case#17
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仄暗い、その本丸にて
「来世では良い主と兄弟に出会えることを祈れ!」
大包平の重い一撃がとある粟田口の刀を襲い、その刀はそのまま気を失った
「これで三振り目か」
流石に極短刀ばかり相手していると体力の消耗が激しい
大包平の息も大分上がっていた
「トワ!!」
『今、刀解する』
トワは気を失っている短刀に触れる
「しかし……誰一人口を割らんな」
『うん…』
鍔迫り合いをしながらこの本丸の審神者の場所を問い詰めても誰も口を割らない
「…………口を割らん、というよりも本当に何処にいるのか知らないのではないか」
『え』
刀解を終えたトワは少し困惑するが今まで戦闘した刀の様子を考えてみるとそれもありえなくはない気がしてきた
「トワ、大包平」
『切国、へしべ…何か分かった?』
二人と別行動をしていた二振にも聞く
「いや………本当に何も知らなそうだったぞ」
『ええぇ……結構不味い展開だな…』
トワは頭の中にこの本丸の地図を浮かべる
『切国、この近くに廃寺とかは』
「ない。大包平とトワが先に突入する間に長谷部とも調べたが近くにはなかったぞ」
『そうなるとこの敷地内…』
トワは神経を尖らせて辺りを見渡す
ゆらり、ユラリ、
どこかの水面が蠢いた
『──────見つけた』
「!」
トワが走り出したので三振りも後を追う
正門を右手に回るとそこには大きな池があった
特に蓮も咲いてない、鯉も泳いでいないが石造りの橋がかかっただけの池だ
『この中にいる』
「え」
「この中…?どういうことだ」
へし切長谷部は池を覗くが映るのは空と自分たちのみ
『見てて…』
トワは一枚の御札を水面に落とした
「!」
すると水面がゆらゆらと揺れてその奥に何かが映された
「……本丸か?」
『向こうに反転したこの本丸がある。そこに審神者と───がいる』
つまり向こうにもう一つ自分たちだけのセカイを作ってしまったということだ
『さて…………家庭訪問の時間です』
「(言い方のクセが強い)どうするんだ」
『わたしの力で無理くり穴空けるから、二振りは合図で飛び込んで。一人はこっちの最終索敵ね』
「おう」
「ああ」
大包平と山姥切国広がさもそれが当たり前のように返事をする
『へしべ今回はお留守番する?』
「あ?誰がするか。俺は行くぞ」
『そう来なくっちゃ』
「じゃあ俺が残るぞ」
残って索敵するのは山姥切国広と決まった
『じゃあ始めます』
トワはそう言うと目を閉じて深呼吸をする
すると彼女の周りが空気が変わる
纏うそれはこの本丸の濁った空気とは違う
もっと、深く、濃い、闇
それは少しずつ球体となる
『──────行くよ』
池にトワが先に飛び込み、その後に二振りが続いた
「────待ってるぞ」