act#20
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マルヤムの帰りの再会は運命などではない
あれこそ、偶然としかいえない
なにやら騒がしいと思い駆けつけた先には、少女とその肩を支える黒い騎士の姿があった
騎士にしては細身で服と同じ黒く長い髪が特徴的だった
その騎士は少女を頼んだと言い、こちらに押してきた
その際に顔を拝んだのだ
右半分を眼帯で覆う、秀麗な顔立ちは
【カーラーン……】
確かにそう呟いた
なぜ、という考えが浮かぶ前に身体と脳はその相手のことを思い出させたのだ
【アリアス王女────!】
身体は走り出した王女を追っていた
必死に呼び掛け止めると、あの頃とは違う低く澄んだ声でカーラーンの名を呼んだ
全身の毛が総立ちする感覚だった
王女は生きていたのだ
あの火事から逃げのび、一人生き延びていたのだ
顔半分を炎の犠牲として
もう一度、支えたいとその時には思っていた
王女を捨てたと言っても構わなかった
ただ、傍で支えたいと純粋に思った
アリアスは覚悟を決めた冷たい視線でカーラーンに手を伸ばした
思い詰めた表情は何もかもを捨てる覚悟を秘めていた
カーラーンは迷わずその手に忠誠の口付けをした
あの頃とった柔らかな手ではなく、生きるために何もかもを犠牲にしてきたであろう傷だらけの手に
王女を捨てたアリアスは恐ろしく強く、そして知略に長け凛々しく見えた
それでも時折見せる姿は、気品と優雅さを兼ね揃えていて、出がいいことを伺わせるようだった
再会した後に初めて見せてくれた笑みは美しくも、すぐに壊れてしまいそうなくらい儚かった
もうあの頃のような無邪気な笑顔は二度と見られないのかもしれないと思うと胸が苦しくなる
それでも少しでも笑みを見せてくれるのなら、その笑みに答えなくてはならない
そう決めた
「かっ…」
カーラーンの腹部にダリューンの槍の石突が刺さった
均衡を失った身体はよろめき馬から落ちそうになるがカーラーンは思いとどまった
カーラーンは自分のもつ槍で身体を支えた
もはや、もう一度槍を振るう体力はなかった
この一派に囲まれ尋問なりされる前に切り抜けなければならない
あの方が待っているのだから
あれこそ、偶然としかいえない
なにやら騒がしいと思い駆けつけた先には、少女とその肩を支える黒い騎士の姿があった
騎士にしては細身で服と同じ黒く長い髪が特徴的だった
その騎士は少女を頼んだと言い、こちらに押してきた
その際に顔を拝んだのだ
右半分を眼帯で覆う、秀麗な顔立ちは
【カーラーン……】
確かにそう呟いた
なぜ、という考えが浮かぶ前に身体と脳はその相手のことを思い出させたのだ
【アリアス王女────!】
身体は走り出した王女を追っていた
必死に呼び掛け止めると、あの頃とは違う低く澄んだ声でカーラーンの名を呼んだ
全身の毛が総立ちする感覚だった
王女は生きていたのだ
あの火事から逃げのび、一人生き延びていたのだ
顔半分を炎の犠牲として
もう一度、支えたいとその時には思っていた
王女を捨てたと言っても構わなかった
ただ、傍で支えたいと純粋に思った
アリアスは覚悟を決めた冷たい視線でカーラーンに手を伸ばした
思い詰めた表情は何もかもを捨てる覚悟を秘めていた
カーラーンは迷わずその手に忠誠の口付けをした
あの頃とった柔らかな手ではなく、生きるために何もかもを犠牲にしてきたであろう傷だらけの手に
王女を捨てたアリアスは恐ろしく強く、そして知略に長け凛々しく見えた
それでも時折見せる姿は、気品と優雅さを兼ね揃えていて、出がいいことを伺わせるようだった
再会した後に初めて見せてくれた笑みは美しくも、すぐに壊れてしまいそうなくらい儚かった
もうあの頃のような無邪気な笑顔は二度と見られないのかもしれないと思うと胸が苦しくなる
それでも少しでも笑みを見せてくれるのなら、その笑みに答えなくてはならない
そう決めた
「かっ…」
カーラーンの腹部にダリューンの槍の石突が刺さった
均衡を失った身体はよろめき馬から落ちそうになるがカーラーンは思いとどまった
カーラーンは自分のもつ槍で身体を支えた
もはや、もう一度槍を振るう体力はなかった
この一派に囲まれ尋問なりされる前に切り抜けなければならない
あの方が待っているのだから