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拙作「愛の紋章」について (旧サイトの記事を再掲載)
2024/08/11 00:00「紋章」とは、その家柄や身分や団体を表す特定のしるし、固有の図柄、独自の模様という意味ですが、人に名前や性格や宿命があるように、愛のかたちもさまざま。
ひとりひとりが描き出す愛の軌跡。各自が織りなす愛の風景。そんな感覚で「愛の紋章」というタイトルの小説を書き始めました。
さらに各章の場面別タイトルにも「~愛」とつけていますが、これらはすべてリドナの造語です。読み方や詳しい意味はリドナも知りません・わかりません(笑)
その章の根底に流れている愛はどんなものかと考え、内容に合った漢字を直感的に選び、勝手に言葉を作っています。それらの単語が放つニュアンス、イメージ、雰囲気をなんとなく感じてもらえればOKです(^^)
物語を作る時、わたしの場合、ある情景が瞬間的に浮かんでき、ひとつの絵画のように固定されます。
まず確固としたストーリーがあり、話の流れに沿って各場面を描写してゆくというより、いくつもの独立した印象的な情景を生かしたいがために、それらを論理的につなぎ合わせ、自然な流れにまとめ、なんとかひとつの筋の通った物語にしていく、というカンジです。
この「愛の紋章」についても、ストーリーは決まっていないのに、断片的に浮かんできたシーンがたくさんありました。
テーベの王宮内・ナイル河に面した庭園で、メンフィスとキャロルのやりとりを目撃するイズミル。
メンフィスの暴君ぶり。怒った顔、命令口調、王者特有の自分本位なふるまい。常に堂々として自然体で、メンフィスらしい、いくつもの姿。
そんなメンフィスの猛々しい寵愛に、とまどいつつも逆らえないキャロル。メンフィスとの激しい愛の場面。妄想爆発(笑)
そしてイズミルにより、ヒッタイトへと拉致されるキャロル。
『王家の紋章』において、イズミルにさらわれ、強制連行され、彼の宮殿に閉じ込められるキャロルの図……というのは避けて通れないですよね♫
もちろんここでも妄想爆発──イズミルとの官能的な愛の場面(笑)
その後、なぜか砂漠をひとりでさまようキャロルの姿が見えました。何かから必死で逃げているカンジ……
いつしか自分の複雑な立場に悩み始めるルカ。キャロルを欺いていることが苦しそう。主君の命令で近づいただけのキャロルを愛してしまったらしい?
他には、とにかくキャロルをめぐって争い合うメンフィスとイズミル。けれどミタムン王女死亡事件について、二人が冷静に政治的に会話する光景も浮かんできました。
メンフィスへの愛を復活させながら、イズミルのことも忘れられなくなったキャロルに、どちらかを選ばなければならない究極の状況が訪れる、などなど。
数々の脳内画像をどれも捨てることなく、うまく組み合わせ、早くひとつの物語にまとめあげたいし、それらの鮮明さを失わないような「ビジュアルな文章を書く」というのを目標にしています。
小説を読む=文章をたどる=文字を追うという動作をしながら、美麗な画像の映画を見ているような気分♡ 読者をそんな心地にさせる筆力を身につけたい!と、日々努力中のリドナです(^-^)