act#37

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名前

アリアスがペシャワール城塞へ馬を走らせていたときだった

『!』

岩影の向こうに一つの人馬の影を見つけた
咄嗟に馬を止めたが相手は鋭く、気づいた

「何者か!」

互いに姿は見えず、相手から鋭い一喝が飛んできた
バフマンは剣を抜き、構える

「出てまいれ。パルスの万騎長バフマンが、痴れ者にふさわしい最期をあたえてくれるわ」

『……バフマンだと?』

アリアスはその声に思わず名前を呼んだ
鼓動が早まっているのがわかる
アリアスはその声のぬしの姿を見たく、岩影から姿を表した
バフマンはその姿に息を飲んだ
夕闇にうかぶ、銀色の仮面が気味悪さを感じさせた

『……その面構え…見覚えがあるぞ』

アリアスは精一杯の冷静さを保ち、そう答えた

「わしは、貴様のような人妖と面識などないわ」

『…無礼な言い様だが、旧知に免じて一度だけゆるしてやろう……仕方ない。もう、十六年も経つのだからな』

相手の奇怪な言葉に、バフマンは眉をひそめた

『アンドラゴラスの腹心であったヴァフリーズめは、生かしておけなかった。だが─────お前には、わたしに剣と弓を教えてもらった恩がある』

一瞬の間をおいて、バフマンの灰色の眉が大きく動いた

「も、もしや、貴女様は……」

『思い出したか…?』

アリアスもバフマンも、何かにすがるような声だった
互いに見えない糸を手探りしているようだ

「貴女様は……まさか────」



「バフマン殿!」



『!』

バフマンの背後から、馬蹄の響きと呼び声が聞こえた
キシュワードが率いる十数の騎馬隊が姿を見せたのだ
アリアスは無言で馬主をひるがえした
バフマンが声を出す間もなく、鮮やかな手綱さばきで駆け去っていった
その後を追おうとするキシュワードを 、バフマンは慌てて止めた
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