act#9
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運命の歯車は動き出す
ミスラ神殿を後にしてからもアリアスは旅を続けた
パルス軍の噂を聞きながら
アンドラゴラスの戦の手柄を聞きながら
そしてアリアスはとある宿場街でその日を終えようと酒場で飲んでいた
『(ち…なんでパルス軍がこんなにいるのだ…)』
なぜか街にはパルス軍が多く滞在していた
耳を凝らせば、なんでもマルヤムを侵攻してきたルシタニアを追い払った帰りだとか
『(くそ…今日は久しぶりにゆっくりと酒が飲めると思っていたのに…)』
さすがにパルス軍が彷徨く街に長居は出来ない
さっさと今日は借りた宿へ戻ろうと思っていた矢先
「その小娘をこっちに寄越しやがれ!」
何故か情婦館に売られそうになっている娘を助ける羽目になってしまったのだ
『口ばかりうるさい男だな』
アリアスは自分にすがり付く少女の肩を抱いた
なんでも彼女は目の前にいる情婦館を仕切る、商人に兄を殺され売られそうになっていたのだ
逃げていた少女とたまたまぶつかったのがアリアスだった
「も、申し訳ありません若旦那様…」
少女はアリアスを男だと信じこんでいる
『構わぬ。必ずお前を助けてやろう』
どうしてこうも女ばかりが可哀想な目に遭わなくてならないのだ
アリアスは苛立ち、剣を抜いた
「その女を離せ。それは商品だ」
商人は武装した私兵を数人連れてきてアリアスたちを囲った
『商品だと…彼女は自由民だ』
「知るか!女は奴隷だろうが自由民だろうが価値は決まってんだよ!」
『────ふん…自分の方がこの少女より価値があると思っているのか』
アリアスは静かにそう言った
「当たり前だろ!?女が男より価値がある訳ねえだろ!」
『よし。ならば今から貴様らを価値のつかぬ屍にしてやろう』
アリアスは震える少女をそっとその場にに座らせた
『良いか?今から辺りは汚くなる。目と耳を塞ぎ……私が良いと言うまで顔を上げるな』
少女は頷き、それを確認したアリアスは剣を構え辺りを冷たい目で見渡した
『────さて……誰から価値を0にして欲しい?』