『第1章』入学と入部
今日から初めての部活だ。
どうやらここにいる女子2人、私とリコさんをマネージャーだと思っているみたいだ。
私はマネージャー志望だけれど、リコさんは…
「男子バスケ部カントク。相田リコです。よろしく!!」
「「「カ、カントク!?」」」
「そして今年の一年生で、マネージャー希望の子を紹介するわ!誠凛バスケ部初のマネージャーよ!」
『マネージャー志望の藍澤雫です、中学でもバスケ部のマネージャーしていました。よろしくお願いします』
(((白い肌、くりっとした目…可愛い綺麗!)))
(…昔は無表情だったのに、笑顔ができることで、こんなに変わるんですね…)
「・・・じゃあまずは、シャツを脱げ!!」
『ん?…私もですか?』
「「「あ、じゃあぜひ…っ!!」」」
「こらぁ!!2年!鼻の下伸ばすんじゃない!マネージャーは大丈夫よ?」
リコさんは脱いだ1年生をマジマジと見つめていた。
「キミ、ちょっと瞬発力弱いね。バスケやるならもうちょいほしいな」
「キミは体カタイ。風呂あがりに柔軟して!」
!すごい、的確なアドバイスと、体格判断…?
彼女は一体…?
「驚いたか?」
『あ、えっと、日向先輩』
「(まてオレ、ドキドキすんな、いや〜でもいいなぁ先輩って…)
彼女の父親はスポーツトレーナーなんだよ。データをとってトレーニングメニューを作る。毎日その仕事場で肉体とデータを見続けている内についた特技。体格を見れば彼女の眼には身体能力が全て数値で見える」
『すごいですね!リコさん!』
私は目を輝かせてリコさんをみていた。
わたしにもそんな才能あればいいのになぁ。
さつきも諜報部員として活躍してたし…!
あ、リコさんがアメリカくんの体をマジマジとみてる。
(何これ!?全ての数値がズバ抜けてる・・・こんなの高一男子の数値じゃない!!・・・・天賦の才能!!)
日向先輩に声をかけられて、はっと驚いた様子のリコさん、キョロキョロと、誰か探しているみたいだ。
もしかしてテツヤくんのことを…?
「・・・・黒子君てこの中いる?」
『あ、リコさん…いますよ』
「あの・・・スミマセン。黒子はボクです」
「ほわっ!?いつからいた!?」
テツヤくんは身体能力はかなり低い方だ。
どうやら帝光中というだけで、かなり期待されていたみたいで低い数値に驚いているリコさん。
そして試合にも出ていたことを知り、もっと驚いていた。
『…テツヤくんの強さは個人でみてもわかりにくいと思います。でも、彼は立派なレギュラーでしたよ』
「…やっぱり、雫ちゃんは帝光中バスケ部のマネージャーだったのね?」
「あ、確か前に美人マネージャー特集で、キセキの世代ってだけでもすげーのに、そのマネージャー2人も有名だったような…」
『マネージャーしていましたよ、と言っても私は本当にただのマネージャーでしたけど』
「いえ、彼女は気付いていないだけで、マネージャーとして一流ですよ」
(帝光中でも並じゃない、一軍でレギュラーの選手とそのマネージャーなんて…面白くなりそうだわ)
「で、そのキセキの世代ってのはなんだ?つえーのか?」
一年生の子たちがアメリカくんに説明していた。彼は面白そうだと強気に笑っていた。