case#4
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「久しぶりだな」
『大般若…』
久しぶりの時の政府での仕事にも慣れてきた頃、久しぶりにここの部署にいる太刀に声をかけられた
声をかけてきたのは大般若長光だ
『久しぶり…』
「ようやく会えたなぁ…ま、俺自身も任務出てたから仕方ないか」
『お疲れ様です』
大般若長光はトワのデスクの隣りの空いている席に腰を下ろした
久しぶりに会う彼女は少し大人びたようにも見えるが、ただやつれたようにも見えた
「どうだい?久しぶりのこっちは」
『伝令が多くて一つずつ付箋に書かれていることを済ましているところ。大包平と分担して片付けてるよ』
トワは机に貼られた付箋を一つずつ確認し、終わったら丸めて捨てる日々を過ごしていた
「それは大変だ。大包平もトワが帰ってきてからずっと生き生きしてるよ」
『なんか久しぶりにあの大きい声聞けることに安心した』
トワは書類をまとめながら言った
「…どうだった?今回結構長く審神者代理してきただろう」
大般若長光の耳にも今回のトワの帰りが遅いことは入っていて気になっていることを口にした
『やっぱり審神者って大変だなーって思った。わたしには向いてない気がする』
「そりゃあな、大変だろうよ」
唐突に出てきた言葉に大般若長光は耳を傾けることにした
『ここで仕事をしていると基本的にもう駄目な本丸ばかり見るからかな…“こういう本丸にはしてはいけない”とか“ああいう審神者にはなってはいけない”みたいなのに囚われちゃうの』
「なるほど…」
『だからそこの本丸にいる刀剣男士の機嫌伺ったりしながら指示出すの大変だった。しかも今回は引き継ぎ案件だったからそこの本丸の刀剣男士の人間への信頼度?をもう一度作らなきゃいけなかったし』
他人が失った信頼を他人が上げなくてはいけないのだから言葉ではそう簡単に言い表せない大変さなのだろう
『生まれた歴史とか、元の持ち主たちとの関係もだけど、前の審神者のことで仲悪い刀とかもいて…そういうのでピリピリと空気悪くなるのとかも本当に嫌で…、空気読まない刀とかもいるし…すごい、気を使うの本当に疲れた……』
少しだけ声を震わせながらも話すトワの言葉に大般若長光は耳を傾ける
声音からして相当、心身にくることがあったのだろう
『だからといってこっちもずっと空気読んでいるだけじゃ駄目じゃない?一歩踏み出して向き合うのって本当に大変だなって改めて思った』
「トワ」
大般若長光はそっとトワの頭を優しく撫でた
「おつかれさんだったな」
『大般若……』
「トワは若いのに本当に頑張ってるよ…」
『ありがとう…』
こうして撫でられるのも久しぶりな気がしてトワの気も少し和らいだ
「向いている・向いてないは人それぞれだと思うから気にしない方がいい。それに…向いてないとしてもトワに審神者としての力もあったから俺は、トワに呼ばれてここに来れたんだからそういう言い方はあまり聞きたくないな。特に大包平の前では言うなよ、そういうの」
『え、あ、ごめん……気をつけます』
トワは自分の口元を手で押さえながら謝る
疲れた仕事だったからといって口にしていい事と悪い事があるということに気付かされた
「とにかく、俺はこうして無事にトワが戻ってきてくれて嬉しいよ」
『本当に?』
「おや?疑っているのかい?せっかく今日はお兄さんが晩ご飯でも奢ってあげようと考えていたのに」
『!え!ほんと?』
「もちろん。どうだい?行くだろう?」
『いく!ご馳走になります、大般若長光様』
「ほら、早く日報あげてきな」
トワは大般若長光に言われた通りに日報をまとめて上司の机にあげようと席を立った
「……どっかの本丸の審神者にはさせないさ」
大般若長光は一人ぽつりとごちた
「みんなそう思ってるよ」
~END~
(君はここの大切な人だからな)(手放すなんてこと誰が許すのだろう)