『第11章』真実とストバス








『「「ストバス大会?」」』


「明日の休み、この大会に出ないっすか!?」


「ちょっと一年?休みの意味わかってる?」



どうやらフリくんたちは、試合に出たいということで、この大会に出たいとチラシをファミレスで話し始めた。



「〜〜っくそ!!」


『火神くん左手スキルのために偉いね?』


「なぁリコ!その心意気に免じて素直に送り出してやろうじゃないか!」


左手で食べるのに苦戦している火神くん。
どうやら木吉さんの一押しで、一年だけならストバス大会に出ていいとリコさんから許可が出た。


「雫ちゃん、休みの日なのに申し訳ないんだけど、ついてってあげてくれる?怪我なんかされたら練習できなくなるし…」


『出張マネージャーですね?了解ですっ』












そしてストバス大会、アメリカンな雰囲気でとても賑わっていた。


『お祭りみたいで楽しいね?屋台も出てるし…って、火神くん食べすぎじゃない?』


火神くんはフランクフルトにホットドックと、アメリカンフードを食べ漁っていた。


そしてエントリーのところで正邦の選手と会って、いま一緒にいるところだ。
火神くんがデリカシーのない言葉をいった。


「てかこんなところにいていいのかよ?練習とか…」

「あのな…火神…津川はともかく俺達3年は引退だ」

「ウインターカップには出ないのか…?」



そう、インターハイの上位チームしかWCは出場できない。正邦は私たちに負けた時点で既に引退が決まっているのであった。
正邦はこれがいいリベンジマッチだと、当たるのを楽しみに解散した。



そして正邦の試合をみるべく、食べてる火神くんを引っ張って見に行くと、そこには大きく負けてた後の正邦チームがいた。




(((あの正邦がこんなにあっさり負けるなんて…!?)))


そして相手チームの1人を見て、火神くんが驚いたように言葉を発した。



「…なんで…なんでこんなところにいやがる!?…氷室、辰也!」


『火神くん、知り合い…?』


そして火神くんが気づいた相手がこちらに向かってきた。


「I never expected to see you here. What a surprise!(こんな所で会うとはな 驚いたよ)」

「You don't look surprised at all. Still wearing a poker face?(全然そう見えねーよ ポーカーフェイスは変わんねーな)」


「I'm not trying to hide my feelings. I'm just expressing them in my way.(別に感情を隠しているわけじゃない これでも表現してるよ)」


そして木吉さんが英語で尋ねると、日本語で返ってきた。どうやら帰国子女で、向こうでの知り合いみたいだ。


「友達とは違うよ…しいて言えば兄貴かな」



そして火神くんと氷室さんの過去の話を聞いた。
どうやらバスケを教えてくれたのは氷室さんで、兄のような存在だけれど、次の勝負で氷室さんが負けたら兄弟を辞めるという誓いの最中らしい。風邪で不調な氷室さんを相手に、手を抜いてしまったアメリカでの最後の試合を雪辱を晴らす時がきた…ということだ。



「あの時は残念だったが俺も今年から日本に帰ってきて今は陽泉高校に通ってる」

(……陽泉…確かあそこには…)

「いつかきっとと思っていたが…今日こそあの時の約束を果たそう」


「タツヤ…俺はもう…お前と」

「火神君にうじうじされるとうっとおしいです」

そう言ってテツヤくんは二号で火神くんを犬パンチした。

「大好きなバスケで手を抜かれて嬉しい人はないと思います」


そして火神くんも想いが決まったのか、決心して氷室さんに対峙した。


「サンキュー黒子…!腹は決めた…!もし戦うことになったら何があっても全力で戦うよ…タツヤ!」


「ところで君…誰だっけ?」

(((やっぱり認識されてなかった…!)))

「黒子テツヤです…はじめまして」

「そうか…君が!面白い相棒を見つけたなタイガ!…君はもしかしてマネージャーかい?とても美しいね」

『…っ、そんなことないです。火神くんの通う誠凛高校バスケ部マネージャーの藍澤雫です』

「タツヤ…黒子の事知ってるのか?」

「ああ…ちょっとね…。実は俺がいるチームも面白いヤツがいるんだ…!シズク、覚えたよ…また試合のときに会おう」













「雫、お前タツヤのたぶんドストライクだわ…」

『…アメリカンなノリだとしても、面と向かって美しいと言われると恥ずかしい…っ』


(((雫ちゃんが照れてるっ!!可愛い…)))


「……黄瀬くんと少しだけ同じ匂いがしました」















その頃誠凛体育館では、休みにもかかわらず二年生は練習していた。
カントクはIHの結果用紙を手に持ち、練習しているみんなに驚きつつも、発表した。



「予想通りキセキの世代が進学したとこが上位独占したわ…!三位が陽泉、準優勝、桐皇…優勝は洛山」


「てか桐皇が準優勝って……どんだけ強いの洛山!?」


「洛山…去年もWCも制した超強豪校…」


「洛山にはさらに今年、キセキの世代の主将が入っているわ!」


「3校とも強いのはそうなんだけど…順位がそのまま実力差ではないわ。なぜなら…キセキの世代は3人とも決勝準決勝ではベンチだったのよ」


「はぁ?どういうことだ」


「わからないわ…一人ならまだしも3人共となると何かそういう理由があったはずよ!」


「てことは、雫ちゃんの目指す相手は陽泉か洛山ってことだよな…」


「「「……よし!練習するか!!」」」












「じゃあやろうか…50勝を賭けて…!!」


「彼はキセキの世代と雰囲気がそっくりと言うか…火神君だけで手におえる気がしません」


「なに言うかと思えば…とっくに気づいてるよ!」

(昔と匂いが全然ちげえ…!一体…何があったんだ?)


「いきなり全力でいくぜ…!!」



試合開始とともに、ジャンプボールが放たれたが、第三者の介入で止まることになる。



「ごめん…ちょっと待ってくんない?」

「おそいぞ…敦!!」

「ごめんごめん、ちょっと迷っちゃって」

「…お久しぶりです紫原君」

「あらー黒ちんじゃん!何だ…相変わらず真面目な顔だね…真面目すぎてひねり潰したくなる…!!」

『……むっくん、久しぶり』

「っ!あれぇ?ぽたちんじゃーん…なんで黒ちんと一緒にいるの?」






彼とも卒業式ぶりの再会だった。





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