『第19章』〜ファイナル〜
そして黒子は自分の入学から、バスケ部への入部、青峰と出会い共に居残り練習し、伸び悩んでいてバスケ部を辞めようとしたところで赤司にヒントをもらい今のスタイルの確率の完成。そして三軍から一軍への昇格。そこでキセキのメンバーと雫と出会ったはなしをした。
「その後、黄瀬くんもバスケ部に入り、ボクが教育係につきました」
そしてみんなとの楽しかった思い出を雫は思い浮かべていた。
『プールにいったり、夏祭りにいったり、毎日部活の後話したりコンビニに寄ったり…。楽しい日々を過ごしたよね』
黒子は頷き、その後も過去の話をみんなに話した。
赤司くんがキャプテンになり、だんだん力をつけたキセキの世代同士が同時期から衝突をするようになったこと。そして青峰の変化。
「この頃から赤司くんと雫さんはお付き合いをしはじめたかと……そうでしたよね?」
『うん…二連覇のあとに交際し始めました。このころの征十郎は、キャプテンとしての重責と、大きすぎるキセキの世代をまとめなければとかなり気負っていたと思います、そんなふうには見せないのが彼ですが…』
その後青峰との完全な亀裂、そして同じくして紫原と赤司の対決。そして変わってしまった赤司。
「その後チームプレーはなくなりました。勝つのが当たり前で誰も喜ばなくなっていったのもその時期からです…。そして変わってしまったあとの赤司くんは、雫さんを所有化するようになりました」
『……優しいところがあるのは変わりません。大切にしてくれてもいましたけど……強い独占力を感じるようになりました』
「雫さん、極度のストレスがかかり、倒れて入院してしまっていましたよね…」
そして最後の全中の試合の話をし、荻原くんとの試合に黒子が出れなかったこと、そしてその時に起きた、スコアをそろえた事件の話をした。
「そしてその事件をきっかけに、ボクは帝光中バスケを辞めました」
誠凛のみんなは最後まで話を聞いてくれ、それぞれが考えることもあっただろうが…
「なんだよ、おめぇが悪いんじゃん。 心配して損したぜ」
と、火神が発言するとみんながガクッとリアクションするのがわかった。
「びっくりしたのは赤司が二人いたことぐれぇだ。間違っていると思ったんなら、ぶん殴ってやればよかったじゃねぇか。理屈なんて、後でいいからとにかく動けよ。それをお前はうじうじうじうじ」
その言葉にしゅんとした様子で
「そうですね…僕は何もできなかった。荻原君がバスケをやめたのは僕のせいです」
と話した。
「だから、うじうじすんなって言ってんだろうが!」
ばしっ!!
黒子の頭を叩く火神
『あ、痛そう』
「形見のリスバンもらったのに、なんでそうなんだ」
と不満そうに火神は言った。
「死んでません。もらっても悪いのは僕です」
「んなことはしげって奴が思っている訳ねぇだろ。お前が許されたくないと思い込んでいるだけだ。そんでどうするんだよ?」
その言葉に黒子は顔を上げた。
「僕はこんな人間です。それでも仲間として、受け入れてくれますか? と言うつもりかよ」
雫も静かに火神の話の続きを黙って待っていた。
「もしそうなら、マジでぶん殴るぞてめぇ。 とっくに仲間だろうが!お前はそう思ってなかったのかよ!」
『火神くん……』
「そうだな。よく言った火神。ただな…
さっきからお前ばっか、しゃべってんじゃねぇか!
俺らだって、言いたい事色々溜まっとるわ!」
「なんで!?」
「黒子もちょっと来い!お前も焼きいれてやる!」
日向先輩のツッコミでわちゃわちゃと和やかな雰囲気になったけれど、明日の試合に向けてお開きになった。
「火神くん。僕は今日、まだ話していないことがありました」
その言葉にはぁ!?という火神
「まだ、なんかあんのか?」
「実は卒業式の日…」
黒子は赤司に話した決意について補足した。
その頃雫も最終決戦にむけて心の準備をしていた。
「戻るといいな」
『!……伊月先輩、日向先輩』
「きっと大丈夫だ、京都になんていかせねーよ。明日勝って、その後もみんなでバスケしていくんだよ」
『…そうですね。私、このチームが大好きなので、離れ離れになりたくないです。』
「勝って笑うのは、私たちよ!ね、鉄平」
「そうだな!兎にも角にも明日で最後…試合、楽しんでこーぜ!」
誠凛に入ってよかった。
みんなとバスケできてよかった。
これからもずっと……
願わくば一緒に過ごせますように……。
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