act#30
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アリアスは、カーラーンが療養している一室を訪れていた
「息子はどうでしょうか…」
『若くて猛々しいな、お前の息子は』
アリアスはバルコニーで空を見上げそう答えた
『正直者で真っ直ぐで、若いから物覚えも良い』
「貴女からそのような言葉をかけていただけるとは…呼んでよかった」
『鼻筋のあたりがカーラーンにそっくりだな』
それから、流石にからかい甲斐があるとは言えなかった
「───アリアス様……?」
先ほどから空を見上げ、目を動かすアリアスにカーラーンは不思議そうな声を出した
『先ほどから…わたしの頭上を一匹の鷹が飛んでいるのだ』
「鷹…?」
カーラーンはまさか、と思いゆっくりと寝台から上半身を起こし、バルコニーに目をやった
アリアスがおいで、とバルコニーの縁を指で差すとそこに一羽の鷹が迷いなく舞い降りてきた
艶やかな羽と聡明な顔つきの鷹だった
「告命天使(スルーシ)ではないか…」
カーラーンは驚きの声をあげた
『スルーシ…良い名だな』
アリアスはリラに革の手袋を用意させて、それを腕につけると早速スルーシと呼ばれた鷹はその腕に乗った
「スルーシはキシュワードという万騎長の飼っている鷹で告死天使(アズライール)という兄弟がおります」
『あぁ、バフマンと共にペシャワールにいる万騎長だったな…飼い主に言われて偵察に来たのか。中々賢いな 』
アリアスがそう言うとスルーシは嬉しそうに鳴いた
カーラーンは珍しそうにその光景を見ていた
キシュワード以外の腕にこんなにも長く留まり、落ち着いているスルーシを見るのは初めてだったのだ
『ペシャワールからの道のりは長かっただろう。腹拵えでもするか?』
アリアスは部屋にあった干した果実をやる
『あぁ、肉を食べたかったんだよな』
アリアスはもう一度リラを呼んで、肉を持ってきてもらう
『ほら、たんと食べてペシャワールへ帰れ』
一羽の鷹と戯れる姿は、子どものような無邪気さが滲み出ていた
仮面の奥から覗く目は優しさに溢れている
スルーシの方もアリアスの手から直接餌をもらうほどの懐きようだ
『……どうした。帰らぬのか』
しかし、腹拵えの済んだ鷹は飛び立とうとしなかった
「息子はどうでしょうか…」
『若くて猛々しいな、お前の息子は』
アリアスはバルコニーで空を見上げそう答えた
『正直者で真っ直ぐで、若いから物覚えも良い』
「貴女からそのような言葉をかけていただけるとは…呼んでよかった」
『鼻筋のあたりがカーラーンにそっくりだな』
それから、流石にからかい甲斐があるとは言えなかった
「───アリアス様……?」
先ほどから空を見上げ、目を動かすアリアスにカーラーンは不思議そうな声を出した
『先ほどから…わたしの頭上を一匹の鷹が飛んでいるのだ』
「鷹…?」
カーラーンはまさか、と思いゆっくりと寝台から上半身を起こし、バルコニーに目をやった
アリアスがおいで、とバルコニーの縁を指で差すとそこに一羽の鷹が迷いなく舞い降りてきた
艶やかな羽と聡明な顔つきの鷹だった
「告命天使(スルーシ)ではないか…」
カーラーンは驚きの声をあげた
『スルーシ…良い名だな』
アリアスはリラに革の手袋を用意させて、それを腕につけると早速スルーシと呼ばれた鷹はその腕に乗った
「スルーシはキシュワードという万騎長の飼っている鷹で告死天使(アズライール)という兄弟がおります」
『あぁ、バフマンと共にペシャワールにいる万騎長だったな…飼い主に言われて偵察に来たのか。中々賢いな 』
アリアスがそう言うとスルーシは嬉しそうに鳴いた
カーラーンは珍しそうにその光景を見ていた
キシュワード以外の腕にこんなにも長く留まり、落ち着いているスルーシを見るのは初めてだったのだ
『ペシャワールからの道のりは長かっただろう。腹拵えでもするか?』
アリアスは部屋にあった干した果実をやる
『あぁ、肉を食べたかったんだよな』
アリアスはもう一度リラを呼んで、肉を持ってきてもらう
『ほら、たんと食べてペシャワールへ帰れ』
一羽の鷹と戯れる姿は、子どものような無邪気さが滲み出ていた
仮面の奥から覗く目は優しさに溢れている
スルーシの方もアリアスの手から直接餌をもらうほどの懐きようだ
『……どうした。帰らぬのか』
しかし、腹拵えの済んだ鷹は飛び立とうとしなかった