い火傷痕に最初は目がいったが、クバードは反対の白い秀麗な顔立ちにすぐ目を奪われた
濃い紅色の耳飾りがよく生える顔立ちだな、と思った
クバードが大剣を振るごとに、新しい流血が生まれた
動揺するルシタニア人たちに向かって、サームの指揮するパルス軍が全軍突撃を行った
人、馬、金属のぶつかる音が耳をつんざく
勝者の怒号と敗者の悲鳴が沸き起こり、ルシタニア人はついにパルス人のために敗走した
聖堂騎士団は、二千をこす死体を残して、ザーブル城へ逃げ込んだ
ふたたび、そびえ立つ岩山に建つ城の鉄の扉の向こうへ身をひそめてしまったのだった
「これで当分は出撃してくるまい。持久戦にもちこむつもりだろうが、策はある。よくやってくれた、クバード」
敵の返り血に、甲冑を赤く染め上げたサームが、クバードを賞賛した
クバードが、大剣を鞘におさめて、何か答えかけたとき、カーラーンとザンデと共にアリアスがやって来た
ようやくクバードはアリアスと対面することになった
『サーム、無事か』
「はい。全て返り血ですので問題はありません」
『そうか』
アリアスは馬から下り、クバードの前に出た
『クバードというのは、おぬしか』
「はあ…」
あまり鄭重とはいえない返事に、ザンデが目をむいた
「礼節を守らんか!この御方は、」
『ザンデ』
アリアスはザンデを制した
後ろでカーラーンがため息をつきながら、注意している
『サームから話は聞いた。手を貸してくれたこと、感謝する』
クバードはただ、黙ってアリアスを見ていた
見ていることしかできないでいた、という方が正しいかもしれない
銀仮面をつけたこの元王女が、此度の混乱を起こした張本人ということもあり、目を離せないでいる
クバードの知っている女性王族とは、かけ離れている目の前の元王女は、銀仮面で顔を隠しているため、素顔は分からない
しかし、時おり覗く黒い外套の下の身体はいくらさらしを使ってもクバードには、女性の身体つきなのがすぐにわかった
サームやザンデの態度を見れば、わかることでもあった
『…何かついているか?』
じっと見られ不思議に思ったのか、アリアスは声をかけた
「あぁ、失礼」
『報酬は金貨と宝石…あと酒が好きだと聞いたから用意しよう。すまぬが、女はいない』
「……女なら俺の目の前におりますが」
クバードの言葉にサームは目を丸めた
「今はもう、王女は捨てたのでしょう?軍師という立場なら、俺と対して変わらぬかと…アリアス様」
『なるほど。確かにそうだな』
アリアスはふむ、と頷き仮面の留め具に手をかけ、仮面を外した
『傷物だぞ』
久しぶりに晒された火傷負いの顔はクバードを見据えた
思っていたよりも酷い火傷痕に最初は目がいったが、クバードは反対の白い秀麗な顔立ちにすぐ目を奪われた
濃い紅色の耳飾りがよく生える顔立ちだな、と思った