act#34
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王都城壁では、イアルダボート教の神旗を巡り、聖堂騎士団とギスカールの部下が斬り合いを始めていた
アリアスとカーラーンはその中に斬り合いに割って入り、聖堂騎士団員に斬りかかった
その強さは段違いだった
パルスの一万の騎士をまとめあげるカーラーンの強さも本物だが、銀仮面を午後の陽で輝かせ剣を振るうアリアスの身のこなしも早く、この二人を止められる者はこの中にはいなかった
聖堂騎士団員たちは震えあがり、イアルダボート神の名を唱え、逃げ散った
こうして神旗は、王弟ギスカールのもとにもたらされた
そこまではよかったが、アリアスが斬った死者の中にルシタニアの将軍モンフェラートの弟がいて、激怒したモンフェラートは、味方の騎士たちが見守る中、銀仮面をつるしあげた
「おぬしらは、この仮面の男を、ルシタニアの覇業に功績ある者と思い込んでおるかもしれぬ。だが、逆の立場で考えてみよ!こやつは私怨によって、おのれの祖国を外敵に売り渡した裏切者だぞ!」
その言葉にざわめいたのはルシタニア人たちだった
カーラーンが剣に手をかけたが、アリアスがそれを制した
「自分の国を売り、同胞を敵軍の手にゆだねて平然たる男だ。ひとたび風向きが変わったとき、今度はルシタニアを何者かに売りわたすであろうこと、闇夜に火を見るよりもあきらかなことではないか!」
怒りにふるえる指を、モンフェラートは銀仮面につきつけた
「将来の災いを、のこしておくことはない。この場で斬りすてて、ルシタニアを救うべきだ」
モンフェラートは周囲を見渡すが、ルシタニア人たちは、顔を見合わせるが動こうとしない
銀仮面とカーラーンがどれほど強いか、ルシタニア人たちは身にしみて知っている
なかなか先頭に立って斬りかかれるものではない
それを知ったモンフェラートは、他人に頼ることをやめ、自ら剣を抜き、銀仮面に向かって斬りかかろうとした
それに応じて、カーラーンが先頭に立ち剣を抜こうとしたとき、王弟ギスカール公爵が、部下に先導され駆けつけてきた
ギスカールは両者の間に割って入った
「モンフェラート、剣をひけ!」
「お言葉ですが王弟殿下…」
「剣をひけ。将来のことはイアルダボート神のみが知りたもう。いまとにかく、わが国に勲功あること男を、おぬしに害させるわけにはいかぬ」
モンフェラートはその場に立ちつくした
ギスカールはさらに声を高くした
「この男を罰するようなことがあれば、以後、パルスの民でわが軍に協力する者はいなくなるだろう。この男の働きがあったからこそ、神旗を聖堂騎士団に奪われずにすんだのだ。おぬしの弟には気の毒であったが、ひとつこらえてくれぬか」
「王弟殿下、このモンフェラートは、弟の仇をとりたいためだけ、このような真似をしているのではありませんぞ。この銀仮面をかぶったくせ者が、祖国の害になると思えば…」
「わかっている。おぬしは公正な男だ。だが、この上話のわかる男であってくれればありがたい」
そう言われてしまい、モンフェラートは剣をおさめ、一礼し仲間の騎士をつれて引き下がった
城壁にはギスカールとアリアス、カーラーンが残った
アリアスとカーラーンはその中に斬り合いに割って入り、聖堂騎士団員に斬りかかった
その強さは段違いだった
パルスの一万の騎士をまとめあげるカーラーンの強さも本物だが、銀仮面を午後の陽で輝かせ剣を振るうアリアスの身のこなしも早く、この二人を止められる者はこの中にはいなかった
聖堂騎士団員たちは震えあがり、イアルダボート神の名を唱え、逃げ散った
こうして神旗は、王弟ギスカールのもとにもたらされた
そこまではよかったが、アリアスが斬った死者の中にルシタニアの将軍モンフェラートの弟がいて、激怒したモンフェラートは、味方の騎士たちが見守る中、銀仮面をつるしあげた
「おぬしらは、この仮面の男を、ルシタニアの覇業に功績ある者と思い込んでおるかもしれぬ。だが、逆の立場で考えてみよ!こやつは私怨によって、おのれの祖国を外敵に売り渡した裏切者だぞ!」
その言葉にざわめいたのはルシタニア人たちだった
カーラーンが剣に手をかけたが、アリアスがそれを制した
「自分の国を売り、同胞を敵軍の手にゆだねて平然たる男だ。ひとたび風向きが変わったとき、今度はルシタニアを何者かに売りわたすであろうこと、闇夜に火を見るよりもあきらかなことではないか!」
怒りにふるえる指を、モンフェラートは銀仮面につきつけた
「将来の災いを、のこしておくことはない。この場で斬りすてて、ルシタニアを救うべきだ」
モンフェラートは周囲を見渡すが、ルシタニア人たちは、顔を見合わせるが動こうとしない
銀仮面とカーラーンがどれほど強いか、ルシタニア人たちは身にしみて知っている
なかなか先頭に立って斬りかかれるものではない
それを知ったモンフェラートは、他人に頼ることをやめ、自ら剣を抜き、銀仮面に向かって斬りかかろうとした
それに応じて、カーラーンが先頭に立ち剣を抜こうとしたとき、王弟ギスカール公爵が、部下に先導され駆けつけてきた
ギスカールは両者の間に割って入った
「モンフェラート、剣をひけ!」
「お言葉ですが王弟殿下…」
「剣をひけ。将来のことはイアルダボート神のみが知りたもう。いまとにかく、わが国に勲功あること男を、おぬしに害させるわけにはいかぬ」
モンフェラートはその場に立ちつくした
ギスカールはさらに声を高くした
「この男を罰するようなことがあれば、以後、パルスの民でわが軍に協力する者はいなくなるだろう。この男の働きがあったからこそ、神旗を聖堂騎士団に奪われずにすんだのだ。おぬしの弟には気の毒であったが、ひとつこらえてくれぬか」
「王弟殿下、このモンフェラートは、弟の仇をとりたいためだけ、このような真似をしているのではありませんぞ。この銀仮面をかぶったくせ者が、祖国の害になると思えば…」
「わかっている。おぬしは公正な男だ。だが、この上話のわかる男であってくれればありがたい」
そう言われてしまい、モンフェラートは剣をおさめ、一礼し仲間の騎士をつれて引き下がった
城壁にはギスカールとアリアス、カーラーンが残った