第1章⁑出逢い編
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私の星階級がトリプルになった。
私のアリスの成長は、2人しか知らないはずなのに。
星階級が上がったことをナルから聞いた時、背筋がぞわっとした。
「それほど紬ちゃんのアリスには期待してるってことだよー♡」
『…期待って、誰が??』
ナルは一瞬ピクっと驚いた様子にも見えたけれど、動じてないかのように
「神野先生も、もちろん僕も♡」
などと軽い返事をされた。
「ところで、パートナーの2人はどうかな?」
数ヶ月前転入してきた、日向棗くんと乃木流架くんのことだ。
彼等もおかしい。
乃木くんはトリプルらしく、日向くんなんか幹部生のスペシャルだという。
これで私、委員長、乃木くんがトリプル。
日向くんがスペシャルと、クラスの中で一際注目を浴びていた。
『あの2人、素行悪くない…⁉︎』
そう、今までにはない珍しいタイプで
授業もでたりでなかったり、
出ても漫画で顔を隠して寝てるか、
うさぎさんとのんびりしてるか…
階級が高く、注目されては2人がそんなだから、クラスの男子たちも素行が悪くなっている。副担先生をいじめたりとか。
『なんかもうクラスのボスになってるんだけど、階級もそうだけど、何者なの?』
「…紬ちゃん、中等部の子と仲良いでしょ?噂とか、聞いたりしたかな?」
噂、聞いたわ聞いた。
街を火の海やら、人殺しやら。
『噂は聞いたけど、信ぴょう性ないし。私はナルに聞いてるんだけど』
「うんうん
そういうところだよ、紬ちゃん。
あの子たちには、分け隔てなく接してくれるキミみたいな子が大事だと思うんだよね♡」
『いや、私の質問の答えになってないんだけど!!』
「…キミのその、癒しのアリスで、彼等の心を癒してあげてほしいなと、思ってるよ」
珍しく、ナルにしては真面目な顔で話すから、つい追求するのはやめにしてしまった。
なんとなく、彼等のことに関してはナルの口からは教えてもらえなそうだし。
そんなナルとのやりとりを、日向くんが陰で見ていたのには全然気づかなかった。
色々と一年経って、例の2人とも挨拶する程度の関係にはなってるが、別にこれと言ってプライベートな会話をすることもなく、クラスは荒れてはいたが平和に過ごしていた。
「ひゅーがさんに、言伝を頼みたいダス」
そう寮母のタカハシさんに言われ、
日向君の部屋を訪れるまではーーーーーー。
コンコン
『日向くん、タカハシさんから言伝なんだけど』
しーーーん。
もしかして、いない?
コンコン
『もしもーし、日向くん、います?』
「ごほっごほっ!」
部屋の前の扉に耳を当てて中に人がいるか確認しようとすると、聞き慣れた咳の音が聞こえた。
この咳、要にぃのと似てる…!
鍵がかかってたのか、私が馬鹿力で開けたのかわからないけれど、勢いよくあと先考えず私は中に入った。
「ごほっ!…っ!てめぇ、勝手に、入んなっ」
憎まれ口を叩いた日向くんだけれど、息が苦しそうで咳が止まらない。
私は遠隔で治癒のアリスを施したが、いつかの時と同じく気休めだろうか…。
『…風邪ってわけではなさそうだね』
「…でてけ、ごほっ」
『いつから?』
「……ごほっ」
私は目を凝らして、フラスコをイメージすると日向くんにもでてきた。
これは要と同じ、寿命に関わるアリスの形。
今は中の液体が半分ほどになっている。
「ぼーっとすんな、出てけよ」
『命を削るアリスの形なんだね』
「!?…なんでそれを…お前…」
『しっ、黙ってて。私もまだ、集中しないとこれ(フラスコ)に蓄えられないから』
「…何言って…」
そういって紬は彼のフラスコの寿命を増やすよう念を込め、同時に治癒のアリスも発動した。
