act#43
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「あの火事から生きておられたわけだ。だとしても、奇妙な巡り合わせだな。おぬしとカーラーンがアリアス王女の部下にな」
「……あの頃まだ若かったおぬしには分からんだろうよ」
サームはそう言い、現在のパルスの状況を説明し、東方国境にアルスラーン王子が健在であるらしいことを語った
「するとパルス王家は四分五裂して、血で血をあらうことになりそうだな」
「それは違う」
サームがきっぱりと答えたので、クバードは驚いた
「……サームよ、アリアス王女は一体何が目的だというのだ」
「それは俺の口からは言えぬ。とにかく、いずれにせよ、ルシタニアの暴虐な支配をこのままにはしておけぬだろう。さしあたり、やつらをパルスから追い出すために、おぬしの武勇を貸してはくれぬか」
クバードはもう一度、眉をしかめ考え込む
「サームよ、アリアス王女には、おぬしとカーラーンがついている。で、もう一方のアルスラーン王子には誰がついているのだ?」
「ダリューンとナルサス」
「ほう……」
クバードは、片方だけの目を見張った
「それは確かか?」
「アリアス様から伺った。確かなことらしい」
「ダリューンはともかく、ナルサスのほうは俺以上に宮廷づとめを嫌っていると思ったが、どう心境が変化したのかな。パルスの未来はアルスラーン王子の上にある、と、そう見たわけだ」
「……そうだろうな」
アルスラーンに対するサームの印象は、じつはそれほど深くない
初陣したとき、王太子はまだ十四になったばかりだ
王家の闇に翻弄され、王太子としてしたてあげられた、王家の血を引かない、王太子
アリアスは、なんとしてもその王太子に王位を継承して欲しいのだ
深い闇に包まれた、パルス王家の血の清算のために─────
考えこんだサームを、クバードは興味ありげに見つめた
「サームよ、おぬし何を考えている?」
「何を、というと?」
「いや……まぁ、いい」
クバードはそう言い、きれいに髯をそった顎を撫でた
「そうだな、サーム、どうせ今やることもないし、おぬしに力を貸してみてもいい。だが、いやになったらすぐに立ち去る。そういうことでどうだ」
こうして、ザーブル城攻略に一人の万騎長が加わった
~END~
(隻眼の万騎長の見るもの)
「……あの頃まだ若かったおぬしには分からんだろうよ」
サームはそう言い、現在のパルスの状況を説明し、東方国境にアルスラーン王子が健在であるらしいことを語った
「するとパルス王家は四分五裂して、血で血をあらうことになりそうだな」
「それは違う」
サームがきっぱりと答えたので、クバードは驚いた
「……サームよ、アリアス王女は一体何が目的だというのだ」
「それは俺の口からは言えぬ。とにかく、いずれにせよ、ルシタニアの暴虐な支配をこのままにはしておけぬだろう。さしあたり、やつらをパルスから追い出すために、おぬしの武勇を貸してはくれぬか」
クバードはもう一度、眉をしかめ考え込む
「サームよ、アリアス王女には、おぬしとカーラーンがついている。で、もう一方のアルスラーン王子には誰がついているのだ?」
「ダリューンとナルサス」
「ほう……」
クバードは、片方だけの目を見張った
「それは確かか?」
「アリアス様から伺った。確かなことらしい」
「ダリューンはともかく、ナルサスのほうは俺以上に宮廷づとめを嫌っていると思ったが、どう心境が変化したのかな。パルスの未来はアルスラーン王子の上にある、と、そう見たわけだ」
「……そうだろうな」
アルスラーンに対するサームの印象は、じつはそれほど深くない
初陣したとき、王太子はまだ十四になったばかりだ
王家の闇に翻弄され、王太子としてしたてあげられた、王家の血を引かない、王太子
アリアスは、なんとしてもその王太子に王位を継承して欲しいのだ
深い闇に包まれた、パルス王家の血の清算のために─────
考えこんだサームを、クバードは興味ありげに見つめた
「サームよ、おぬし何を考えている?」
「何を、というと?」
「いや……まぁ、いい」
クバードはそう言い、きれいに髯をそった顎を撫でた
「そうだな、サーム、どうせ今やることもないし、おぬしに力を貸してみてもいい。だが、いやになったらすぐに立ち去る。そういうことでどうだ」
こうして、ザーブル城攻略に一人の万騎長が加わった
~END~
(隻眼の万騎長の見るもの)