act#31
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『ザンデ、そんな難しそうな顔をするな』
アリアスはザンデと騎馬隊と走っていた
向かう先は東───ペシャワールだ
「俺に上手く演技出来るでしょうか…」
ザンデは兜の下で緊張と不安の入り交じった顔をしていた
無理もなかった
初陣で出させれた命は上手く騎馬を使い、アルスラーン一党をペシャワールへ追い込むこと
相手にはこちらが本気で、邪魔をしているように見せねばならぬのだ
『別にお前は本気で殺すくらいの勢いで突っ込んで行くといい』
アリアスは手綱を握りながらそう答えた
王都でダリューンとナルサスとやり合ったときのことを思い出せばそう言うしかなかった
この若い騎士が、あの二人に勝る…とは自信を持って言えなかった
『お前はまだアルスラーン一党とやり合ったことはないのだから、相手の実力を知ることを前提として構わぬ』
落ち着いてザンデにそう言葉をかける姿は軍師…というよりは一人の師匠のようでもあった
「善処します」
『よし…では、別れて行動だ。死ぬなよ、ザンデ』
アリアスは愛馬の腹を蹴り、颯爽に岩肌を駆けて行った
****
ザンデと別れたアリアスは百騎ほどを連れて、岩肌を駆けていた
聞いた情報によればアルスラーン一党は3手に別れたそうだ
6人に増えたと聞く一党は果たして、誰と誰の組み合わせでペシャワールへ向かっているのだろう
出来ることなら、直接アルスラーンに会っておきたいが
「銀仮面卿」
この隊の騎長である一人の騎士が静かに呼んだ
『あぁ、何やら囲まれているな』
馬の速度を速めたり遅めたりしているが、それに合わせて向こうも追って来ていることは薄々気づいていた
「いかがいたしましょうか」
『…どうやらこのまま通してくれる相手でもなさそうだ』
アリアスがぴたり、と馬を停めると辺りは野蛮そうな人で溢れていた
その近くでアルスラーン一党の軍師ナルサスがいることはまだ知らない
「ゾット族だ!」
後ろの方で騎士が声を上げた
ゾット族は、砂漠や岩山の地方に出没する遊牧の民で、ときには傭兵となり、ときには盗賊となる
彼らにとってアリアスの一向は、獲物というよりは、縄張りに侵入してきた敵であった
彼らの名誉と実力をしめすため、侵入者を見逃すわけにはいかなった
ひとりの大男が、馬上から声をかけてきた
アリアスはザンデと騎馬隊と走っていた
向かう先は東───ペシャワールだ
「俺に上手く演技出来るでしょうか…」
ザンデは兜の下で緊張と不安の入り交じった顔をしていた
無理もなかった
初陣で出させれた命は上手く騎馬を使い、アルスラーン一党をペシャワールへ追い込むこと
相手にはこちらが本気で、邪魔をしているように見せねばならぬのだ
『別にお前は本気で殺すくらいの勢いで突っ込んで行くといい』
アリアスは手綱を握りながらそう答えた
王都でダリューンとナルサスとやり合ったときのことを思い出せばそう言うしかなかった
この若い騎士が、あの二人に勝る…とは自信を持って言えなかった
『お前はまだアルスラーン一党とやり合ったことはないのだから、相手の実力を知ることを前提として構わぬ』
落ち着いてザンデにそう言葉をかける姿は軍師…というよりは一人の師匠のようでもあった
「善処します」
『よし…では、別れて行動だ。死ぬなよ、ザンデ』
アリアスは愛馬の腹を蹴り、颯爽に岩肌を駆けて行った
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ザンデと別れたアリアスは百騎ほどを連れて、岩肌を駆けていた
聞いた情報によればアルスラーン一党は3手に別れたそうだ
6人に増えたと聞く一党は果たして、誰と誰の組み合わせでペシャワールへ向かっているのだろう
出来ることなら、直接アルスラーンに会っておきたいが
「銀仮面卿」
この隊の騎長である一人の騎士が静かに呼んだ
『あぁ、何やら囲まれているな』
馬の速度を速めたり遅めたりしているが、それに合わせて向こうも追って来ていることは薄々気づいていた
「いかがいたしましょうか」
『…どうやらこのまま通してくれる相手でもなさそうだ』
アリアスがぴたり、と馬を停めると辺りは野蛮そうな人で溢れていた
その近くでアルスラーン一党の軍師ナルサスがいることはまだ知らない
「ゾット族だ!」
後ろの方で騎士が声を上げた
ゾット族は、砂漠や岩山の地方に出没する遊牧の民で、ときには傭兵となり、ときには盗賊となる
彼らにとってアリアスの一向は、獲物というよりは、縄張りに侵入してきた敵であった
彼らの名誉と実力をしめすため、侵入者を見逃すわけにはいかなった
ひとりの大男が、馬上から声をかけてきた