『第4章』テスト期間
いつもならチャイムが鳴って放課後、早々と体育館に向かい部活動をするところだが、今日かは1週間はテスト週間、おやすみである。
「よし、始めようか」
赤司くんの声かけで、青峰に各教科分担して教えることになった。
緑間くんが理科、むっくんが数学、さつきが英語、私が社会、赤司くんが国語だ。
ただ青峰の馬鹿さは正直度を超えていた…
理科では生物はまぁいいとして…
物理や電気のところが全くといいほどわかってないし。単位とかそーゆうものが覚えられないみたいだ。
数字もまず公式が覚えられないから、足し引きかけわり算くらいしかできない。
国語も漢字でかけなくて、読解能力も皆無…10行読むとどうしても寝てしまう。
英語もスペルがわからないし書けないし、
社会なんかほとんどザビエルって答えるし…
「峰ちん覚える努力ちょっとはしなよ〜」
「救いようのない馬鹿さ加減なのだよ」
「…大ちゃんせめて10個スペル覚えよ⁉︎」
『なんで全部ザビエルとヒミコになるの!?』
「……………」
赤司くんの顔が、どんどん魔王化していく。知ってた?無言と笑顔が1番怖いんだよ。
「だってよぉ、意味わかんねーもん。なんで数学じゃねーのに理科で単位あんだよ、なんで英語はIとYOU以外があんだよ、なんで漢字フルネームで過去の人間覚えなきゃなんねーんだ…」
『もうさ、とりあえず答案用紙埋めることが大切な気がしてきた』
「青峰に1から覚えさせても、答案用紙が4分の1も埋まらなそうなのだよ」
「仕方ないな、青峰、お前はとりあえず時間内に答案用紙を埋めるんだ。選択問題は必ず埋めること…他でどうもできないような問題のみ勉強するぞ」
ということで、英語の30字以内の自己紹介文と、国語の梅雨についてどう思うかの感想文50文字以内を一緒に考えることにした。
「自己紹介は、まず日本語で考えてから簡単な英文にしよう!」
さつきの提案で、日本語で青峰の自己紹介を考えることにした。
『私は青峰大輝です。好きなスポーツはバスケットボールです。ここまでで何文字?』
「I am Daiki Aomine.
My favorite sport is basketball.9文字だな」
「さすが赤司くん!この続き何かあるかな?大ちゃんの紹介って特にないよね」
「マイちゃんの写真集見るのが好きだぜ」
なにそれ?って聞いてみると、どうやらグラビア雑誌らしい。
やはりアホ峰だ。そんなものテストに書いてどうする。
「破廉恥なのだよ、もっとまともなことないのか」
「ザリガニとせみ捕まえるくらいだな」
少年か、青峰よ。
「峰ちん好きな食べ物は〜?」
「あぁ、テリヤキバーガーだな」
むっくんナイス質問だ。
「I like fishing crayfish and catching cicadas.
My favorite food is teriyaki burger.13文字だから合わせると22文字だな。このくらいでいいんじゃないか?」
『赤司くん翻訳機能いらないよね』
本当どうなってるんだろう彼の頭脳は。
青峰にまとめた英文を書いて、これを1週間覚えさせることにした。
「あとは梅雨についての感想文なのだよ」
「梅雨はジメジメするし、髪の毛うねるから好きじゃないなぁ」
「俺もお菓子しけるからあんまり好きじゃない〜」
「ラッキーアイテムが濡れてしまうのだよ」
各々みんな梅雨に対して思うことがあるみたいだけど青峰の理由としては微妙なところだ。
『青峰雨でやらなくて嫌なことないの?』
「バスケは体育館でもできるしなー、まぁストバスできないくらいじゃね?あと虫捕まえられなくなるしな」
どんだけ少年だよ。
「まぁそこは素直に書けばいいんじゃないか?問題は50文字だからせめて40文字は超えないとなんだが…」
『梅雨はストバスが地面が濡れて思う存分動けないのが嫌だ。
また、虫も雨の日は活発に動かないからつまらない。…これでほぼ50文字だよ?どうかな』
「うん青峰らしくていいと思うよ」
「おぅ、俺らしいじゃねぇか。さてはお前俺のこと好きだろ」
バカ峰は本当になんでそうなるのかわからない。
違いますと全否定して、今日の勉強会は終了した。
外はこれだけでもう日が落ちて真っ暗だった。