act#10
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アリアスの声は震えていた
真珠のような輝きをもつ涙が秀麗な顔と火傷の痕の顔を流れた
『止めてくれ…わたしはもう、王女などではない…女が王位を継ぐことなんて出来やしないのだから…』
「アリアス様…」
『王女だったアリアスはもう死んだのだ…今はただの流浪の民なのだ…』
「そんなことありませぬ」
カーラーンは言いきる
「貴女が生きていると分かれば、王位継承は貴女のものにございます。アルスラーン殿下のものではございませぬ」
『そんなことない…パルスの王はパルス王家の、男児が、継ぐべきだ』
パルス王家の男児…?
その血を引いていないことを知っていて何を口走っているのだ
カーラーンだってアルスラーンがアンドラゴラスの子だと思っている
そう、誰もが騙されているのだ
王家の汚い血と継承を守るために
あぁ、いっそパルス王家の血など清算されてしまえばいいのに────
『─────そうだ…』
「…アリアス様?」
『今が、そのときだ』
アリアスの両目に微かな炎が灯る
『パルスの腐った王家の血など滅べばいい』
アリアスは跪つくカーラーンと向き合う
『カーラーン』
「はい」
『────もう一度…わたしに忠誠を誓ってくれるか』
「!何を仰るのですか。私はあの日から仕える主君は貴女だけだと決めているのです」
『わたしに仕える…それは、パルスを裏切ることになるのだぞ。現国王、王太子、騎士たちを…』
「構いませぬ。例え誰にどんな目で見られても私の気持ちは変わりませぬ」
『お前の…万騎長としての未来も全て最後には闇へと葬られるかもしれなくても…?』
「貴女と共に闇へ落ちる覚悟にございます」
カーラーンの決意は固かった
『────わたしと真のパルスのために生きてくれるか』
アリアスは跪つくカーラーンへと手を伸ばした
「私の命は貴女と共に」
カーラーンはもう一度、アリアスの手のひらに忠誠の口付けを落とした
二度目に触れた手はあの頃とは違い
閉ざされた心を映しているように冷たかった
~END~
(何処までも、貴女とともに)
真珠のような輝きをもつ涙が秀麗な顔と火傷の痕の顔を流れた
『止めてくれ…わたしはもう、王女などではない…女が王位を継ぐことなんて出来やしないのだから…』
「アリアス様…」
『王女だったアリアスはもう死んだのだ…今はただの流浪の民なのだ…』
「そんなことありませぬ」
カーラーンは言いきる
「貴女が生きていると分かれば、王位継承は貴女のものにございます。アルスラーン殿下のものではございませぬ」
『そんなことない…パルスの王はパルス王家の、男児が、継ぐべきだ』
パルス王家の男児…?
その血を引いていないことを知っていて何を口走っているのだ
カーラーンだってアルスラーンがアンドラゴラスの子だと思っている
そう、誰もが騙されているのだ
王家の汚い血と継承を守るために
あぁ、いっそパルス王家の血など清算されてしまえばいいのに────
『─────そうだ…』
「…アリアス様?」
『今が、そのときだ』
アリアスの両目に微かな炎が灯る
『パルスの腐った王家の血など滅べばいい』
アリアスは跪つくカーラーンと向き合う
『カーラーン』
「はい」
『────もう一度…わたしに忠誠を誓ってくれるか』
「!何を仰るのですか。私はあの日から仕える主君は貴女だけだと決めているのです」
『わたしに仕える…それは、パルスを裏切ることになるのだぞ。現国王、王太子、騎士たちを…』
「構いませぬ。例え誰にどんな目で見られても私の気持ちは変わりませぬ」
『お前の…万騎長としての未来も全て最後には闇へと葬られるかもしれなくても…?』
「貴女と共に闇へ落ちる覚悟にございます」
カーラーンの決意は固かった
『────わたしと真のパルスのために生きてくれるか』
アリアスは跪つくカーラーンへと手を伸ばした
「私の命は貴女と共に」
カーラーンはもう一度、アリアスの手のひらに忠誠の口付けを落とした
二度目に触れた手はあの頃とは違い
閉ざされた心を映しているように冷たかった
~END~
(何処までも、貴女とともに)