慟哭の宇宙
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オロール機、ミゲル機が発進していく。
私もミゲルに続き、発進した。
ヘリオポリスが見る見る近づいてくる。
私は背後から接近する機影に気付く。
識別ナンバーに驚き、私は通信機で呼びかけた。
気難しい顔をしたアスランがモニターに映し出される。
『アスラン!? どうして。アスランに出撃命令は出ていないはず』
ミゲルもアスランに話しかける。
『おいおい、アデス艦長にやめとけって言われたんじゃないのか? 知らねえぞ、その機体、壊しても』
『問題ないはずだ、すでにデータの吸出しは終わっている』
『でも……無断発進でしょう? 後で怒られるよ、アスラン』
アスランの表情が、一瞬だけ柔らかくなる。
だが、すぐにアスランが痛そうに顔を顰める。
私は何となく、アスランの気持ちの変化がわかった。
(私を見て、また誰かを想起した? 誰だっけ……格納庫で、アスランはなんて言っていた? キラ? 私を見て、またキラを思い出したの?)
『叱責なら、甘んじて受けるさ』
『先行する!』
オロールがヘリオポリスの外壁を爆撃した。
ミゲルも内部へ続く。
すぐにヘリオポリスが破壊され、中から空気が流出する。
破片が一帯にばらまかれる。
私は操縦レバーを握り締めた。
(壊した外壁にも、退避シェルターがあったかもしれないのに)
ミゲル機、オロール機に続き、アスランが突入する。
私も気持ちを吹っ切って、ヘリオポリス内部へ突入した。
コクピット内部のモニターに、ヘリオポリスの内部が映し出される。
白亜の優美な戦艦が浮いていた。
敵艦から緑色のビームが四本、発射される。
私たちは分散し、ビームを避けた。
ミゲルから通信が入る。
『オロール隊と[FN:名前]機は戦艦を。マシューと俺は敵のジンを! ヘルヴァ隊とアスランは新型をやれ! アスラン! 無理やりついてきた根性、見せてもらうぞ!』
白い敵艦から、二機の機体が発進した。
モニター上にジンと、あの新型が表示される。
再度、敵艦からビームが発射された。
滞空砲も、敵艦から絶え間なく連射される。
私はジンを滑空させながら、戦艦の隙を探した。
大きな的だ、エンジンを破壊すれば航行は不可能になる。
ミゲルの気迫が通信から聞こえる。
ビーム砲がミゲル機から発射され、宙で光った。
白い敵のジンが回避。
ビームがヘリオポリスの一部アキシャルシャフトに当たってしまう。
巨大な紐状のアキシャルシャフトが千切れ、地面へ落下。
地響きと土煙が上がる。
再度、ミゲルがビームで狙撃した。
白い敵のジンが回避し、建物が数個破壊される。
私は奥歯を噛み締める。
『戦闘が長引くほど、コロニーが破壊される! 万が一、コロニーを破壊すればプラント、オーブ間の外交問題に発展する! 各自、戦闘に留意せよ! 一刻も早く、敵戦艦と新型を撃つ!』
僚機全体から、驚きの声が上がった。
『戦闘に留意せよって、無理だろ!?』
『なまえ、お前まさかナチュラル共を気遣っているのか!?』
『戦闘目的は、地球連合軍の兵器の破壊だ! ヘリオポリス破壊ではない!』
『だが!!』
『最高評議会に呼び出されたいの!? 我々ザフトは、野蛮な地球連合とは違う!』
私は回避しながら、詭弁を叫び返す。
敵艦の横側に接近した。
脚部のミサイルを数段、敵艦へ発射する。
対空砲が稼働し、ミサイルが全て撃墜される。
私はジンを飛翔させ、敵艦の背後へ回った。
巨大なエンジンが見える。
私はエンジン目掛けて、対艦用ミサイルを二発発射した。
敵艦が宙を滑るように滑らかな動きで、回避運動を行う。
対艦用ミサイルは目標を見失い、地面やコロニーのセンターシャフトの根元へ飛翔した。
巨大な爆発が発生する。
ヘリオポリス全体が、激しく揺れる。
私は殺気を感じ、回避した。
上から、白い敵のジンが重斬刀で斬りかかってくる。
紙一重で、私は重斬刀を避ける。
白いジンのマントが翻った。
『くっ! やるっ!』
私は知らない声を聞いた。
通信じゃない。
私の頭の中に、知らない声が響く。
若い男性だ。
奇妙な親しみと懐かしさを感じ、私は戸惑う。
『誰!? ……白いジンの!?』
白いジンのパイロットも、私の存在に気付いた。
『俺の声が聞こえるのか。その力を持っていながら、なぜっ!』
『このォッ! ちょこまかとォッ!』
ミゲルがアサルトライフルを乱射した。
私はミゲルの乱射を回避し、飛翔する。
また敵艦に私は肉薄した。
重斬刀を抜刀し、戦艦の側面へ斬りかかる。
『取りつかれたわっ!』
『迎撃、急げ!!』
見知らぬ女性、二人の声がした。
おそらく敵艦内部にいる地球連合の士官だ。
二、三撃入れて、私は離脱した。
すぐに、数瞬前まで私がいた場所に反撃の機銃掃射が飛ぶ。
私は敵艦の射線に入らぬようジンを動かす。
滞空砲へ、腕部のグレネイドランチャーを打ち込んだ。
敵艦の対空砲が二カ所、破壊される。
少年の絶叫を聞いた。
同時に、ヘルヴァ機の反応がロストする。
私は驚いた。
『ヘルヴァが新型にやられた!?』
また爆発。ミゲル機の反応が消える。
アスランがミゲルの名を叫ぶ。
やったのは、あの白いジンだと私は察知する。
敵艦からビームが発射される。
爆発がモニターに映る。
オロール機の反応がロストした。
私は息を呑む。
罪悪感がこみ上げた。
(まさか、私が戦闘に留意せよって言ったから!? それで、みんな戦闘に集中できなくて……違う、全員プロだ。敵が強い! 今までとは違う!)
コロニーのセンターシャフトがスパークした。
部品が次々に落下し、崩壊が始まる。
(もうコロニーが持たない! ヘリオポリスが崩壊する!)
私は敵艦へ向かった。
憎しみを込めてミサイルを数発、敵艦へ打ち込む。
撃ち落され、敵艦には届かない。
もう脚部のミサイルポットは空だ。
対艦用ミサイルもない。
私は敵艦とすれ違いざま、エンジン部へ腕部のグレネイドランチャーを発射した。
敵艦へ命中し、爆炎が上がる。
アサルトライフルも掃射した。
細かい弾丸に敵艦は対応できず、微細なダメージが入っていく。
『やめろ!』
敵の白いジンが飛翔した。
マシュー機が私の前に割って入る。
重斬刀を振りかぶり、マシュー機が敵の白いジンへ斬りかかった。
『なまえ、お前が敵艦を! みんなの仇だ! アスラン、アスラン何処にいる!? 援護を!』
私は飛翔しながら、敵艦へアサルトライフルを掃射し続けた。
私の軌跡をビーム掃射が追ってくる。
迫る死を私は感じながら、敵艦のビームの射線から外れる。
再度、敵艦を攻撃しようとしたところでアスランの声を聞く。
アスランは必死にキラの名を呼んでいた。
知らない少年が、息を呑む声がした。
『やはり、キラ! キラなのか!?』
『アスラン、アスラン・ザラ!』
私は瞠目した。
(アスランが敵と通信!? 話している相手は、敵の新型!?)
私は重斬刀で敵艦を斬りつける。
重い衝撃が横っ面に来た。
白いジンが、私の機体を蹴ったのだ。
いつのまにか、マシュー機の反応がロストしている。
他の僚機の反応もわからない。
白いジンが重斬刀を振りかぶる。
私は回避した。
追撃を避けながら、敵艦のエンジン部へ接近する。
敵艦が前方へビームを発射する。爆発が宙で起きる。
ミサイルが数発飛ぶのが見えた。
(僚機が誰か死んだ!?)
飛来したミサイルが、コロニーのセンターシャフトを爆撃する。
私は瞠目し、息を呑んだ。
コロニーのセンターシャフトが破壊され、バラバラに分離する。
ヘリオポリスの大地に亀裂が走り、砕けていく。
知らない少年とアスランの声が、まだ聞こえる。
『なぜ、なぜ君がっ!』
『お前こそ、どうしてそんなものに乗っている!?』
建物が崩壊し、空気がコロニー外へ吸い出れていく。
無数の建物が瓦礫と化し、コロニーの外へ飛んでいく。
もう上も下もない。
コロニーはバラバラだ。
道路も建物も何もかも混ざり合い、激しく攪拌されている。
私は必死でジンを操作し、瓦礫の雨の間を掻い潜る。
全部の回避は不可能だ。
物が機体に当たり、けたたましく警告音が鳴った。
少年の叫び声が聞こえた。
敵の新型が、コロニー外へ吸い出されていく。
『キラっ!!』
アスランが敵の新型を追った。
私は通信機へ叫ぶ。
『各機、攻撃を中止! コロニーの崩壊へ巻き込まれる、脱出しろ!!』
私も敵艦から離脱した。
誰か僚機に生き残りがいるのか、わからない。
崩壊するコロニーに紛れ、戦域を離脱する。
ばら撒かれたコロニーの残骸の影響で、センサーがうまく機能していない。
敵も同じ条件なのか、白いジンや敵艦からの追撃もない。
撤退信号がヴェサリウスから上がる。
私はモニターで周囲の状況を確認した。
まだモニターの混乱は収まらず、アスランの識別反応がない。
(アスランは、どうなった? ……ダメだ、私が探しに行っても、二次遭難の可能性が高い。救助は無理だ。訓練を受けた兵士なら、帰還の判断も自分でできるはず)
私はアスランを気にしながら、ヴェサリウスへの帰投ルートへ入った。
私もミゲルに続き、発進した。
ヘリオポリスが見る見る近づいてくる。
私は背後から接近する機影に気付く。
識別ナンバーに驚き、私は通信機で呼びかけた。
気難しい顔をしたアスランがモニターに映し出される。
『アスラン!? どうして。アスランに出撃命令は出ていないはず』
ミゲルもアスランに話しかける。
『おいおい、アデス艦長にやめとけって言われたんじゃないのか? 知らねえぞ、その機体、壊しても』
『問題ないはずだ、すでにデータの吸出しは終わっている』
『でも……無断発進でしょう? 後で怒られるよ、アスラン』
アスランの表情が、一瞬だけ柔らかくなる。
だが、すぐにアスランが痛そうに顔を顰める。
私は何となく、アスランの気持ちの変化がわかった。
(私を見て、また誰かを想起した? 誰だっけ……格納庫で、アスランはなんて言っていた? キラ? 私を見て、またキラを思い出したの?)
『叱責なら、甘んじて受けるさ』
『先行する!』
オロールがヘリオポリスの外壁を爆撃した。
ミゲルも内部へ続く。
すぐにヘリオポリスが破壊され、中から空気が流出する。
破片が一帯にばらまかれる。
私は操縦レバーを握り締めた。
(壊した外壁にも、退避シェルターがあったかもしれないのに)
ミゲル機、オロール機に続き、アスランが突入する。
私も気持ちを吹っ切って、ヘリオポリス内部へ突入した。
コクピット内部のモニターに、ヘリオポリスの内部が映し出される。
白亜の優美な戦艦が浮いていた。
敵艦から緑色のビームが四本、発射される。
私たちは分散し、ビームを避けた。
ミゲルから通信が入る。
『オロール隊と[FN:名前]機は戦艦を。マシューと俺は敵のジンを! ヘルヴァ隊とアスランは新型をやれ! アスラン! 無理やりついてきた根性、見せてもらうぞ!』
白い敵艦から、二機の機体が発進した。
モニター上にジンと、あの新型が表示される。
再度、敵艦からビームが発射された。
滞空砲も、敵艦から絶え間なく連射される。
私はジンを滑空させながら、戦艦の隙を探した。
大きな的だ、エンジンを破壊すれば航行は不可能になる。
ミゲルの気迫が通信から聞こえる。
ビーム砲がミゲル機から発射され、宙で光った。
白い敵のジンが回避。
ビームがヘリオポリスの一部アキシャルシャフトに当たってしまう。
巨大な紐状のアキシャルシャフトが千切れ、地面へ落下。
地響きと土煙が上がる。
再度、ミゲルがビームで狙撃した。
白い敵のジンが回避し、建物が数個破壊される。
私は奥歯を噛み締める。
『戦闘が長引くほど、コロニーが破壊される! 万が一、コロニーを破壊すればプラント、オーブ間の外交問題に発展する! 各自、戦闘に留意せよ! 一刻も早く、敵戦艦と新型を撃つ!』
僚機全体から、驚きの声が上がった。
『戦闘に留意せよって、無理だろ!?』
『なまえ、お前まさかナチュラル共を気遣っているのか!?』
『戦闘目的は、地球連合軍の兵器の破壊だ! ヘリオポリス破壊ではない!』
『だが!!』
『最高評議会に呼び出されたいの!? 我々ザフトは、野蛮な地球連合とは違う!』
私は回避しながら、詭弁を叫び返す。
敵艦の横側に接近した。
脚部のミサイルを数段、敵艦へ発射する。
対空砲が稼働し、ミサイルが全て撃墜される。
私はジンを飛翔させ、敵艦の背後へ回った。
巨大なエンジンが見える。
私はエンジン目掛けて、対艦用ミサイルを二発発射した。
敵艦が宙を滑るように滑らかな動きで、回避運動を行う。
対艦用ミサイルは目標を見失い、地面やコロニーのセンターシャフトの根元へ飛翔した。
巨大な爆発が発生する。
ヘリオポリス全体が、激しく揺れる。
私は殺気を感じ、回避した。
上から、白い敵のジンが重斬刀で斬りかかってくる。
紙一重で、私は重斬刀を避ける。
白いジンのマントが翻った。
『くっ! やるっ!』
私は知らない声を聞いた。
通信じゃない。
私の頭の中に、知らない声が響く。
若い男性だ。
奇妙な親しみと懐かしさを感じ、私は戸惑う。
『誰!? ……白いジンの!?』
白いジンのパイロットも、私の存在に気付いた。
『俺の声が聞こえるのか。その力を持っていながら、なぜっ!』
『このォッ! ちょこまかとォッ!』
ミゲルがアサルトライフルを乱射した。
私はミゲルの乱射を回避し、飛翔する。
また敵艦に私は肉薄した。
重斬刀を抜刀し、戦艦の側面へ斬りかかる。
『取りつかれたわっ!』
『迎撃、急げ!!』
見知らぬ女性、二人の声がした。
おそらく敵艦内部にいる地球連合の士官だ。
二、三撃入れて、私は離脱した。
すぐに、数瞬前まで私がいた場所に反撃の機銃掃射が飛ぶ。
私は敵艦の射線に入らぬようジンを動かす。
滞空砲へ、腕部のグレネイドランチャーを打ち込んだ。
敵艦の対空砲が二カ所、破壊される。
少年の絶叫を聞いた。
同時に、ヘルヴァ機の反応がロストする。
私は驚いた。
『ヘルヴァが新型にやられた!?』
また爆発。ミゲル機の反応が消える。
アスランがミゲルの名を叫ぶ。
やったのは、あの白いジンだと私は察知する。
敵艦からビームが発射される。
爆発がモニターに映る。
オロール機の反応がロストした。
私は息を呑む。
罪悪感がこみ上げた。
(まさか、私が戦闘に留意せよって言ったから!? それで、みんな戦闘に集中できなくて……違う、全員プロだ。敵が強い! 今までとは違う!)
コロニーのセンターシャフトがスパークした。
部品が次々に落下し、崩壊が始まる。
(もうコロニーが持たない! ヘリオポリスが崩壊する!)
私は敵艦へ向かった。
憎しみを込めてミサイルを数発、敵艦へ打ち込む。
撃ち落され、敵艦には届かない。
もう脚部のミサイルポットは空だ。
対艦用ミサイルもない。
私は敵艦とすれ違いざま、エンジン部へ腕部のグレネイドランチャーを発射した。
敵艦へ命中し、爆炎が上がる。
アサルトライフルも掃射した。
細かい弾丸に敵艦は対応できず、微細なダメージが入っていく。
『やめろ!』
敵の白いジンが飛翔した。
マシュー機が私の前に割って入る。
重斬刀を振りかぶり、マシュー機が敵の白いジンへ斬りかかった。
『なまえ、お前が敵艦を! みんなの仇だ! アスラン、アスラン何処にいる!? 援護を!』
私は飛翔しながら、敵艦へアサルトライフルを掃射し続けた。
私の軌跡をビーム掃射が追ってくる。
迫る死を私は感じながら、敵艦のビームの射線から外れる。
再度、敵艦を攻撃しようとしたところでアスランの声を聞く。
アスランは必死にキラの名を呼んでいた。
知らない少年が、息を呑む声がした。
『やはり、キラ! キラなのか!?』
『アスラン、アスラン・ザラ!』
私は瞠目した。
(アスランが敵と通信!? 話している相手は、敵の新型!?)
私は重斬刀で敵艦を斬りつける。
重い衝撃が横っ面に来た。
白いジンが、私の機体を蹴ったのだ。
いつのまにか、マシュー機の反応がロストしている。
他の僚機の反応もわからない。
白いジンが重斬刀を振りかぶる。
私は回避した。
追撃を避けながら、敵艦のエンジン部へ接近する。
敵艦が前方へビームを発射する。爆発が宙で起きる。
ミサイルが数発飛ぶのが見えた。
(僚機が誰か死んだ!?)
飛来したミサイルが、コロニーのセンターシャフトを爆撃する。
私は瞠目し、息を呑んだ。
コロニーのセンターシャフトが破壊され、バラバラに分離する。
ヘリオポリスの大地に亀裂が走り、砕けていく。
知らない少年とアスランの声が、まだ聞こえる。
『なぜ、なぜ君がっ!』
『お前こそ、どうしてそんなものに乗っている!?』
建物が崩壊し、空気がコロニー外へ吸い出れていく。
無数の建物が瓦礫と化し、コロニーの外へ飛んでいく。
もう上も下もない。
コロニーはバラバラだ。
道路も建物も何もかも混ざり合い、激しく攪拌されている。
私は必死でジンを操作し、瓦礫の雨の間を掻い潜る。
全部の回避は不可能だ。
物が機体に当たり、けたたましく警告音が鳴った。
少年の叫び声が聞こえた。
敵の新型が、コロニー外へ吸い出されていく。
『キラっ!!』
アスランが敵の新型を追った。
私は通信機へ叫ぶ。
『各機、攻撃を中止! コロニーの崩壊へ巻き込まれる、脱出しろ!!』
私も敵艦から離脱した。
誰か僚機に生き残りがいるのか、わからない。
崩壊するコロニーに紛れ、戦域を離脱する。
ばら撒かれたコロニーの残骸の影響で、センサーがうまく機能していない。
敵も同じ条件なのか、白いジンや敵艦からの追撃もない。
撤退信号がヴェサリウスから上がる。
私はモニターで周囲の状況を確認した。
まだモニターの混乱は収まらず、アスランの識別反応がない。
(アスランは、どうなった? ……ダメだ、私が探しに行っても、二次遭難の可能性が高い。救助は無理だ。訓練を受けた兵士なら、帰還の判断も自分でできるはず)
私はアスランを気にしながら、ヴェサリウスへの帰投ルートへ入った。
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