第1章⁑出逢い編
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“死んじゃダメ!元気になって…!!”
私が強くそう願うだけで、ぐったりしてた鳥さんも、車に轢かれちゃった猫さんも、みーーんな元気になってくれる。
鳥さんも羽ばたいて空を飛ぶし、猫さんも伸びしてとことこ歩いていく。
みんな、強く願うだけでそうなると思ってた。
「紬、その力はね、紬だけの特別な能力(チカラ)なんだよ」
兄がそう言って私に教えてくれた。
そういう兄も、作ったぬいぐるみが動いたり、最近ではぬいぐるみが喋ったりするのは兄の持っている特別な能力らしい。
子供の頃はそれで平和だった。
無邪気に能力をひけらかしても、みんなみんな
“すごい!” “ありがとう!” “嬉しい!”
と喜んでくれたし、私もそれが嬉しかった。
けど、兄の年齢や、親の年齢からみるとそういうわけにもいかず、
“気味が悪い”
なんかも言われるようになった。
さらに怪しいスーツを着た人たちが頻繁に街を訪れるようになり、両親も私たちも肩身が狭くなっていったのを子供ながらに感じ取っていた。
それでもすぐに私たちがアリス学園にいかなかったのには理由があった。
それも今思えばなんだけど…
兄は昔から病弱だった。
すぐ熱を出すし、原因不明で入院してたことも多く、環境を変えるのにきっと両親は不安で反対してたんだと思う。
単純に子供を手放したくない親心でももちろんあったんだと思うけれど。
その能力のせいで兄は身体が弱いと学園の人間から伝わり、さらに能力を知ることでその体調の悪さにも対応できると学園の人が両親に伝えてたんだと思う。
そんなの今思えば学園に入学させるための甘い罠(セリフ)だったのかもしれないけれど。
何かわからない両親にとっては、預けるほうがいいのではとそれが決め手になったのかもしれない。
『あれ、この辺のお花が…
昨日まで綺麗だったのに、枯れてる…』
悲しいなー、また綺麗に咲いてくれないかなーと花を撫でると、返り咲いてくれた。
『私の能力、お花さんにも効くんだねぇ』
それを見ていた黒い影がいるとも知らずに、呑気に私は枯れてたら元に戻す、元気がない動物がいたら治すを繰り返していた。
そして両親はしばらく考え、そして決意し、
私と兄はアリス学園に入学することになったのであった。
