act#44
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三月に入り、アリアスのひきいるパルス軍と、聖堂騎士団は初めて、戦闘をすることになった
ザーブル城は、大陸公路から半ファルサング(約2.5キロ)ほど離れた岩山の上にある
ほとんど直立するように建っていて、よじ登ることは不可能だった
岩山の中をくりぬいて、長い階段と傾斜路が螺旋状に、つくられ、平地の出入口に続いている
出入口にも頑丈な鉄の扉がもうけられているので、立てこもる側かま出撃して来なければ、攻撃する側としては、気長に包囲するしかない
だが、アリアスは持久戦に持ち込む気はなかった
策をもちいて、聖堂騎士団をおびき出すつもりだった
その日、ザーブル城に立てこもる聖堂騎士団の将兵は、平地に展開したパルス軍が、陣地の前に一本の旗を立てるのを見た
それはいつも聖堂騎士団が見ている、イアルダボート教の神旗だった
驚いて見守る聖堂騎士団の人々の前で、神旗に火が放たれ、みるみるうちに燃え上がった
それ放たれ無論、神旗と同じようにつくられた別の旗だったが、ルシタニア人たちの衝撃は大きかった
「おのれ、神旗を焼くとはら罰あたりの異教徒どもが!八つ裂きにしてくれよう」
狂信者が怒りくるえばや用兵や戦術なとま、問題にされなくなる
異教徒どもを、地獄にたたきこむべし!大司教ボダンがそう命じると、将兵たちは、甲冑をまとい、騎士は馬に乗って、出てきた
アリアスは冷たい目でそれを待ち構えていた
『分かりやすい奴らめ……』
*****
【アリアス様、クバードを味方につけることが出来ました。今は待機させております】
クバードと話をつけたサームは、急いで陣地に戻り、アリアスに告げた
【サーム、そうか……後でわたしも礼を言わねばな…】
アリアスはそう言い、カーラーンとザーブル城の地図に視線を戻した
【……アリアス様は、どんな手で聖堂騎士団をおびき出そうとお考えですか?】
サームは広げられた地図を目にしながら聞いた
【……狂信者に限らず、人は自分が尊敬する者や大切なものを貶されると、怒る生き物だ】
アリアスは静かに話し始めた
【聖堂騎士団にとって大切なものは?】
アリアスは隣りに立つカーラーンに、質問を投げた
【イアルダボート教です】
【そうだ。しかし神様なんて存在しない。奴らが大切にしているもの……】
【イアルダボート教の神旗…】
カーラーンはアリアスの手元にある、聖堂騎士団の詳細の書かれた羊皮紙を見た
アリアスの指が、そこに描かれているイアルダボート教の紋章を撫でた
【大切なものは奪い─────燃やせばいい】
冷めた声はその場を支配した
アリアスの焼け爛れた顔だけは、
少し熱を持っていた
~END~
(燃えればなくなるのだから)
ザーブル城は、大陸公路から半ファルサング(約2.5キロ)ほど離れた岩山の上にある
ほとんど直立するように建っていて、よじ登ることは不可能だった
岩山の中をくりぬいて、長い階段と傾斜路が螺旋状に、つくられ、平地の出入口に続いている
出入口にも頑丈な鉄の扉がもうけられているので、立てこもる側かま出撃して来なければ、攻撃する側としては、気長に包囲するしかない
だが、アリアスは持久戦に持ち込む気はなかった
策をもちいて、聖堂騎士団をおびき出すつもりだった
その日、ザーブル城に立てこもる聖堂騎士団の将兵は、平地に展開したパルス軍が、陣地の前に一本の旗を立てるのを見た
それはいつも聖堂騎士団が見ている、イアルダボート教の神旗だった
驚いて見守る聖堂騎士団の人々の前で、神旗に火が放たれ、みるみるうちに燃え上がった
それ放たれ無論、神旗と同じようにつくられた別の旗だったが、ルシタニア人たちの衝撃は大きかった
「おのれ、神旗を焼くとはら罰あたりの異教徒どもが!八つ裂きにしてくれよう」
狂信者が怒りくるえばや用兵や戦術なとま、問題にされなくなる
異教徒どもを、地獄にたたきこむべし!大司教ボダンがそう命じると、将兵たちは、甲冑をまとい、騎士は馬に乗って、出てきた
アリアスは冷たい目でそれを待ち構えていた
『分かりやすい奴らめ……』
*****
【アリアス様、クバードを味方につけることが出来ました。今は待機させております】
クバードと話をつけたサームは、急いで陣地に戻り、アリアスに告げた
【サーム、そうか……後でわたしも礼を言わねばな…】
アリアスはそう言い、カーラーンとザーブル城の地図に視線を戻した
【……アリアス様は、どんな手で聖堂騎士団をおびき出そうとお考えですか?】
サームは広げられた地図を目にしながら聞いた
【……狂信者に限らず、人は自分が尊敬する者や大切なものを貶されると、怒る生き物だ】
アリアスは静かに話し始めた
【聖堂騎士団にとって大切なものは?】
アリアスは隣りに立つカーラーンに、質問を投げた
【イアルダボート教です】
【そうだ。しかし神様なんて存在しない。奴らが大切にしているもの……】
【イアルダボート教の神旗…】
カーラーンはアリアスの手元にある、聖堂騎士団の詳細の書かれた羊皮紙を見た
アリアスの指が、そこに描かれているイアルダボート教の紋章を撫でた
【大切なものは奪い─────燃やせばいい】
冷めた声はその場を支配した
アリアスの焼け爛れた顔だけは、
少し熱を持っていた
~END~
(燃えればなくなるのだから)