第1章⁑出逢い編
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初等部B組に転入生が2人もやってきた。
どちらも確かに系統は違うが美形だと思う。
くるくるの女の子(スミレちゃん)やわかこちゃんがキャッキャッと女の子らしく浮ついていた。
『“…なんだか、雰囲気ある2人だなぁ。特に黒髪の方、妙に大人びてるというか”』
「はいはーい♡2人のパートナーを発表するねー♡」
鳴海先生こと、ナルが手を叩きながらみんなの集中を集める。
「2人のパートナーは、紬ちゃんにやってもらおうと思いまーす♡」
『…え?…。はぁ?!』
ちょっとナル!!と反論する前に、ささーっと逃げるように言い逃げしてクラスから出ていくナル。
「…」「…、えっと」
残された転入生2人もお困りなのか、無表情でわからないけどこちらをみてる。
「まぁ、紬さんなら仕方ないわね」
「でも2人同時にって…」
あーもう。こういう空気が嫌なのに。
注目浴びるのも、話題にされるのも嫌い。
『…とりあえず、なにか困ったら聞いてください』
「…」「あ、ありがとう…」
終始黒髪の方は無言だったけれど、金髪の方は戸惑いながらも返事をくれたので、この話は一旦お開きになった。
クラスの子たちが2人に質問するために駆け寄り、囲み、わいわいしていたけれど、それでも2人はあまり多く語らず、煩わしく感じたのか教室から出て行った。
これが2人との出会い。
そんなに今後、必要以上に関わるつもりもなかったし、もちろんパートナーになったからには困ったことがあったら助けたい気持ちもあった。
兄と翼にぃと、北の森のベアの小屋で私はナルの愚痴を延々と話していた。
「中等部でも噂になってるぜ、その2人」
なんでも街を火の海にしたとか、
人殺しだとか…
『本当に中等部は噂好きだよね、馬鹿馬鹿しいなぁ』
「ま、事実かどうかは置いておいて、それを信じる信じないは個人の自由…ってな」
『翼にぃはどうなの?』
「俺か?俺は目で見て、自分で感じたことしか信じないタイプだからなぁ」
『…まぁ、翼にぃはそうだよねー』
そういうところが、私も兄も一緒にいて居心地がいい理由なんだけどね。
「ごほっごほっ…っ」
『!?要にぃ!?大丈夫…??』
学園にきて、最初に学園の人間を信じられないなと思ったのは兄絡みだった。
兄の体調不良は、学園に来ればなんとかなると。
そう言われて両親も私達を手放したはずなのに。
日に日に悪化していくばかり。
ベアも心配してコップに水を用意してくれる。
翼にぃもいつものことだと思ってのに、
いつもより幾分か怖い顔をしていた。
私はアリスを発動し、兄を癒すように念を込めてみるが、一時的なものにしかならない。
悲しいな。と思いつつ、要にぃの様子をじっくり見つめると…
『“ん??なんだろう、この理科の授業で使うようなフラスコみたいなものは”』
触れようと手を伸ばしても、幻覚のようで触ることはできない。
けれど、確かにある。
3分の1くらいの、水のような不思議な色をした液体が入ったフラスコが見えたのだ。
「どした?紬」
声をかけられ、目をゴシゴシこすってもう一度見るともうそのフラスコは見えなくなっていた。
後にそれは、アリスによる寿命の減りを現していたのだとわかった。
2ヶ月後、また要にぃが発作を起こし入院した。
アリスを使用するたび、寿命を縮めると初等部のときに発覚してから、アリスの使用は控えてたはずなのに。
フラスコの水が4分の1まで減っていたのを見てしまった。
『要にぃ、アリス、使ってる…??』
「…使ってないよ、前、約束したから」
私は要にぃと翼にぃの2人にフラスコが見えた話をした。
2人は驚くと同時に、
要にぃはバツが悪そうな顔で、
「ごめんね…」と謝った。
そして、翼にぃは走って学園本部のほうへ向かった。
「ふざけるなっ!!!ふざけるな!!!
人のことを…要のことをなんだと思ってんだ!!」
私が追いかけるもむなしく、
翼にぃは怒りに任せて本部の人間に盾つき…
星階級を下げられ、
さらに罰則印もつけられてしまった。
