ミステリー要素ありなので、話が込み入ってきました。最初は夢主の名前を出さないつもりだったので、少し読みにくい部分があるかもしれません。
DC×刀剣乱舞×相棒 越境者
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涙を流して抱き合う伊達とナタリーを、安室は見ていた。
両親にくっついて、小さな女の子が泣いている。
「ナタリー、ナタリー……本当に良かった……無事で……」
「スーツの男性が助けてくれたの。長船っていう……私を抱えて、窓から飛び降りてくれて……警察官と言っていたけれど、彼は!?」
ナタリーが病院を振り返った。安室は違和感を覚える。
神戸が驚き、ナタリーに問いかけた。
「えっ、それ、本当?」
ナタリーがきょとんとして神戸を見た。
「奥さんは、産婦人科にいたんだよね? 米花薬師野病院の産婦人科は四階。四階から、しかも妊婦さんを抱えて飛び降りるなんて、そんな」
「本当です!」
伊達がナタリーの肩に手を置く。
「ナタリー、落ち着いて何があったのか話してくれ」
「あなたを助けた長船さんとは、銀髪の整った容姿の男性で間違いありませんか?」
杉下が質問した。ナタリーが頷く。
「え、ええ……黒いスーツを着た、とても綺麗な男性です」
「彼とは面識が?」
「いいえ、今日初めてお会いしました。一課の伊達刑事の奥さまですね、と声をかけられて。戸惑っていたら、下の方からものすごい音がして」
「おそらく、一階での爆発だな。見た感じ、最初にロビーで爆発が起きたみてえだったから」
ナタリーが伊達に頷く。
「あっという間にコートで私を包んでくれて、私を抱えて窓から……本当に一瞬だった。でも、あの人、なんだかおかしなことも言っていて」
「おかしなこと?」
ナタリーが杉下に頷く、
「コートをくれる前でした。いけね、班長に怒られるって」
伊達と安室は息を呑んだ。
安室の脳裏を、死んだ萩原の顔がよぎる。
(まさか、萩原……!? いいや、萩原は七年前に亡くなって……まさか、生き延びていた? そんなはずはない! マンションのワンフロアが吹き飛ぶ規模の爆発だ。他の隊員ともども、萩原の遺体は特定出来なかった! 瓦礫や他人と混ざって……あの爆心地にいて生き残るはずが)
「降谷さん、問題発生です」
風見の耳打ちで、安室は現実に立ち返る。
「まず、コナンくんが言っていた松田渚さんの拉致事件ですが。この件は人員を回し、車を追跡中です。しかし、別件が……」
「何があった?」
「コナンくんの姿が見えません。周辺で聞き込みをしたところ、こんな動画が」
風見から安室のスマホに動画が送られてくる。
安室は息を呑んだ。
病院の火事に集まった、野次馬を取った動画だった。
人ごみの奥、道のわきに黒い車が止められている。その車のドアを開け、何者かが子供を助手席に入れた。
コナンだ。コナンは気絶しているのか、動かない。
何者かがコナンに手錠をかけ、助手席のドアを閉める。
何者かの身体が、かすかにカメラの方を向く。
安室は全身の血が、音を立てて逆流する。
何者かは、ペストマスクで顔を隠していた。三年前の記憶が安室に蘇る。
(こいつは三年前、渋谷の雑居ビルで取り逃がした……!!)
「なに!? 松田が高木を刺して逃走中!? 何言ってんだ、白鳥! ふざけてんのか!?」
伊達の怒号が響く。
安室の驚きと同時に、風見と杉下のスマホが鳴った。
風見が着信に出て、困惑した顔で降谷を見る。
杉下が通話を終え、風見の電話も終わる。
風見の表情は暗い。冷や汗をかき、安室の指示を求めている。
安室は二人に問いかけた。
「何かあったんですか? 良くない知らせのようですね」
「僕は小野田官房長からの呼び出しです。神戸君と、それから安室君。あなたを連れて、警察庁まで来てほしいと」
神戸が驚愕した。風見と伊達も目を見開いている。
「えっ、僕はともかく安室さんもですか? 民間人ですよね、彼」
「民間人ですが、安室君は毛利君のお弟子さんですよね? 安室君に捜査協力を要請したい、と小野田さんは仰っています。本来であれば毛利君に来てほしかったようですが、この状況では」
杉下の発言に被さって、救急車のサイレンが響く。音のした方を見ると、重傷者を乗せた救急車が何台か道路に出ていくところだった。
ストレッチャーに固定され、搬送される毛利の姿が見える。
付き添っていた蘭が、杉下や安室の視線に気づき、頭を下げた。
蘭と毛利を乗せた救急車も道路へ出ていく。
安室はぐっと拳を握り締めた。
(何か、大きなうねりが動き始めている)
「毛利先生の代わりとは、光栄です。ぜひ、協力させていただきます」
両親にくっついて、小さな女の子が泣いている。
「ナタリー、ナタリー……本当に良かった……無事で……」
「スーツの男性が助けてくれたの。長船っていう……私を抱えて、窓から飛び降りてくれて……警察官と言っていたけれど、彼は!?」
ナタリーが病院を振り返った。安室は違和感を覚える。
神戸が驚き、ナタリーに問いかけた。
「えっ、それ、本当?」
ナタリーがきょとんとして神戸を見た。
「奥さんは、産婦人科にいたんだよね? 米花薬師野病院の産婦人科は四階。四階から、しかも妊婦さんを抱えて飛び降りるなんて、そんな」
「本当です!」
伊達がナタリーの肩に手を置く。
「ナタリー、落ち着いて何があったのか話してくれ」
「あなたを助けた長船さんとは、銀髪の整った容姿の男性で間違いありませんか?」
杉下が質問した。ナタリーが頷く。
「え、ええ……黒いスーツを着た、とても綺麗な男性です」
「彼とは面識が?」
「いいえ、今日初めてお会いしました。一課の伊達刑事の奥さまですね、と声をかけられて。戸惑っていたら、下の方からものすごい音がして」
「おそらく、一階での爆発だな。見た感じ、最初にロビーで爆発が起きたみてえだったから」
ナタリーが伊達に頷く。
「あっという間にコートで私を包んでくれて、私を抱えて窓から……本当に一瞬だった。でも、あの人、なんだかおかしなことも言っていて」
「おかしなこと?」
ナタリーが杉下に頷く、
「コートをくれる前でした。いけね、班長に怒られるって」
伊達と安室は息を呑んだ。
安室の脳裏を、死んだ萩原の顔がよぎる。
(まさか、萩原……!? いいや、萩原は七年前に亡くなって……まさか、生き延びていた? そんなはずはない! マンションのワンフロアが吹き飛ぶ規模の爆発だ。他の隊員ともども、萩原の遺体は特定出来なかった! 瓦礫や他人と混ざって……あの爆心地にいて生き残るはずが)
「降谷さん、問題発生です」
風見の耳打ちで、安室は現実に立ち返る。
「まず、コナンくんが言っていた松田渚さんの拉致事件ですが。この件は人員を回し、車を追跡中です。しかし、別件が……」
「何があった?」
「コナンくんの姿が見えません。周辺で聞き込みをしたところ、こんな動画が」
風見から安室のスマホに動画が送られてくる。
安室は息を呑んだ。
病院の火事に集まった、野次馬を取った動画だった。
人ごみの奥、道のわきに黒い車が止められている。その車のドアを開け、何者かが子供を助手席に入れた。
コナンだ。コナンは気絶しているのか、動かない。
何者かがコナンに手錠をかけ、助手席のドアを閉める。
何者かの身体が、かすかにカメラの方を向く。
安室は全身の血が、音を立てて逆流する。
何者かは、ペストマスクで顔を隠していた。三年前の記憶が安室に蘇る。
(こいつは三年前、渋谷の雑居ビルで取り逃がした……!!)
「なに!? 松田が高木を刺して逃走中!? 何言ってんだ、白鳥! ふざけてんのか!?」
伊達の怒号が響く。
安室の驚きと同時に、風見と杉下のスマホが鳴った。
風見が着信に出て、困惑した顔で降谷を見る。
杉下が通話を終え、風見の電話も終わる。
風見の表情は暗い。冷や汗をかき、安室の指示を求めている。
安室は二人に問いかけた。
「何かあったんですか? 良くない知らせのようですね」
「僕は小野田官房長からの呼び出しです。神戸君と、それから安室君。あなたを連れて、警察庁まで来てほしいと」
神戸が驚愕した。風見と伊達も目を見開いている。
「えっ、僕はともかく安室さんもですか? 民間人ですよね、彼」
「民間人ですが、安室君は毛利君のお弟子さんですよね? 安室君に捜査協力を要請したい、と小野田さんは仰っています。本来であれば毛利君に来てほしかったようですが、この状況では」
杉下の発言に被さって、救急車のサイレンが響く。音のした方を見ると、重傷者を乗せた救急車が何台か道路に出ていくところだった。
ストレッチャーに固定され、搬送される毛利の姿が見える。
付き添っていた蘭が、杉下や安室の視線に気づき、頭を下げた。
蘭と毛利を乗せた救急車も道路へ出ていく。
安室はぐっと拳を握り締めた。
(何か、大きなうねりが動き始めている)
「毛利先生の代わりとは、光栄です。ぜひ、協力させていただきます」