〜彼女の日常〜
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「最近赤ちん機嫌悪いよね〜」
「そりゃあいつが田中と意外と続いてるからだろ」
「続いてると言っても今日でまだ1ヶ月ですけどね」
朝練中、少しピリついた空気の赤司に気付いたみんなはおそらく十中八九桜木小春の影響だと勘づいていた。
「そりゃあ朝から登校の時に今日で1カ月記念日なんだと言われたらイラつきもするだろう」
「ご愁傷様です赤司くん」
「1カ月は何人か続いていたことあるだろう?なぜそんなに喜ぶことなのだ」
「ほら、いつももう屍みたいに相手なってたからそれどころじゃないというか…田中くんは優しいし打たれ強いのかもしれない!」
「どうせ桃っちがフォローしてるんスよね⁉︎オレの方が絶対打たれ強いっス…」
「桃井、田中の様子に変わりはないのか」
「うん、メール来るだけで幸せそうだし、赤司くんいない時に少しお喋りするのも幸せそうだし」
「それはさつきが教えてる情報だろうが」
「まぁ私は小春の応援もしたいからさ!」
『ん〜?何みんな集まってるのー?着替えないとHR始まるよー?…征十郎さんも早く着替えないと風邪ひいてしまいますよ』
「うるさい、もうお前なんか知るもんか」
「あーあ、赤ちん拗ねちゃったー」
『征十郎さん、汗しっかり拭いてください!』
「…全然めげてないっスね…」
「…やつの献身っぷりはさすがなのだよ」
「桜木さんとデートしたいんだけど、バスケ部って休みないの?」
4組では桃井が田中から相談を受けていた。一緒に登下校できないが、すれ違った時に当たり前にする挨拶や、夜寝る前と朝のメール、たまに電話(5分足らずで赤司くんの邪魔が入るが)をしていて、それでも満足だった。けど、やはりデートやゆっくり彼女と話す機会が欲しいところだ。
「あー…午前中で終わる日もあるんだけど…みんなと出かけたり赤司くんに付き添うことが多いからなぁ」
「今日で1カ月記念日なんだけど、今日だけでも帰れたりできないかな?」
「うーん…赤司くんの許可がないとなぁ…それ以前に小春が赤司くんを1人で返すわけもないし…昼休みとかは?」
(今日はたしか赤司くん昼は多忙スケジュールで、食堂でご飯を一緒に食べないはずだ)
「昼休み…そうだよな!あとはそのときにデート誘ってみることにするよ!」
「うん、頑張ってね田中くん!」
普通の恋をしたい友達のためにも、彼女にも赤司くん断ちは必要だし、もしくは赤司くんがもっと彼女を真剣に1人の女の子としてみる覚悟と気持ちを伝えることが大切なのだ。
それができないなら、田中くんと普通の恋愛をしてみて、好きな人は誰なのか、小春に気付かせた方が早い。
「なのになーんでみんな囲っちゃうのかな?キスされそうなときとか、抱きしめられるの嫌だとか、恋人になるための基礎スキンシップを知らないと、わかるものもわからないままなのになぁ」
桃井の作戦はあながち間違っていない。
小春は彼氏とはなんなのかを履き違えているからだ。スキンシップも取れていなければ、田中くんともっといたいと思う気持ちもない。普通の恋愛をしたい割に、基礎から間違っている。すこし荒療治したほうがいいのだ。
「私もテツくんに早く会いたいなぁ」
ーーーーーーー昼休み。
「あれ?小春っちと赤司っちいないんスか?」
「…さつきのやろーがまた余計なことしたんだよ、まったく」
「赤司くんは所用でいなくて、小春さんは田中くんとどこかで食べてますよ」
「赤司が知ったらすぐ邪魔しに行くのだよ」
「え!?オレが邪魔しにいくっスよ!どこっすか?」
「もうきーちゃん!邪魔しちゃだめだってば!今日記念日なんだから!」
「…田中ってやつもタフだよねー、本当にこはちんのこと好きなんだね」
「オレだったらもっと楽しく恋愛について学ばせてあげるのにぃぃ」
「つーか、赤司のいつもの邪魔レベルが低いんじゃねえの?さっさと別れさせればいいのによ」
「やはり連絡先が大きいんではないでしょうか?赤司くんも寝るときは別々みたいですし」
「んなおままごとみたいな付き合いがあるかよ」
全員思った。おままごとみたいな恋愛にさせているのは俺たちが囲っているからか…と。
だからといってよその男とスキンシップをとられるのはなんとなく想像したら嫌だった。
「オレだったら赤司っちがいてもいなくても彼氏になったら手取り足取り丁寧に教えてあげるのにぃぃ」
「その前に黄瀬ちんの練習メニューがハードモードすぎて死ぬと思うけどねえ」
「彼氏いるとき機嫌が悪いのは赤司くんはもちろんですけど、青峰くんも相当悪いですけどね」
「…うるせーよテツ、あいつが赤司が1番な癖に無駄に恋愛したがるからむかついてんだよ」
「…なぜここに小春がいないんだい?」
お昼休みも終盤になったところで、彼女を呼びに来たのか、赤司くんが所用から戻ってきた。これはまずい。が、正直に話さないともっとまずい。
「あいつなら田中と飯食ってるってよ、記念日らしーからな」
「なぜオレに断りなくいくんだ。最近小春の様子がおかしい…まさかオレから田中に乗り換えたのか?…メール嬉しそうに返してるし、オレのこと1番っていうのは嘘だったのか…」
「桃井さん、そろそろ赤司くんが泣いてしまいそうですよ?」
「もう!みんなわかってないんだから!本人にいくら好きじゃない相手の彼氏作っても無駄っていうのを気付かせるために、スキンシップを取らせないとだめだって!じゃないと来るもの拒まずのままだよ!?」
「…わかっているが、それで小春が他の男と抱きしめあったりキスするのを許してしまったらどうすればいいんだ」
「そのときはもう諦めるしかありませんね、普通の恋が叶ったってことで赤司くん離れもできていいことじゃないですか」
「オレは嫌っスよ」
「赤司離れなんてできねーだろあいつは」
「桃井さんの作戦に一度乗ってみましょうよ、今回は田中くんで優しくて紳士な人ですから、どっちに転がってもいいじゃないですか」
「……。オレはオレが1番だという小春を信じることにしよう。そうだな、1度くらいのデートは目を瞑る。だが…お前たち、わかっているな?」
「…午後の休みが尾行でつぶれるのだよ」
「そのかわり赤ちんのお菓子買ってもらお〜」
「田中と別れたらオレ真剣に告白するっス!オレとならキスとかハグしても大丈夫じゃないっスか?」
「…黄瀬はそんなにフットワーク2倍がいいなんて知らなかったよ」
「えぇ!!!?」
「あいつ本当バカだな」
「大ちゃんにバカって言われたらおしまいだよね…」