case#14
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廃れたそこは、しずかだ
「嫌な雰囲気残ってるねぇ…」
『やっぱり?』
例の審神者の処刑が終わった後、トワはにっかり青江とその審神者が居城としていた本丸に足を運んでいた
本丸の入口は立入禁止の立て札がついており、人が近づけないようになっていた
中へ入るとそこはすっかり廃屋となってしまった本丸で静かだっが、トワたちが強制解体のために乗り込んだままで、本丸内はごっちゃりとしている
「君たちが乗り込んだ後は誰かしら来てるんだっけ」
『うん。監査課の人たちの調査入って所定の処理は終わってるって』
「へぇ、じゃあ僕たちが来たのは?」
『時間遡行軍関係の再調査』
トワはそう言いながら本丸内を進んでいく
にっかり青江もそれに続いて歩く
視界に入る庭は手入れが行き届いておらず、草が大分伸びていた
「だから僕を連れてきたのかい?」
『もちろん』
特秘監査課に配属されているにっかり青江はどういう訳かトワと同じ で、幽霊や妖の類いが見える上に斬って祓うことができるのだ
トワはその力を重宝していて、ここでの仕事以外に個人的な仕事もたまにだが頼むことがあった
『………ここだ』
「本丸の…審神者の部屋だね」
審神者の執務室兼母屋だった場所だけ雰囲気が違うのをにっかり青江は感じとった
どうしてか空気が重く感じる
『ここに謎の地下室があってそこにあのへし切長谷部は閉じ込められていた』
「そこで時間遡行軍と戦わされていたのか…」
『地下に時間遡行軍を閉じ込めていられた…その手がかりを探します。行くよ、青江』
二人は執務室に入り、トワは帯刀していた刀で床にある入口だった場所を指した
「ここが入口か……何か結界とか呪符はあったのかい」
『入口を見つけてすぐに、大包平が扉斬ってしまったから…どうだろう…』
トワはあの時、大包平が斬ってしまった地下への扉を見るがそれらしきものは見当たらない
「トワ」
『?』
にっかり青江がトワを手招きし、指さした先には地下への扉の上にあった机だった
「見て、机の足」
『あ…』
あの時地下の扉を斬るためにずらした机の足には札のようなものが四つの各足に巻かれていた
『こっちか……』
「この呪符が貼られた机で抑え込んでたってことかな」
『そういうことか…お手柄だね、青江』
トワは慎重に呪符を剥がしていく
「大丈夫かい」
『うん。もう殆ど効力ないみたい』
恐らく審神者が死んだからかのか、呪符からはそこまで嫌な力は感じない
『剥がれた…』
トワは剥がした呪符を懐紙に包み、上着の胸元にしまった
『さて、と………』
「やっぱり下まで降りるのかい」
二人は改めて地下まで続く入口に立つ
入口から見える下は真っ暗でなにも見えない
『嫌ならここで待っててもいいけど?』
「まさか、ちょっと楽しみにしてたのに酷いなぁ」
二人はお互いに笑みを見せる
『灯りつけるよ』
トワは懐から出した式神に力を注ぎ、灯りをつけた
『階段あるけど急だから気をつけて』
「はいはい」
にっかり青江はトワから灯りのつい式神を受け取り、急な階段をトワに続いて降りた