act#6
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『ふ…ぐ、』
アリアスはじくじくと痛む爛れた顔の痛みを我慢して、川の水で清潔にした
着ていた服も焼け焦げていて決して綺麗とは言えなかった
命があっただけ、良かったと思おう
今はそれだけを考えていた
何故、自分がこんな目にとかどうしてとか考えると悔しくて涙が溢れてきてまた火傷に染みるからだ
『あ、う…』
震えるアリアスを柔らかい毛並みが覆った
なんと近くにいた狼があろうことか寄ってきたのだ
最初、見つかったときは喰い殺されると覚悟した
しかしアリアスの予想は外れ、狼は寄って震える身体を暖めるように擦りよってきた
『ありがとう……あっ…でも火傷は舐めたら駄目だ…汚いから』
火傷を舐めようとする一頭を制し頭を優しく撫でた
とりあえず火傷の痛みが退き、皮膚が乾くまではここにいようと思った
『もう少し…傍にいてくれ』
アリアスはぎゅっと、優しい狼を抱きしめた
そしてゆっくりとこれからのことを考えていた
恐らくもうエクバターナの地は踏めぬ、と
もし…生きている、とばれたら今度はどうなるのだろう
アンドラゴラスは地の涯まで追ってくるだろうか
それても、あの屈強な男のことだから王位のない小娘など毛ほどにも思っていないかもしれない
『どうしたものか…』
1人で生きていけるのだろうか
こうなるのならいっそ、死んだほうが────
『わ、ふ…!』
もそもそと狼はアリアスに身体を押し付けた
まるで、死ぬなどと考えるなと言われているようだった
『すまぬ…わたしは大丈夫だ』
もう一度、狼ごと自分を抱きしめた
お互いの存在を確かめ合うように
~END~
(生きるしかない)
アリアスはじくじくと痛む爛れた顔の痛みを我慢して、川の水で清潔にした
着ていた服も焼け焦げていて決して綺麗とは言えなかった
命があっただけ、良かったと思おう
今はそれだけを考えていた
何故、自分がこんな目にとかどうしてとか考えると悔しくて涙が溢れてきてまた火傷に染みるからだ
『あ、う…』
震えるアリアスを柔らかい毛並みが覆った
なんと近くにいた狼があろうことか寄ってきたのだ
最初、見つかったときは喰い殺されると覚悟した
しかしアリアスの予想は外れ、狼は寄って震える身体を暖めるように擦りよってきた
『ありがとう……あっ…でも火傷は舐めたら駄目だ…汚いから』
火傷を舐めようとする一頭を制し頭を優しく撫でた
とりあえず火傷の痛みが退き、皮膚が乾くまではここにいようと思った
『もう少し…傍にいてくれ』
アリアスはぎゅっと、優しい狼を抱きしめた
そしてゆっくりとこれからのことを考えていた
恐らくもうエクバターナの地は踏めぬ、と
もし…生きている、とばれたら今度はどうなるのだろう
アンドラゴラスは地の涯まで追ってくるだろうか
それても、あの屈強な男のことだから王位のない小娘など毛ほどにも思っていないかもしれない
『どうしたものか…』
1人で生きていけるのだろうか
こうなるのならいっそ、死んだほうが────
『わ、ふ…!』
もそもそと狼はアリアスに身体を押し付けた
まるで、死ぬなどと考えるなと言われているようだった
『すまぬ…わたしは大丈夫だ』
もう一度、狼ごと自分を抱きしめた
お互いの存在を確かめ合うように
~END~
(生きるしかない)