act#35
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『前にも言ったはずだ、盗賊に育てられた…とな』
「しかし盗賊の中で産まれたとは言わなかった」
『あぁそうだ。しかし流れている血は…盗賊と大した変わらぬ』
王位継承だ、地位だ、名誉だ────そんなものばかりを追い、奪い合う姿は盗賊と変わらない
「盗賊と変わらぬ…?」
「ちょっと!あんたがそういう言い方すると、盗賊の血が汚いみたいじゃない」
ナルサスの後ろにいたアルフリードが声を上げた
『あぁ、お前の気分を悪くしたなら謝ろう』
素直に非礼を詫びる姿に二人はさらに戸惑いを見せた
アルフリードは更に何か言われると思ったので、言葉に詰まる
『聞きたいことはそれだけか』
アリアスは手綱を持つ力を強めた
「待て、」
『動けぬゾット族に代わり、小娘の面倒を見るところは見直すが……しつこい男は好かれぬぞ』
「なんですって!?」
アリアスの言葉に何故か、アルフリードが食いついてきた
『さて…貴様らが先にペシャワールへ着き、アルスラーン王太子の首を守るか…俺が先にペシャワールに到着し、王太子の首に手をかけるか…どちらが先かな』
その言葉にナルサスの目は鋭さを増した
『貴様が俺の正体をどう捉えようが構わぬ…しかし俺には俺の目的がある』
アリアスは馬の腹を蹴り、いきり立たせた
「…その目的はなんだ」
『全く…────お互いに王族に関わると、ろくな目に逢わぬな』
「!」
『ザンデ』
「はっ」
アリアスはザンデとその部下を伴い、急な岩肌を駆け出して行った
なその姿をナルサスは見えなくなるまで、見つめていた
「ねぇ!ナルサス?」
「…え?あぁ…」
アルフリードに背中を叩かれ、ようやく意識を戻す
「あたしたちも早く先に進まないと…」
「…そうだな」
ナルサスも馬の腹を蹴り、先に進める
しかし、心中はたくさんのことが駆け巡っている
ザンデの忠誠心の強さはなんだ?
盗賊と変わらぬ血とはどういう意味だ?
そして、最後に見せた、哀れみの籠った視線の意味とは────?
考えれば、考えるほどに深い泥沼に沈んでいくようで、答えを描くにはまだ材料が足りない気がした
~END~
(答えまでの材料)
「しかし盗賊の中で産まれたとは言わなかった」
『あぁそうだ。しかし流れている血は…盗賊と大した変わらぬ』
王位継承だ、地位だ、名誉だ────そんなものばかりを追い、奪い合う姿は盗賊と変わらない
「盗賊と変わらぬ…?」
「ちょっと!あんたがそういう言い方すると、盗賊の血が汚いみたいじゃない」
ナルサスの後ろにいたアルフリードが声を上げた
『あぁ、お前の気分を悪くしたなら謝ろう』
素直に非礼を詫びる姿に二人はさらに戸惑いを見せた
アルフリードは更に何か言われると思ったので、言葉に詰まる
『聞きたいことはそれだけか』
アリアスは手綱を持つ力を強めた
「待て、」
『動けぬゾット族に代わり、小娘の面倒を見るところは見直すが……しつこい男は好かれぬぞ』
「なんですって!?」
アリアスの言葉に何故か、アルフリードが食いついてきた
『さて…貴様らが先にペシャワールへ着き、アルスラーン王太子の首を守るか…俺が先にペシャワールに到着し、王太子の首に手をかけるか…どちらが先かな』
その言葉にナルサスの目は鋭さを増した
『貴様が俺の正体をどう捉えようが構わぬ…しかし俺には俺の目的がある』
アリアスは馬の腹を蹴り、いきり立たせた
「…その目的はなんだ」
『全く…────お互いに王族に関わると、ろくな目に逢わぬな』
「!」
『ザンデ』
「はっ」
アリアスはザンデとその部下を伴い、急な岩肌を駆け出して行った
なその姿をナルサスは見えなくなるまで、見つめていた
「ねぇ!ナルサス?」
「…え?あぁ…」
アルフリードに背中を叩かれ、ようやく意識を戻す
「あたしたちも早く先に進まないと…」
「…そうだな」
ナルサスも馬の腹を蹴り、先に進める
しかし、心中はたくさんのことが駆け巡っている
ザンデの忠誠心の強さはなんだ?
盗賊と変わらぬ血とはどういう意味だ?
そして、最後に見せた、哀れみの籠った視線の意味とは────?
考えれば、考えるほどに深い泥沼に沈んでいくようで、答えを描くにはまだ材料が足りない気がした
~END~
(答えまでの材料)