act#20
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「ぬっ…!ぐ、」
カーラーンは闇夜の中、更に黒い騎士と退治していた
崖の下では部下の声がする
この体勢を立て直すのは難しいだろう
策に乗ったのか乗らされたのか分からない
自分よりナルサスの方が優れているのも知っている
自分よりダリューンの方が強いことも知っている
それでもアリアスは自分を選び、必要だと言ってくれた
生きて帰ってきて欲しいと願ってくれた
「逃げるのかカーラーン!!年端もいかぬ少年を相手どるだけが貴様の武勇か!!」
ダリューンの猛る声が響く
相手どるだと…?
なにを馬鹿なことを言うのだ
アルスラーン王太子には生きてもらわなくては困るのだ
例え自分がどう思われても
全てはアリアスの願いのため
「青二才が!!つけあがるな!!」
カーラーンは槍を構え直し、ダリューンと突き合う
幼くして王宮を追われ殺されたと思っていた王女
【カーラーン!昨日の続き!聞きたい!】
明るく華のような声で呼んでくれる王女を守りたいと思っていた
真面目しか取り柄のない自分に懐き何でも聞きにくる小さな姿は愛おしく、癒しを与えてくれた
いつも自分に娘が出来たらこんな感じなのかと考えていた
パルス初の女王となることを目標とし日々鍛錬と勉学に余念のない姿を見かけ、立派な女王になれるよう惜しみなく力を貸すと誓った
それなのに、神とは無情なもので炎はアリアスを奪った
何度あの日、助けに行けなかったことを悔やんだか
火事による焼死…死体も見つからず、葬儀などあってないようなものだった
守るものなど失ったと思った
まるで最初からパルスの王宮には王女などいなかったかのような雰囲気になり、いたたまれなくなった
そしてまもなくして、国王となったアンドラゴラスに王太子が産まれた
今思えば全て仕組まれていたようにも思えた
アルスラーンが悪い訳ではないのに、亡くなったアリアスと比べている自分がいた
本当ならその姿を重ねて、もう二度とあんなことが起きないように守るべきなんだろうが、そんな気分にはなれなかった
やはり"男児"となると扱い方も全然違ったというのもあるのかもしれない
「っ!」
ダリューンの槍先がカーラーンの頬の肉をえぐり、血が目に入った
視力が霞んだ
掴みかけた、あの姿がまた消える気がした
カーラーンは闇夜の中、更に黒い騎士と退治していた
崖の下では部下の声がする
この体勢を立て直すのは難しいだろう
策に乗ったのか乗らされたのか分からない
自分よりナルサスの方が優れているのも知っている
自分よりダリューンの方が強いことも知っている
それでもアリアスは自分を選び、必要だと言ってくれた
生きて帰ってきて欲しいと願ってくれた
「逃げるのかカーラーン!!年端もいかぬ少年を相手どるだけが貴様の武勇か!!」
ダリューンの猛る声が響く
相手どるだと…?
なにを馬鹿なことを言うのだ
アルスラーン王太子には生きてもらわなくては困るのだ
例え自分がどう思われても
全てはアリアスの願いのため
「青二才が!!つけあがるな!!」
カーラーンは槍を構え直し、ダリューンと突き合う
幼くして王宮を追われ殺されたと思っていた王女
【カーラーン!昨日の続き!聞きたい!】
明るく華のような声で呼んでくれる王女を守りたいと思っていた
真面目しか取り柄のない自分に懐き何でも聞きにくる小さな姿は愛おしく、癒しを与えてくれた
いつも自分に娘が出来たらこんな感じなのかと考えていた
パルス初の女王となることを目標とし日々鍛錬と勉学に余念のない姿を見かけ、立派な女王になれるよう惜しみなく力を貸すと誓った
それなのに、神とは無情なもので炎はアリアスを奪った
何度あの日、助けに行けなかったことを悔やんだか
火事による焼死…死体も見つからず、葬儀などあってないようなものだった
守るものなど失ったと思った
まるで最初からパルスの王宮には王女などいなかったかのような雰囲気になり、いたたまれなくなった
そしてまもなくして、国王となったアンドラゴラスに王太子が産まれた
今思えば全て仕組まれていたようにも思えた
アルスラーンが悪い訳ではないのに、亡くなったアリアスと比べている自分がいた
本当ならその姿を重ねて、もう二度とあんなことが起きないように守るべきなんだろうが、そんな気分にはなれなかった
やはり"男児"となると扱い方も全然違ったというのもあるのかもしれない
「っ!」
ダリューンの槍先がカーラーンの頬の肉をえぐり、血が目に入った
視力が霞んだ
掴みかけた、あの姿がまた消える気がした