case#11
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そっと覗いてみてご覧
「おやおや顔色がよくないね」
『青江…』
監査官長に指示され脳洗いを終えたトワは自分の部署に戻っていた
部署にはにっかり青江がおり、書類をまとめながらトワに声をかけた
「さっき雪翔君にも会ったけど、顔色良くなかったよ」
『雪翔は最期の準備があるから…』
「本当にそれだけかい?彼も“脳洗い”立ち会ったんじゃないの?」
『いや…脳洗いは監査官長とわたしだよ。雪翔が顔色悪いのは脳洗い自体が決定したことか、その脳洗いで覗いた内容のせいかも』
トワは上着をコートかけに掛けて、お茶を淹れる準備をする
「へぇ、そんなに酷い内容だったんだ。そもそも僕がここに配属されてから脳洗いとかしたことないだろう」
『あれ、そうだっけ…まぁ、わたしもここで脳洗いしたの凄い久しぶりだったし…』
「脳洗いってどうやるの?」
にっかり青江は興味あるのかそう聞いてきた
声音はどこか楽しそうである
『結界の張った部屋の中で対象者に強制的に精神攻撃をして脳を覗くの。その後はこちらの都合の良いように記憶を書き換えたりとかもするときもある』
「今回は記憶書き換えたのかい」
『書き換えないよ。今回はあの審神者の記憶を全部洗い出すだけ』
「あぁ、どうせ斬首刑だもんね」
にっかり青江の言葉は二人しかいない部屋にはよく響いた
にっかり青江の言う通り、これから死ぬ人間の記憶は書き換える必要はないから覗くだけで終わったのだ
「斬首刑になる審神者の脳内はどうだった?」
『斬首刑に値するだけのことをしてた』
トワは色の出たお茶をカップに淹れて自分の席に着いた
『本当は自分の本丸にいる刀の手入れに使うべき資材を横領していたの』
「横領?何と変えるの?」
『御札』
「あぁ、なるほど」
『それで鍛刀でレアな刀を呼べなかったら罰で地下に閉じ込めて捕まえた時間遡行軍と戦わせていた』
「…………その時間遡行軍はどうやって捕まえていたんだい」
『どこかのはみ出し者の霊能力者が協力してたっぽい』
「へぇ、君の知り合いかい?」
『同業者かもしれないからそっちは家の繋がりの方から探してもらうよう頼んだ。後はあの審神者の本丸を調べ直して手がかりを探るって感じかな…』
「君……よく平気でいられたね」
『平気じゃないよ…久々に力使ったから結構参って…』
「それは脳洗いの内容が僕たちに見せられないからなんだろう?」
『!青江…』
いつも尋問は誰かしら刀剣男士がつくのに、今回は誰一人つかなった
それはトワと監査官長の配慮があったからなのだろう
「優しいね」
『見せてドン引きされてみんなに辞められたら困るし…』
「今更僕たちは辞めないよ?そこまでヤワじゃない」
『うん……そうだよね…』
「でもそういう優しさ、嫌いじゃないよ」
『!』
トワはにっかり青江の言葉に目を丸めてから、表情を柔らかくさせた
『……本当はね、怖いの』
「怖い?」
『今回の件で大包平と切国が辛いって言わないか』
「トワ…」
おそらく二振にとってこれだけ大きな問題を抱えた本丸の解体に関わるのは初めてのはずだ
現に今まで何振りからここに配属されてた刀剣男士もいたが、自分と同じ顔や同じ刀派や兄弟刀などを刀解、または破壊していくことに悩み病んでいき辞めていった刀剣男士は多いのだから
「彼らなら大丈夫だと思うよ。きっと今回、脳洗いに立ち会わせなかったりとかそういうところでの君の優しさとかはちゃんと伝わっていると思う」
『………』
「それに君が鍛刀した刀と君が選んでここに連れて刀だろう?信じてあげなよ」
『!そっか……そうだよね』
にっかり青江の言葉にトワの顔は吹っ切れたように見える
『ありがとう青江、なんか元気出てきた』
「それは良かった」
久しぶりに笑ってくれたトワを見れてにっかり青江も嬉しかった
~END~
(少しでも背中が押せたらいいなと思うんだ)