act#12
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「準備は滞りなく進んでおります」
カーラーンは自分の城の離れの古い一角でアリアスと会っていた
『あぁ、こちらも滞りなく進んでいる』
「本当にルシタニアをけしかけたのですか」
『王弟陛下とやらが仕切って動いている。あそこの国もなかなか苦労しているのだ』
カーラーンは誰のことを指しているのか分かっていた
ルシタニアの国王の愚鈍さはそれなりに有名だった
『奴ら"異教徒"とやら言えばすぐに動くからな』
「聖職者までけしかけたのですか」
『ルシタニア兵を動かすにはそれが手っ取り早い』
アリアスはゆっくりと淹れられた茶を啜った
茶を啜る姿はどこか優雅でカーラーンは思わず見惚れる
王女を捨てても、動作にそれが滲み出ているようだった
『────ただ、関係のないパルスの人々を巻き込むのだけはやはり心苦しいな』
恐らく犠牲者は数えきれない程になるだろう
戦で兵士が死ぬだけではない
ルシタニアがパルスに侵攻すれば異教徒狩りが行われるのが目に浮かぶ
どうにか言葉巧みにルシタニアを煽り、犠牲者を少なくしたいものだと思う
「王女は、」
『王女と呼ぶなと言っただろう』
「しかし、」
『王女意外なら好きに呼んでいい』
「…アリアス様」
アリアスは王女と呼ばれることを徹底的に拒んだ
「そちらの、仮面は…?」
カーラーンはアリアスの目の前に置かれた、銀色の仮面に目をやった
『わたしを隠すものだ』
アリアスは仮面を手に取った
『カーラーン、約束して欲しいことがある』
「は、なんなりと」
『戦の間…これからはこの仮面がわたしを守るものになる。王女であることを捨て、女であることを偽る』
言っていて、本当にパルスの王族の血を引くとろくなことがないと思った
結局、誰かと同じで嘘が己を生かすのだ
『この銀仮面をつけている間、わたしはただの軍師となる。だから人前ではわたしの名前を絶対に出すな』
「────銀仮面卿…とお呼びすれば良いのですね」
『そうだ』
アリアスは、銀仮面を指でなぞる
カーラーンは自分の城の離れの古い一角でアリアスと会っていた
『あぁ、こちらも滞りなく進んでいる』
「本当にルシタニアをけしかけたのですか」
『王弟陛下とやらが仕切って動いている。あそこの国もなかなか苦労しているのだ』
カーラーンは誰のことを指しているのか分かっていた
ルシタニアの国王の愚鈍さはそれなりに有名だった
『奴ら"異教徒"とやら言えばすぐに動くからな』
「聖職者までけしかけたのですか」
『ルシタニア兵を動かすにはそれが手っ取り早い』
アリアスはゆっくりと淹れられた茶を啜った
茶を啜る姿はどこか優雅でカーラーンは思わず見惚れる
王女を捨てても、動作にそれが滲み出ているようだった
『────ただ、関係のないパルスの人々を巻き込むのだけはやはり心苦しいな』
恐らく犠牲者は数えきれない程になるだろう
戦で兵士が死ぬだけではない
ルシタニアがパルスに侵攻すれば異教徒狩りが行われるのが目に浮かぶ
どうにか言葉巧みにルシタニアを煽り、犠牲者を少なくしたいものだと思う
「王女は、」
『王女と呼ぶなと言っただろう』
「しかし、」
『王女意外なら好きに呼んでいい』
「…アリアス様」
アリアスは王女と呼ばれることを徹底的に拒んだ
「そちらの、仮面は…?」
カーラーンはアリアスの目の前に置かれた、銀色の仮面に目をやった
『わたしを隠すものだ』
アリアスは仮面を手に取った
『カーラーン、約束して欲しいことがある』
「は、なんなりと」
『戦の間…これからはこの仮面がわたしを守るものになる。王女であることを捨て、女であることを偽る』
言っていて、本当にパルスの王族の血を引くとろくなことがないと思った
結局、誰かと同じで嘘が己を生かすのだ
『この銀仮面をつけている間、わたしはただの軍師となる。だから人前ではわたしの名前を絶対に出すな』
「────銀仮面卿…とお呼びすれば良いのですね」
『そうだ』
アリアスは、銀仮面を指でなぞる