シンのまなざし
Name Change
この小説の夢小説設定カードキャプターさくら、さくら双子姉主です。
親愛夢で、主にさくらちゃん相手に鬱屈とした気持ちを抱えています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夢を見る。距離をものともせず、好きなものを見に行ける。「私」が知らないはずの場所、知らないはずの会話。私が知っているとわかったら、あの人たちはどんな顔をするのだろうか。
これが普通じゃないと知っている。生まれた時から普通じゃない。ずっと終わりが来る日を待っている。
部屋に陽が差し込んでいる。朝だと知覚する前に、体がそうと分かるのは少し不思議なことだ。こういう日は体調がいい。カーテンを開けて、日差しを浴びる。背伸びをすると少しだけめまいがしたが、こんなのは体調が悪いうちに入らない。長い髪をブラッシングして、軽くまとめたら洗面所に行こう。
起きた時に体調がよい朝は、お父さんの次に早起きだ。
「おはよう」
「おはよう、杏さん。今日は体調がよさそうだね」
振り返ったお父さんは私の顔色を見てそう言う。さくらもだが、お父さんも私の体調のプロだ。私よりも先に察知することもある。お父さんがそう言うのなら、今日は学校に行っても大丈夫そうだ。
ご飯のじゅんびを手伝っていると、次に起きてくるのはお兄ちゃん。お父さんとの会話を聞いていたのか、からかうように口を挟んでくることが多い。今日はとても眠そうだ。きっと昨日もアルバイトだったんだろう。
「お化けのくせに今日は朝から元気そうだな」
ゆるく結った髪を崩さないように撫でられる。思わずむっとしてしまうのは、言動が一致していないからか、それとも子ども扱いにだろうか。どちらもだな、と内心を整理しても少しの反抗心が湧く。それがどうにも伝わるらしい。笑いながらお兄ちゃんは洗面所に消えていく。
身だしなみを整えたお兄ちゃんがご飯を食べ終える頃、さくらが起きてくる。今日もぎりぎりになりそうだ。
「おはよう! あっ、杏、今日は調子よさそうだね!」