『第5章』IH秀徳戦




誠凛ベンチにて、最後の緑間くんのシュートがかなりダメージだったみたいだ。


「点差以上にキツイの貰ったわね」

「黒子くん、あれ、昔から?」

「いえ、僕の知ってる彼の距離は、ハーフラインまでです。あんな所から打てるのは、初めて知りました」


「試合中に狙ってとか有り得ない」

「冗談きついぜキセキの世代…」

「てか、あんなんどーやって止めんの?」


緑間くんを止めようとして奮闘していた。
テツヤくんは、バックチップを狙って緑間くんのマーク付くが、和成に見破られている。

「おいおい、後ろからとかヤボなことしなさんな」

そして、黒子が無理なら、と付いた火神も。

「止めるか? 無理だな」

緑間くんに振り切られ、3Pシュート入れられてしまう。

「余計なことするな、高尾」

「照れんなって」


…あの緑間くんが連携プレーを…
まぁ和成が勝手にフォローをしただけだと思うけど…


第2Q緑間くん主体で行くみたいだ。




そういえば中学のときに……ーーーーーーー


「一番かっちょいいシュート? そりゃダンクっすよ。やる方も見る方も一番スカっとするじゃないっすか」

「だからお前はダメなのだ。
より遠くから決めた方がいいに決まっているのだよ。なぜなら、3点貰えるのだから」

「緑間くんて頭いいのに、たまにアホですよね」

「な、なにっ」

「黒子っち、ストレート」

「2点ずつと3点ずつなら、多い方がいいに決まっているだろう」

「子どもですか」

「シンプルだからこそ真理なのだよ。いずれ俺が証明してやろう」






『まさかここで証明されそうになるとはね…』






2年生メンバーが点を少しずつは返しているけども…

「いくら返したところで、俺のシュートは止められない」

また、ライン際からシュートを放つ緑間くん。

止めに入ろうとする火神くんですが、その高さに圧倒されてしまう。モーションに入ってしまったら、もう止められない。

今、第2Q始まってまだ3分で15-27です。

「このままじゃ点差以上に心が、心が折られる」

「こんな、一体どうやって止めればいいの?」

誠凛側は重苦しい雰囲気になってしまう…
火神に破られます。

「は…強ぇ。これが緑間…。ははっ」

日向先輩とテツヤくんは、その火神くんに何かを感じ取っている。

「火神は強敵を目の当たりにした時に笑う。けど、何か変だ」













そして、第2Q残り2分。
27-45という大差を付けられてます。

「もう帰ろうぜ」という観客の言葉も聞こえてきました…。


「もう、根性見せろよ誠凛」

「見せてるよバカ。あんだけ力の差見せ付けられて、まだギリギリでもテンション繋いでんだ。むしろ褒めるぜ」

「そりゃ雫っちがベンチにいるし…」

「あのマネージャーがいくら可愛いからってそれで保てる精神じゃあ…」

「違いますよ笠松先輩!可愛いし癒されるのはもちろんなんスけど…彼女の選手へのキモチっていうか、フォローっていうか、すごいんスよ、欲しいときに欲しい言葉をくれるっていうか…」

「…お前まじであのマネージャーに惚れてんだな」

「そうっスよ!あぁ〜なんで海常きてくれなかったのかなぁぁ」

「モデルのお前でもどっちもフラれることあんだな」

「…彼女はなかなか難しいんスよ…、でももし、この試合誠凛が負けて、彼らがキセキの世代に勝てないってことが突きつけられたら…彼女はどうするんスかね」

「…まぁ普通に考えてキセキの世代を倒すのに黄瀬のところにはいかねーだろう」

「いや…彼女はキセキの世代を見ているわけじゃないキセキの世代でも、ある1人をみているんスよ…」


ため息をついて身じろぎをする黄瀬。
俺がそのことについて深く聞こうとしたところで黄瀬のポケットからスマホが落ちた。


その拍子に、朝聞いていたおは朝占いが流れ出した。




“みずがめ座は、おとなしく過ごしましょう。
カニ座は絶好調。
ラッキーアイテムたぬきの信楽焼を持てば向かうところ敵なし”




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