SS(呪夢)
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帳の中から黒ずくめの大男が出てくる。そしてこちらに合図をよこす。本日最後の仕事が終わったので帳を解除。……うん、ひどく破壊されていないので追加の書類はなし。すたすたとやってくるのをぼんやり眺める。仕事終わりでお腹が空いているのかもしれない。
「帰ろっか」
そう言って大きな手が差し出される。まだ仕事中なんだけどなあ。そんなことを思いながら冷えた指先を絡めた。
「お疲れ様です……って助手席乗るんですか」
「これくらいいいでしょ、あともう今日は敬語やめて」
「まだ仕事中ですけど?」
「僕たちしかいないんだからいいんだよ」
小学生みたいだけど、帰るまでが仕事なのだと私は思っている。そもそもまだ書類が残っているし。終わり時間がこのくらいならまだいける。もちろん、翌日に持ち越すことも可能。
「チキンって予約してるの?」
出発してしばらく経ってから五条はそんなことを口にする。予約、チキン。
「今日ってクリスマスだった?」
「本気で言ってる?」
「すっかり抜けてた。五条の方が覚えてるの、すごいね」
忙しいのによく頭に置いているものだ。特に年末に向けて忙しくなるから、職場の誰もクリスマスの予定とか話さない。テレビだってあまり見ない。だから今日がイブだってことすら忘れる。
「去年はナマエが次用意するって言ってたんだよ」
「ごめんね」
少しだけ左に目をやると口をへの字にしてしまっているのが見えた。なぜかそれが可愛く見えて口元が緩む。
「セックスしてくれるなら許すよ」
「っ、それは……明日も仕事だから支障が出ない程度でお願い」
「それはナマエの態度次第だからね」
緩んだ口元を元に戻した。そうこうしているうちに目的地へ到着する。
「コンビニ?」
「チキンは売ってると思うんだよ。ついでに晩ご飯も買えばいいし……嫌だった?」
「や、大丈夫。早く買わないとね」
時間を確認したと思えばすぐ車を降りていった。何か急ぐ理由があるみたい。大きい背中を追って店内へ入る。
「ナマエ、そんなに沢山買わなくていいからね」
「そうなの? 夜中にお腹空いたとか言わないでよ」
コンビニには私と同じようなスーツ姿の人がまばらにいた。まだ時間としては早い方だから退勤してすぐ、みたいな人も多いらしい。五条はそんな人たちからの視線を集めつつマイペースに商品をカゴへ入れる。
「こんなもんでしょ」
「ケーキはよかったの?」
いつもなら真っ先に向かうスイーツコーナーはほぼ無視だった。私が聞いても顔を向けただけで特にリアクション無し。私はケーキはあれば食べる派だから無くてもいいけど五条は必要なはず。不自然な程に関心のない彼氏に首を傾げつつレジ待ちの列に並んだ。
「帰る前にあそこのケーキ屋寄って」
「高専近くの?」
「ん、よろしく」
目的地がもう1つ増えてしまった。揚げたてのチキンが冷めてしまわないうちに向かわないといけない。道中警察がいたとしても引っかからない程度の速度でいつものお店を目指した。
ピークは過ぎていたらしい。レジの列だけでなくショーケースに並ぶケーキも少なかった。この少ない選択肢から行くのか、と品定めしている横で五条は財布を探っている。折り畳まれた紙が出てきた。レジを無視して近くにいた店員にそれを手渡している。
「予約……してたの」
「うん。ここの美味しいから」
「仕事がいつ終わるか分からない業種なのに!?」
「その時は伊地知あたりに受け取り頼んでたよ」
それはやめてあげてほしい。私たちのプライベートに巻き込まないであげて。まあ実際にそうならなくてよかった。でもこれは氷山の一角で、きっと私の知らないところで巻き込まれているのだろうなと思うと申し訳ない気持ちになった。
「受け取りがあるから時間気にしてたんだね」
「あの店8時には閉まるし。ナマエがいつもより飛ばしたのはびっくりしたけどさ」
「チキン冷めちゃうから……」
「ケーキのためじゃないんだ」
「知らなかったから。あー、買いに行くんだって」
僕は予約してたのにモチベが低い、と今度は頬を膨らませている。やる気がないわけじゃないんだけどな。去年言ってたのを忘れること自体良くないから弁解はしないけど。
ケーキは冷蔵庫へ入れ、温めるものはレンジに。買ったものと皿を並べていくと机の上がそれっぽい。仕上げにジュースを注いだコップを2つ置く。
「酒飲まないんだ」
「寝ちゃってもいいなら飲むけど?」
「……逃げないんだね」
「まあ、うん。忘れてた私が悪かったし」
ごめんね、と改めて伝える。よし、ハグもしておこう。頬を寄せて人肌の温かさを堪能する。なんかこの感じ、久しぶりかもしれない。されるがままの五条が何も言わないから少し怖くはある。
「よし、食べよっか」
「なんなのその切り替え方」
この後覚悟しなよ、と不穏な言葉が聞こえたような気がしたけど今は無視。ケーキまで食べてから私の処遇を決めてよ。
「帰ろっか」
そう言って大きな手が差し出される。まだ仕事中なんだけどなあ。そんなことを思いながら冷えた指先を絡めた。
「お疲れ様です……って助手席乗るんですか」
「これくらいいいでしょ、あともう今日は敬語やめて」
「まだ仕事中ですけど?」
「僕たちしかいないんだからいいんだよ」
小学生みたいだけど、帰るまでが仕事なのだと私は思っている。そもそもまだ書類が残っているし。終わり時間がこのくらいならまだいける。もちろん、翌日に持ち越すことも可能。
「チキンって予約してるの?」
出発してしばらく経ってから五条はそんなことを口にする。予約、チキン。
「今日ってクリスマスだった?」
「本気で言ってる?」
「すっかり抜けてた。五条の方が覚えてるの、すごいね」
忙しいのによく頭に置いているものだ。特に年末に向けて忙しくなるから、職場の誰もクリスマスの予定とか話さない。テレビだってあまり見ない。だから今日がイブだってことすら忘れる。
「去年はナマエが次用意するって言ってたんだよ」
「ごめんね」
少しだけ左に目をやると口をへの字にしてしまっているのが見えた。なぜかそれが可愛く見えて口元が緩む。
「セックスしてくれるなら許すよ」
「っ、それは……明日も仕事だから支障が出ない程度でお願い」
「それはナマエの態度次第だからね」
緩んだ口元を元に戻した。そうこうしているうちに目的地へ到着する。
「コンビニ?」
「チキンは売ってると思うんだよ。ついでに晩ご飯も買えばいいし……嫌だった?」
「や、大丈夫。早く買わないとね」
時間を確認したと思えばすぐ車を降りていった。何か急ぐ理由があるみたい。大きい背中を追って店内へ入る。
「ナマエ、そんなに沢山買わなくていいからね」
「そうなの? 夜中にお腹空いたとか言わないでよ」
コンビニには私と同じようなスーツ姿の人がまばらにいた。まだ時間としては早い方だから退勤してすぐ、みたいな人も多いらしい。五条はそんな人たちからの視線を集めつつマイペースに商品をカゴへ入れる。
「こんなもんでしょ」
「ケーキはよかったの?」
いつもなら真っ先に向かうスイーツコーナーはほぼ無視だった。私が聞いても顔を向けただけで特にリアクション無し。私はケーキはあれば食べる派だから無くてもいいけど五条は必要なはず。不自然な程に関心のない彼氏に首を傾げつつレジ待ちの列に並んだ。
「帰る前にあそこのケーキ屋寄って」
「高専近くの?」
「ん、よろしく」
目的地がもう1つ増えてしまった。揚げたてのチキンが冷めてしまわないうちに向かわないといけない。道中警察がいたとしても引っかからない程度の速度でいつものお店を目指した。
ピークは過ぎていたらしい。レジの列だけでなくショーケースに並ぶケーキも少なかった。この少ない選択肢から行くのか、と品定めしている横で五条は財布を探っている。折り畳まれた紙が出てきた。レジを無視して近くにいた店員にそれを手渡している。
「予約……してたの」
「うん。ここの美味しいから」
「仕事がいつ終わるか分からない業種なのに!?」
「その時は伊地知あたりに受け取り頼んでたよ」
それはやめてあげてほしい。私たちのプライベートに巻き込まないであげて。まあ実際にそうならなくてよかった。でもこれは氷山の一角で、きっと私の知らないところで巻き込まれているのだろうなと思うと申し訳ない気持ちになった。
「受け取りがあるから時間気にしてたんだね」
「あの店8時には閉まるし。ナマエがいつもより飛ばしたのはびっくりしたけどさ」
「チキン冷めちゃうから……」
「ケーキのためじゃないんだ」
「知らなかったから。あー、買いに行くんだって」
僕は予約してたのにモチベが低い、と今度は頬を膨らませている。やる気がないわけじゃないんだけどな。去年言ってたのを忘れること自体良くないから弁解はしないけど。
ケーキは冷蔵庫へ入れ、温めるものはレンジに。買ったものと皿を並べていくと机の上がそれっぽい。仕上げにジュースを注いだコップを2つ置く。
「酒飲まないんだ」
「寝ちゃってもいいなら飲むけど?」
「……逃げないんだね」
「まあ、うん。忘れてた私が悪かったし」
ごめんね、と改めて伝える。よし、ハグもしておこう。頬を寄せて人肌の温かさを堪能する。なんかこの感じ、久しぶりかもしれない。されるがままの五条が何も言わないから少し怖くはある。
「よし、食べよっか」
「なんなのその切り替え方」
この後覚悟しなよ、と不穏な言葉が聞こえたような気がしたけど今は無視。ケーキまで食べてから私の処遇を決めてよ。