『第1章』入学と入部
練習終了後、テツヤくんとマジバ(マジバーガー)に来ていた。
彼には席取りをお願いし、私は彼のバニラシェイクと、自分のアイスティーを頼んでいた。
(あれは…アメリカくん?なんかすごい大量にバーガー持ってるけど…)
そして席に戻ると、テツヤくんの前にアメリカ君がいた。
『あれ?2人って仲良しなの?』
「ちげーよ!てか、マネージャー…?お前らもしかしてできてんのか?」
「違います、すぐそういう発想するのやめてください」
「あ、そっか同中で部活も一緒ってだけか」
どうやら彼はテツヤくんを見つめて観察している。帝光中レギュラーの彼がどうも信じられないみたいだ。
「ちょっとツラ貸せよ。これ食ってから」
そしてアメリカくんこと、火神くん連れられてストバスコートにきた。
『えーと、私もいていいのかな?』
「お前も帝光中のレギュラーのマネージャーだったんだろ?なら、その強い奴らのこと詳しいってことだよな?」
まぁ、他の人よりは知っているとは思うけれど…
「オマエ・・・一体何を隠してる?」
火神くんがテツヤくんに問う。
「オレは中学二年までアメリカにいた。コッチ戻ってきてガクゼンとしたよ。レベル低すぎて。オレが求めてんのはお遊びのバスケじゃねー。もっと全力で血が沸騰するようなバスケがしてーんだ」
私の周りは和成、泪、そしてキセキの世代やテツヤくんをみていたから、レベルの低さとかそういうのはわからないな…。
「オレもある程度は相手の強さはわかる。ヤル奴ってのは独特の匂いがすんだよ。がオマエはオカシイ。弱けりゃ弱いなりの匂いはするはずなのに、オマエは何も匂わねー。強さが無臭なんだ。確かめさせてくれよ。どんだけのもんか」
なんか、テツヤくんをみつけたときの征十郎と似たようなこと言っているな。
強い人は本当に嗅ぎ分けられるんだとおもう。
「・・・奇遇ですね。ボクもキミとやりたいと思っていたんです。1on1」
そして私が、見守る中、スタートしたけど、テツヤくんが1on1で勝てるわけがなく…
「ふざけんなよテメェ!!どう自分を過大評価したらオレに勝てると思ったんだオイ!」
それを聞いたテツヤくんはは意に介さない様子で答えた。
「まさか。火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。火神君の強さを直に見たかったからです」
火神くんはそれを聞いて肩を落としていた。
「あーもういいよ。弱ぇ奴に興味はねーよ。」
そんな青峰みたいなこと言わないでよ、火神くん。
「オマエバスケ辞めた方がいいよ。オマエにバスケの才能はねぇ。」
「それはいやです。まずボクバスケ好きなんで。それから見解の相違です。ボクは誰が強いとかどうでもいいです。ボクはキミとは違う。ボクは、影だ」
そして帰っていくテツヤくんを追いかけるように私もコートを出ようとした。
火神くんは私にも問いかけた。
「…何言ってるんだ?アイツは?」
『…言葉のままだよ、テツヤくんは強い、そして彼は影、光があることでより強くなるの』
そして私はまたテツヤくんを追いかけた。
(藍澤雫…マネージャー…か、まじで、可愛いなアイツ)