【かみさまのはらのなか】原神
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
肺のすり切れる音がする。のどはもうずっと痛くて、食べ物も体が受け付けない。こうなってくると、もういよいよ死ぬんだと思えてくる。母さまは打かない顔に笑顔をはりつけて「心配するんじゃないよ」と言っている。私は母さまの方が心配だった。父より、弟より、近所のひとより、いっとう大切な母さま。だんだんと顔が青くなって、顔がやせて、私のために薬を買ってくる母さま。
夜明けはまだ遠い。
星々もまだ出そろっていない。体を起こしてほんの少し手を伸ばす。うすく襖を開けて、将軍さまの城を見上げる。これだけでも、この家に住む価値があるだろう。きらきらと星と月に囲まれて、城は大きな影をかぶっている。あすこに将軍さまがいらっしゃる。一度も見たことのない、稲妻のかみさまがいらっしゃる。
かみさまは永遠を信じてらっしゃる。母も父も弟も同じ言葉を言う。それがかみさまを信じる言葉だという。家族の中で私だけが覚えられずにいる。お参りにも行かず、ずっと家の中で暮らしてきた。もうかみさまを信じる期間は終わってしまった。
私たちは永遠の中にいるという。それだけ分かれば、私には十分なのだ。
だからかまわない。大丈夫だ。
ぎゅっと布団を握る手に力がこもる。大丈夫だから、こんなの気にしなくたっていい。永遠の中にいるから怖くない。私が死んだって、
私が永遠の中にいるのなら、死んだって生きてたって同じ。
ああかみさま、将軍さま。どうか祈らせてください。都合のいい生き物だと笑ってくれてかまいません。きっと、恐れながらもあなたと同じでしょうから。
稲妻がずっとずっと幸福で満ちていますように。みんなが永遠の中で笑えますように。将軍さま、永遠でいられますように。
ああ寒い。冷えてきた。襖を閉めよう。
きっと私の生きるのなんて、またたきみたいなものなんでしょう。でもこのまたたきが、とても惜しいと思うのです。
夜明けはまだ遠い。
星々もまだ出そろっていない。体を起こしてほんの少し手を伸ばす。うすく襖を開けて、将軍さまの城を見上げる。これだけでも、この家に住む価値があるだろう。きらきらと星と月に囲まれて、城は大きな影をかぶっている。あすこに将軍さまがいらっしゃる。一度も見たことのない、稲妻のかみさまがいらっしゃる。
かみさまは永遠を信じてらっしゃる。母も父も弟も同じ言葉を言う。それがかみさまを信じる言葉だという。家族の中で私だけが覚えられずにいる。お参りにも行かず、ずっと家の中で暮らしてきた。もうかみさまを信じる期間は終わってしまった。
私たちは永遠の中にいるという。それだけ分かれば、私には十分なのだ。
だからかまわない。大丈夫だ。
ぎゅっと布団を握る手に力がこもる。大丈夫だから、こんなの気にしなくたっていい。永遠の中にいるから怖くない。私が死んだって、
私が永遠の中にいるのなら、死んだって生きてたって同じ。
ああかみさま、将軍さま。どうか祈らせてください。都合のいい生き物だと笑ってくれてかまいません。きっと、恐れながらもあなたと同じでしょうから。
稲妻がずっとずっと幸福で満ちていますように。みんなが永遠の中で笑えますように。将軍さま、永遠でいられますように。
ああ寒い。冷えてきた。襖を閉めよう。
きっと私の生きるのなんて、またたきみたいなものなんでしょう。でもこのまたたきが、とても惜しいと思うのです。