act#32
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「銀仮面卿」
馬を走らせていると、ザンデと再会した
『ザンデか、無事で何よりだ』
何やら怪我をしているが目はぎらぎらと闘志に燃えていた
『ダリューンとかいう黒い騎士とやり合ったそうだな』
アリアスたちは川辺に馬を止まらせ、休憩をとる
馬は水を飲み、他の騎士たちも顔を洗ったり、皮で出来た水筒の水を飲む
「今回は逃してしまいましたが、次は必ずや奴の首をとってみせます」
そう豪語する顔は真剣で、アリアスはザンデがダリューンと当たって良かったと心から思った
倒したいと思う相手がいることは、騎士が強くなる上で絶対に必要だからだ
『その言葉、信じているぞ』
アリアスは仮面越しに笑みを見せた
「銀仮面卿は誰とやり合ったのですか」
『ナルサスとかいう宮廷画家だ』
アリアスも水を飲みながら答えた
「奴は宮廷画家なのですか?」
ザンデは父からアルスラーン一党の軍師であると、聞いていたので不思議がった
『絵も描ける軍師、というところなのではないか?』
アリアスも実際はナルサスの絵を見たことがないので、よくわからないが、あの月夜に剣を交えたときの自信満々の答えようを見れば、ナルサス自身は腕があると思いこんでいるようだ
そう思ったからこそ、へぼ画家だと煽り、抜け出したのだが
「絵も描ける軍師…アルスラーン一党は女神官や楽士だとか個性的な輩が多いですな」
真面目にそう答えるザンデを微笑ましく、アリアスは見つめた
『それだけ人望の厚い王太子ということだろう』
「…銀仮面卿は不服ではないのですか」
『不服?』
「向こうには、腕の立つ騎士に頭のきれる軍師…それから弓と剣が使える待童や楽士がいるのですぞ」
そう言うザンデは武勲をたてられなかった自分を責めているように見えた
『何を言うか』
しかしアリアスは声を強めてそう言った