act#40
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「心配しなくとも、ザンデとカーラーンが代わりに行きました」
『二人が?そうか…』
アリアスはふと、頭の中で親子揃って現れた二人を見たギスカールを想像した
ルシタニア人でも、似ていると感じるのだろうか
『後で、わたしも行かねばな…』
アリアスは肩掛けを羽織り、バルコニーに出た
すると当たり前のようにスルーシが降りたってくる
皮の手袋をしていないので、バルコニーの手摺に降り立ったスルーシを優しく撫でると、気持ちよさそうな顔を見せた
「すっかり懐かれてますな」
サームが後ろから驚いた表情を見せる
最早、誰が本当の主人なのか分からない
『…わたしがいない間もここらを飛んでいたのか』
「えぇ」
『まったく…ペシャワールのご主人は忙しいというのにお前はそれでいいのか』
アリアスは少し困った顔を見せるか、当の本人は露知らずの表情だ
相変わらず心地良さそうに、身体をアリアスの手に擦りよせる
「…………」
サームはその姿を後ろから眺める
スルーシに優しく微笑む姿に胸の鼓動が、一瞬高くなった気がした
あの頃、見ていた少女はすっかりと大人の女性になっていたのだ
まして今は寝起きで、さらしも巻いていない
「(俺は一体何を考えておるのだ……)」
自分で自分の思考に呆れていた
『…サーム?』
アリアスは先程から上の空のサームを気にかけるように、名前を呼んだ
「なんでもありませぬ…」
そう答えると、扉を叩く音がして、リラがお盆を持って入ってきた
アリアスはスルーシに一度、別れを伝えて、部屋に戻る
「身体が暖まる方が良いかと思い、野菜のスープと胡桃のパンをお持ちしました」
部屋には優しい香りが漂う
『良い香りだ』
「お飲み物の紅茶には何か入れますか?」
『…蜂蜜がいい』
「はい」
リラは紅茶を注ぎ、蜂蜜をアリアスに差し出す
『食べ終わったら、風呂に入りたいのだが、大丈夫だろうか…?』
アリアスは蜂蜜を溶かしながら聞く
「支度を済ませておきますね。他に何かありますか?」
『いや……リラたちも時間があるときは、ゆっくり休んでくれ』
その言葉にリラは嬉しそうに頷いた
「では、私はこれで」
「あぁ…俺も。カーラーンとザンデにも貴女が起きたことを報告して参ります」
『わかった』
リラとサームは一礼をして、アリアスの部屋を出た
「……サーム様?」
部屋を出た途端に、手で顔を押さえるサームをリラは見上げた
「あ、いや……何でもない……」
サームは赤い顔を悟られないように、足早にその場を去って行った
「蜂蜜がいい……可愛かった…」
~END~
(女の子ですもの)
『二人が?そうか…』
アリアスはふと、頭の中で親子揃って現れた二人を見たギスカールを想像した
ルシタニア人でも、似ていると感じるのだろうか
『後で、わたしも行かねばな…』
アリアスは肩掛けを羽織り、バルコニーに出た
すると当たり前のようにスルーシが降りたってくる
皮の手袋をしていないので、バルコニーの手摺に降り立ったスルーシを優しく撫でると、気持ちよさそうな顔を見せた
「すっかり懐かれてますな」
サームが後ろから驚いた表情を見せる
最早、誰が本当の主人なのか分からない
『…わたしがいない間もここらを飛んでいたのか』
「えぇ」
『まったく…ペシャワールのご主人は忙しいというのにお前はそれでいいのか』
アリアスは少し困った顔を見せるか、当の本人は露知らずの表情だ
相変わらず心地良さそうに、身体をアリアスの手に擦りよせる
「…………」
サームはその姿を後ろから眺める
スルーシに優しく微笑む姿に胸の鼓動が、一瞬高くなった気がした
あの頃、見ていた少女はすっかりと大人の女性になっていたのだ
まして今は寝起きで、さらしも巻いていない
「(俺は一体何を考えておるのだ……)」
自分で自分の思考に呆れていた
『…サーム?』
アリアスは先程から上の空のサームを気にかけるように、名前を呼んだ
「なんでもありませぬ…」
そう答えると、扉を叩く音がして、リラがお盆を持って入ってきた
アリアスはスルーシに一度、別れを伝えて、部屋に戻る
「身体が暖まる方が良いかと思い、野菜のスープと胡桃のパンをお持ちしました」
部屋には優しい香りが漂う
『良い香りだ』
「お飲み物の紅茶には何か入れますか?」
『…蜂蜜がいい』
「はい」
リラは紅茶を注ぎ、蜂蜜をアリアスに差し出す
『食べ終わったら、風呂に入りたいのだが、大丈夫だろうか…?』
アリアスは蜂蜜を溶かしながら聞く
「支度を済ませておきますね。他に何かありますか?」
『いや……リラたちも時間があるときは、ゆっくり休んでくれ』
その言葉にリラは嬉しそうに頷いた
「では、私はこれで」
「あぁ…俺も。カーラーンとザンデにも貴女が起きたことを報告して参ります」
『わかった』
リラとサームは一礼をして、アリアスの部屋を出た
「……サーム様?」
部屋を出た途端に、手で顔を押さえるサームをリラは見上げた
「あ、いや……何でもない……」
サームは赤い顔を悟られないように、足早にその場を去って行った
「蜂蜜がいい……可愛かった…」
~END~
(女の子ですもの)