case#13
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どっと疲れが押し寄せる
全てが片付いたトワは談話室の窓際に腰掛け一人佇んでいた
辺りは暗く最低限の灯りしかついていない
『終わった…』
トワはそう吐き出すように言った
久しぶりにこちらに戻っての任務は思っていた以上に重い内容だった
資材の横領だけでなく、まさかの時間遡行軍の拉致・拘束、そして刀剣男士と戦わせる
情報量が多すぎると誰もが思っただろう
それでもどの刀も一切文句も言わず付き合ってくれたのだ
トワも労いの言葉をかけたいと思っていたが、自分自身がいっぱいいっぱいで特に気の利いた言葉もかけられなかった
「トワ…?」
『!……光世』
談話室に大典太光世が入ってきた
「どうしたんだこんなところで…」
『あ、いや……なんか寝付けそうになくて』
「大丈夫か」
大典太光世はトワの傍まで来る
『………寝付けないっていうか、なんか今日寝たら嫌な夢見そうで』
キツい仕事が終わった後たまにあることで、以前も何度か夢見が悪く嫌な汗をかいて起きたことがあったのだ
『今日は久しぶりに嫌なの見そう…』
目を閉じると目蓋に浮かぶのは今日あった斬首刑の光景
音の響かない特殊なあの空間だからこそ肉と骨を断つ音
そしてあの審神者の絶叫と呻き声
それが耳から離れないのだ
「戻ってきて早々、嫌な仕事だったな…」
『光世…』
大典太光世はトワの隣りに腰を下ろした
「俺がいれば寝られるだろう」
『!』
そうだった
トワがここで働くようになってからも何度かあった
初めて本丸の強制解体に携わり、刀剣男士を刀解した日も夢見が悪くそれが何日か続いた
そのときに大典太光世がトワの傍にいることで安眠することが出来た
それ以来、トワは夢見が悪くなると大典太光世の傍で眠りにつくようになった
『わたし…何も成長してないみたい』
トワは苦笑いをしながらそう言った
少しこの職場を離れ、何か成長できたかなと思っていたがそんなことはなかった
「無理はするな…トワは十分仕事をこなしているだろう…それに」
『それに…?』
「三日月も大般若も口にはしていないが、トワが久しぶりに戻ってきて嬉しいんだ」
『!』
「だから…そんなに自分を卑下するな」
『………光世も?』
「………」
『光世も…わたしが戻ってきて嬉しい…?』
「あぁ、嬉しいよ」
ぶっきらぼうだが声音からは優しさを感じた
『本当はね、光世ここに来ないかなーって思ってたの。だから光世が来てくれて安心した』
「そうか……それならば安心して寝ろ」
大典太光世の言葉にトワは安心し微睡んできていた瞼を閉じ、身体を大典太光世の方に預けた
『おやすみ、光世…』
「あぁ、おやすみ」
~END~
(嫌な夢からも守ってあげるよ)