act#34
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「!おぬし…」
『サーム…』
二人の前に現れたのは暫く病床についていたサームだった
いつの間にか甲冑に着替えている
アリアスは報告にきた部下を下がらせ、サームを見る
『…身体はもういいのか』
「貴女がつけて下さった医者の腕がよくこの通り、聖堂騎士団からパルスを守れるほどに回復いたしました」
『その聖堂騎士団はどうした』
「王都を脱出する際に北方の用水路を破壊しようとしていましたので、勝手ながら動けるカーラーンの部下を連れ、用水路を守りました」
『そうか…ご苦労だったな。パルスの大切な要所を守ってくれた礼を言おう』
アリアスは静かに言う
『そこまで動けるのならもう心配はいらぬな。今晩にでもここを発ち、アルスラーン王太子と合流、』
「その命には従えませぬ」
サームはきっぱりと言いきり、アリアスの前に跪いた
『サーム、お前、』
「アリアス様…カーラーンばかり頼らず、俺も頼ってください」
サームは真っ直ぐと仮面越しのアリアスの目を見つめる
「俺もあの日、貴女に忠誠を誓った身です────良い国造りをしたいと願う貴女の力になると」
『それはまだ王女という身で王位継承権があった頃の話だ。今のわたしは地位も王位継承権も全て燃やされた、ただの軍師だ』
「貴女が誰だろうと関係ない!俺は……!貴女の傍で貴女の力になりたいだけだ…」
『サーム…』
「いつも…夢に出てくる貴女は俺の手をすり抜け闇に消えてしまう…しかし今こうして、貴女は目の前に現れた。俺はもうその手を離したくない」
サームはゆっくりと手を伸ばした
『…カーラーンといい万騎長は頑固者が多いな』
アリアスは呆れたような笑みを見せた
その言葉にカーラーンも苦笑いを見せる
『サーム、カーラーンにも言ったが わたしはお前の未来を保証出来ない。反逆者と見なされ、万騎長の地位も名誉もパルス王家の汚い血にまみれ…闇へと葬られる』
「構いませぬ────貴女の手を掴めるのなら」
『────わたしの手を離さないでくれるか…?』
アリアスは伸ばされたサームの手に自らの手を重ねた
「二度と離さぬと、誓いましょう────」
ようやく、闇は晴れた気がした
~END~
(もう一度、傍に)
『サーム…』
二人の前に現れたのは暫く病床についていたサームだった
いつの間にか甲冑に着替えている
アリアスは報告にきた部下を下がらせ、サームを見る
『…身体はもういいのか』
「貴女がつけて下さった医者の腕がよくこの通り、聖堂騎士団からパルスを守れるほどに回復いたしました」
『その聖堂騎士団はどうした』
「王都を脱出する際に北方の用水路を破壊しようとしていましたので、勝手ながら動けるカーラーンの部下を連れ、用水路を守りました」
『そうか…ご苦労だったな。パルスの大切な要所を守ってくれた礼を言おう』
アリアスは静かに言う
『そこまで動けるのならもう心配はいらぬな。今晩にでもここを発ち、アルスラーン王太子と合流、』
「その命には従えませぬ」
サームはきっぱりと言いきり、アリアスの前に跪いた
『サーム、お前、』
「アリアス様…カーラーンばかり頼らず、俺も頼ってください」
サームは真っ直ぐと仮面越しのアリアスの目を見つめる
「俺もあの日、貴女に忠誠を誓った身です────良い国造りをしたいと願う貴女の力になると」
『それはまだ王女という身で王位継承権があった頃の話だ。今のわたしは地位も王位継承権も全て燃やされた、ただの軍師だ』
「貴女が誰だろうと関係ない!俺は……!貴女の傍で貴女の力になりたいだけだ…」
『サーム…』
「いつも…夢に出てくる貴女は俺の手をすり抜け闇に消えてしまう…しかし今こうして、貴女は目の前に現れた。俺はもうその手を離したくない」
サームはゆっくりと手を伸ばした
『…カーラーンといい万騎長は頑固者が多いな』
アリアスは呆れたような笑みを見せた
その言葉にカーラーンも苦笑いを見せる
『サーム、カーラーンにも言ったが わたしはお前の未来を保証出来ない。反逆者と見なされ、万騎長の地位も名誉もパルス王家の汚い血にまみれ…闇へと葬られる』
「構いませぬ────貴女の手を掴めるのなら」
『────わたしの手を離さないでくれるか…?』
アリアスは伸ばされたサームの手に自らの手を重ねた
「二度と離さぬと、誓いましょう────」
ようやく、闇は晴れた気がした
~END~
(もう一度、傍に)