act#24
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アリアスは真っ直ぐとある場所を目指して歩いていた
見張りのルシタニア兵を金で買収し、宛がわれているだろう離れに足を踏み入れた
「あ、貴方は…」
中にいた宮女はアリアスが現れたことに驚きを露にした
『悪いが席を外せ。俺が良いと言うまでこの部屋に近寄るな』
「っ…王妃をルシタニア兵に売った貴方と会わせると思うのですか」
宮女は気を張ってアリアスを見上げ睨みつけた
『ルシタニア兵に渡ったのに王妃も含め貴様らがまだ生き長らえているのは誰のおかげだと思っている』
アリアスはひと睨みする
『俺が一言申せば貴様もルシタニア兵に売ることが出来るのだがな』
「ひっ……!」
その言葉は宮女の顔色を一気に悪くさせた
宮女も自分の目で、他の宮女たちがどんなひどい目に合っているのか知っていたからたじろぐ
自分じゃなくて良かった、と思ったこともあるだろう
アリアスは上手くその心理に働きかけたのだ
「っ……終わったらお呼び下さい」
宮女は苦々しくそう言い部屋を出ていった
『(我ながら酷い演技だったな……)』
アリアスは自分の口から出た台詞に嘲る
これからあの宮女に会う度に真っ青な顔をされるだろう
しかし今はそんなことはどうでもいい
「────また貴方ですか」
部屋の主である囚われの王妃タハミーネは入り口に立つこちらを少しだけ見てそう告げた
絹張りの腰掛けに座る姿はあの頃と何も変わっていなかった
『アンドラゴラスが国王になっても貴女の自由は保障されなかったのか…』
その言葉にタハミーネの表情が少し動いた
『誰の妃となっても自らを閉ざし貴女は籠の中へと閉じ籠る………』
「お願い……もう少し近くに来て」
タハミーネは瞳を丸くさせそう焦るように言った
アリアスもその言葉に導かれるように足をタハミーネの方へ進める
『────貴女は幸せなのですか…?』
「アリアス……なのですか?」
タハミーネの口からアリアスの名が十六年ぶりに溢れた
それをどれだけ待っていたか…
『タハミーネ様……』
アリアスも振り絞るように王妃の名を呼んだ
「お願い、貴女のお顔を見せて」
アリアスはゆっくりと膝を折り、あの頃と同じ態勢でタハミーネを見る
「あぁ、妾の可愛い娘…アリアス…」
『わたしの心の母上……』
タハミーネはあの頃のようにアリアスの頭を抱き締めた
見張りのルシタニア兵を金で買収し、宛がわれているだろう離れに足を踏み入れた
「あ、貴方は…」
中にいた宮女はアリアスが現れたことに驚きを露にした
『悪いが席を外せ。俺が良いと言うまでこの部屋に近寄るな』
「っ…王妃をルシタニア兵に売った貴方と会わせると思うのですか」
宮女は気を張ってアリアスを見上げ睨みつけた
『ルシタニア兵に渡ったのに王妃も含め貴様らがまだ生き長らえているのは誰のおかげだと思っている』
アリアスはひと睨みする
『俺が一言申せば貴様もルシタニア兵に売ることが出来るのだがな』
「ひっ……!」
その言葉は宮女の顔色を一気に悪くさせた
宮女も自分の目で、他の宮女たちがどんなひどい目に合っているのか知っていたからたじろぐ
自分じゃなくて良かった、と思ったこともあるだろう
アリアスは上手くその心理に働きかけたのだ
「っ……終わったらお呼び下さい」
宮女は苦々しくそう言い部屋を出ていった
『(我ながら酷い演技だったな……)』
アリアスは自分の口から出た台詞に嘲る
これからあの宮女に会う度に真っ青な顔をされるだろう
しかし今はそんなことはどうでもいい
「────また貴方ですか」
部屋の主である囚われの王妃タハミーネは入り口に立つこちらを少しだけ見てそう告げた
絹張りの腰掛けに座る姿はあの頃と何も変わっていなかった
『アンドラゴラスが国王になっても貴女の自由は保障されなかったのか…』
その言葉にタハミーネの表情が少し動いた
『誰の妃となっても自らを閉ざし貴女は籠の中へと閉じ籠る………』
「お願い……もう少し近くに来て」
タハミーネは瞳を丸くさせそう焦るように言った
アリアスもその言葉に導かれるように足をタハミーネの方へ進める
『────貴女は幸せなのですか…?』
「アリアス……なのですか?」
タハミーネの口からアリアスの名が十六年ぶりに溢れた
それをどれだけ待っていたか…
『タハミーネ様……』
アリアスも振り絞るように王妃の名を呼んだ
「お願い、貴女のお顔を見せて」
アリアスはゆっくりと膝を折り、あの頃と同じ態勢でタハミーネを見る
「あぁ、妾の可愛い娘…アリアス…」
『わたしの心の母上……』
タハミーネはあの頃のようにアリアスの頭を抱き締めた