act#28
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アリアスは目の前で跪く一人の若い騎士をまじまじと見つめる
「アリアス様、はじめて御意をえます。私はザンデと申します。父はパルスの万騎長カーラーン。このたび、まだ傷の癒えぬ父にかわりアリアス様におつかえするため、領地より、かくは参上いたしました」
アリアスは仮面の下で目を丸める
『カーラーンの息子か…』
若い騎士は十九歳か、二十歳くらいだろう
すっと通った鼻筋父に似ていて、猛々しさが目立つ顔つきだ
『お前がここに来たのは父の命か』
「はい。まだ動けぬようなので自分の代わりに力を貸せと」
『お前自身はそれでいいのか』
アリアスは仮面の奥で鋭い視線を向けた
まだ若く未来のある騎士だ
自分のような者に支えさせていいものなのかと、思ってしまう
『お前の意思はどうなのだ』
ザンデはザンデで困惑していた
まさかこんなことを聞かれるとは思ってもいなかったのだから
『わたしはパルス王家の血を清算するためにここにいる。わたし自身が王位を継承し、お前を取り立ててやることはない』
アリアスは偽ることなく正直に話した
『カーラーンはそれでも構わぬ、と申してくれた。覚悟を決め、わたしと茨の道を歩んでくれると誓ってくれた』
カーラーンは長い間、万騎長としてパルスに支えていたしアリアスのことを知っていたからこそ覚悟を決めてくれた
しかしザンデは知らない
きっとカーラーンの口から事情を聞いただけだろう
そんな若者を本人の決意も聞かずに、ではよろしく頼むとは言えなかった
「…正直に申し上げますと、父がそこまでして忠誠を誓った方がどんな方なのか私はずっと知りたかったのです」
『わたしを?』
「貴方は私のようなまだ武勲もたてておらぬ若造の心配をしてくれた。父が話していた通りの方だった」
ザンデは少しだけ表情を和らげた
初めてここへ来たときに比べ、緊張は幾分か解れていた
「"恐らくアリアス様は俺の命だからとは別におぬしの意思を尊重するだろう。そう聞かれたらしっかりと自分の意思を伝えよ"と」
『カーラーンらしいな』
年の功とは馬鹿に出来ぬな、とアリアスは思った
「最近の父は確かに何か覚悟を決めた険しい顔をしておられました。しかしそれなのにどこか嬉しそうでもありました」
息子のザンデからしてみてもその今までの父とは違うな、と近くで感じていた
「…私はそんな覚悟を決めた父の息子にございます」
ザンデはアリアスの目を真っ直ぐと見つめて言った
「アリアス様、はじめて御意をえます。私はザンデと申します。父はパルスの万騎長カーラーン。このたび、まだ傷の癒えぬ父にかわりアリアス様におつかえするため、領地より、かくは参上いたしました」
アリアスは仮面の下で目を丸める
『カーラーンの息子か…』
若い騎士は十九歳か、二十歳くらいだろう
すっと通った鼻筋父に似ていて、猛々しさが目立つ顔つきだ
『お前がここに来たのは父の命か』
「はい。まだ動けぬようなので自分の代わりに力を貸せと」
『お前自身はそれでいいのか』
アリアスは仮面の奥で鋭い視線を向けた
まだ若く未来のある騎士だ
自分のような者に支えさせていいものなのかと、思ってしまう
『お前の意思はどうなのだ』
ザンデはザンデで困惑していた
まさかこんなことを聞かれるとは思ってもいなかったのだから
『わたしはパルス王家の血を清算するためにここにいる。わたし自身が王位を継承し、お前を取り立ててやることはない』
アリアスは偽ることなく正直に話した
『カーラーンはそれでも構わぬ、と申してくれた。覚悟を決め、わたしと茨の道を歩んでくれると誓ってくれた』
カーラーンは長い間、万騎長としてパルスに支えていたしアリアスのことを知っていたからこそ覚悟を決めてくれた
しかしザンデは知らない
きっとカーラーンの口から事情を聞いただけだろう
そんな若者を本人の決意も聞かずに、ではよろしく頼むとは言えなかった
「…正直に申し上げますと、父がそこまでして忠誠を誓った方がどんな方なのか私はずっと知りたかったのです」
『わたしを?』
「貴方は私のようなまだ武勲もたてておらぬ若造の心配をしてくれた。父が話していた通りの方だった」
ザンデは少しだけ表情を和らげた
初めてここへ来たときに比べ、緊張は幾分か解れていた
「"恐らくアリアス様は俺の命だからとは別におぬしの意思を尊重するだろう。そう聞かれたらしっかりと自分の意思を伝えよ"と」
『カーラーンらしいな』
年の功とは馬鹿に出来ぬな、とアリアスは思った
「最近の父は確かに何か覚悟を決めた険しい顔をしておられました。しかしそれなのにどこか嬉しそうでもありました」
息子のザンデからしてみてもその今までの父とは違うな、と近くで感じていた
「…私はそんな覚悟を決めた父の息子にございます」
ザンデはアリアスの目を真っ直ぐと見つめて言った