act#22

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名前

「おいおい、名前を聞いてくれないのか。でないと、こちらから名乗るのは、気恥ずかしいではないか」

アリアスは片手で顔を隠しながら割り込んできた男を睨んだ

『誰だ、道化者』

「気に食わぬ言い種だが、訊かれては名乗らざるえまないな。わが名はナルサス。つぎのパルス国王の世に宮廷画家をつとめる者だ」

『宮廷画家だと…?』

大真面目に答えているあたり本気なのだろう

「画聖マニの再来と心ある人は呼ぶ」

「誰が呼ぶか!!」

ナルサスが来たことでダリューンの血が上った頭が少し冷えたようだ
目の前で漫才のようなものを繰り広げられても困るもので、アリアスも少し冷静になり、周囲の騒がしくなってきたことを悟る
野次馬が集まり始めていたのだ
それにこれ以上素顔を晒すわけにはいかなかった

『勝負は後日にあずけた。今日は引き分けにしておこう』

王太子もなかなか面白い人物を味方につけたものだと、心の中で笑う

「型どおりの場合に、型どおりの台詞を言う奴だ。今日できることを明日に延ばす必要はないぞ!」

ナルサスは挑発のつもりで言ったがアリアスはそれにには乗らず、自分を突いてくる剣をいなす
さすがに、ナルサスとダリューンの両方の相手をするほど体力が残っている訳でもない

『さらばだ、へぼ画家。今度会うと時までに絵の腕を上げておけよ』

その言葉はナルサスの自尊心を傷つけ、未来の宮廷画家は前進し、一撃を繰り出した
しかしアリアスはそれを受け流し身を反転させた
その流れるような動作に二人は呆気にとられ思わず見入る
アリアスは狭い路地に飛び込み、置いてあった樽や木材を蹴り倒して追跡を逃れ闇の奥へと姿を消した

「奴め、誰かは知らぬが、おそろしく腕がたつ」

ダリューンは追跡を諦め、剣を納めた
───記憶の奥底で、何かを思い出そうとしながら

「お前が助けてくれなければ今頃、奴に脳天を叩き割られていたところだ」

ダリューンはナルサスの肩を叩くと

「そんなことはどうでもいい!!」

ナルサスは大きな声を出した

「あやつ、俺のことをへぼ画家とぬかしおった!芸術も文化も理解せぬ奴らがでかい面で横行する!末世と言うべきだな!」

拳をにぎりそう吠えるナルサスにダリューンは冷ややかな視線を送った
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