case#10
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明朝に衝撃が走った
例の件の審神者が捕まった、と聞きトワは急いで支度をして職場へ向かった
『わ、小夜!』
「トワ…おはよう。髪跳ねてるよ」
職場へ向かおうとすると廊下の角で小夜左文字と出会った
『!急いで来たから…審神者捕まえたって本当?』
トワは髪を結び直しながら聞く
明朝、自室に例の審神者が捕まったと式神から連絡が入ったのだ
「うん…僕が追見つけた後に三日月さんが追い詰めてそのまま加州清光を折ったんだ」
『え………折った…?三日月が?』
「三日月さんは“へし切長谷部がいるから他はいらんだろう?”って言ってた」
小夜左文字は目を伏せながら言った
あのとき、三日月宗近はあっという間に加州清光との間合いを詰めて一突きし、本体を折った
「三日月さんに折られた加州清光はほっとした表情をしてた」
『そう…』
おそらく漸く解放される、と安堵したからなのだろう
『それで…審神者は?』
「三日月さんが連れてきた役人に拘束されて連行されたよ。今は地下にある部屋で尋問してる」
『そう………小夜もお疲れ様。久々にイヤな仕事だったね』
久しぶりに重い仕事をさせてしまったな、と思った
「トワだって戻ってきて早々こんなのだったんだしお互い様だよ」
『本当に?』
「うん。僕たちは刀という道具だからどういう立場でも使われることには慣れてるし…ただ、素顔を隠して戦うのはまだ慣れないね」
『ええぇぇ、そっち?』
思っていたような答えではなくトワは拍子抜けしてしまった
小夜左文字なりに気遣っているのだろうか
「視界が悪いだけで戦い辛いなって改めて思った」
『それは場数踏むしかないよ。今回の片付いたら鍛錬しよっか』
「!うん、しよう」
『とりあえず小夜は今日はゆっくり休むんだよ。審神者捕まえるのにずっと出ずっぱりだったからね』
「うん…流石に疲れたから寝てくるよ。三日月さんにも伝えておくね」
『よろしくお願いします』
トワは小夜左文字の頭を撫でてから、教えてもらった地下へと向かう
そこの空間には御札のようなものが貼られていて明らかに他と雰囲気が違っていて、奥へ向かうにはちゃんとここの職員だという証明がないと入れない
トワは職員証を提示して奥へと向かった
教えられた先の部屋の中にはトワの上官である監査官長とその向かいに例の審神者が座っていた
『雪翔』
「…トワ」
聴取部屋の前には先客である雪翔がいた
二人は並んで小窓を覗く
「あの審神者意外とべらべら喋ってるぞ」
『本当に?』
「トワと平野があのへし切長谷部から聴取した内容のことは話してる」
『時間遡行軍のことは?』
「そこはまだ話してねぇな。やっぱり気になる?」
『うん…』
「でも厳しいかもな。横領の件もあるのに更に地下にいた時間遡行軍のことだろ?時間めちゃくちゃかかるんじゃね?」
『だよね…でも時間がかかってでも明らかにさせないといけないことだと思う。もし…他の人もやっていたら大問題だし…』
もしこの審神者の本丸だけではなく他の本丸でも行われていたら?
そう考えただけで恐ろしい
「他もって…止めろよそういうの…」
『わたし達の仕事、増えちゃうね』
「笑えねー………あ、監査官長立ったぞ」
『!』
監査官長は取り調べを一度止めて、部屋を出てきた
「お疲れ様です」
「トワ、脳洗いの準備を進めろ」
『!は、はい』
思ってもいなかった言葉にトワの声は裏返った
「脳洗いって……」
「自白剤を使うのも勿体ない。全て覗いて早急に片をつける。雪翔は最期の準備を進めておけ」
「!了解…です」
有無を言わせぬ態度に雪翔は素直に返事をすることしか出来なかった
監査官長はそう言って部屋を出ていった
残された二人は互いに顔を見合わせる
「脳洗いと最期の準備…うわぁ…」
『………わたし準備してくる』
「冷静だな」
『ここまで来たら最後までちゃんと見届ける』
そう話すトワの目は澄んでいる
覚悟を決めたようにも見えた
「なるほどね。それじゃあやりますか」
『終わったら今度こそゆっくり出来るといいなー』
「そうだな」
~END~
(これで終わりにしたい)