act#11
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『────本当に出来るのだな』
「ずいぶんと疑り深いな。先ほど小さな村にも起こして見せただろう」
陽の光の届かない、地下でアリアスは暗灰色の衣を纏った仮面の老人と会っていた
その地下には地上では決して目にかかれぬようなものが溢れていた
『そうだが…今回は規模が違う』
「ぬしが望めばどんな規模でもやってやろうではないか」
仮面の老人はアリアスを見上げる
『わかった。報酬は金貨と────』
「────アトロパテネに流れる血だ」
老人…もとい、魔導師はそう答えた
『金貨は前払いでくれてやろう』
アリアスはじゃらり、と麻袋に入った金貨を渡した
「血は…?」
『当日嫌でも流れる』
アリアスは鋭い視線を魔導師に送った
「────良かろう。当日期待してるぞ、アリアス王女」
『その名で呼ぶな。王女など捨てたのだ』
「ならばこれをつけよ」
魔導師は机に揺らめく炎を受けて銀色に光る仮面を置いた
「王女であることを捨てているならこれをつけよ」
『銀仮面…』
アリアスは仮面を手に持った
銀の割には軽く感じた
「その眼帯では左半分が丸分かりじゃろう」
『そうだな…』
確かにこちらの方が分かるのは口元だけで済む
そうすれば性別すら分からないだろう
身体は黒い外套で隠しているのだから
「名も隠すならそれをつけて銀仮面卿とでも名乗れ」
『銀仮面卿か…わたしには過ぎた名だな』
「わしにはパルスを正すものには軽いとは思うがな…」
『持ち上げてもこれ以上の金貨もないぞ』
アリアスは銀仮面を持ち、地下を出ようとする
『────では、後は好きにしろ。尊師』
ばたん、と扉の閉まる音が大きく響いた
「────なかなかに強く、美しい女だな」
魔導師はアリアスの持ってきた麻袋から金貨を出した
王女であることを捨て、茨の道を選ぶ姿は美しくも儚く映る
「ザッハーク様が降臨されたら姫君として捧げてやろう」
パルスに真を敷くなど考える脳はさぞかし美味であろう────
~END~
(人智をこえる)
「ずいぶんと疑り深いな。先ほど小さな村にも起こして見せただろう」
陽の光の届かない、地下でアリアスは暗灰色の衣を纏った仮面の老人と会っていた
その地下には地上では決して目にかかれぬようなものが溢れていた
『そうだが…今回は規模が違う』
「ぬしが望めばどんな規模でもやってやろうではないか」
仮面の老人はアリアスを見上げる
『わかった。報酬は金貨と────』
「────アトロパテネに流れる血だ」
老人…もとい、魔導師はそう答えた
『金貨は前払いでくれてやろう』
アリアスはじゃらり、と麻袋に入った金貨を渡した
「血は…?」
『当日嫌でも流れる』
アリアスは鋭い視線を魔導師に送った
「────良かろう。当日期待してるぞ、アリアス王女」
『その名で呼ぶな。王女など捨てたのだ』
「ならばこれをつけよ」
魔導師は机に揺らめく炎を受けて銀色に光る仮面を置いた
「王女であることを捨てているならこれをつけよ」
『銀仮面…』
アリアスは仮面を手に持った
銀の割には軽く感じた
「その眼帯では左半分が丸分かりじゃろう」
『そうだな…』
確かにこちらの方が分かるのは口元だけで済む
そうすれば性別すら分からないだろう
身体は黒い外套で隠しているのだから
「名も隠すならそれをつけて銀仮面卿とでも名乗れ」
『銀仮面卿か…わたしには過ぎた名だな』
「わしにはパルスを正すものには軽いとは思うがな…」
『持ち上げてもこれ以上の金貨もないぞ』
アリアスは銀仮面を持ち、地下を出ようとする
『────では、後は好きにしろ。尊師』
ばたん、と扉の閉まる音が大きく響いた
「────なかなかに強く、美しい女だな」
魔導師はアリアスの持ってきた麻袋から金貨を出した
王女であることを捨て、茨の道を選ぶ姿は美しくも儚く映る
「ザッハーク様が降臨されたら姫君として捧げてやろう」
パルスに真を敷くなど考える脳はさぞかし美味であろう────
~END~
(人智をこえる)