ミステリー要素ありなので、話が込み入ってきました。最初は夢主の名前を出さないつもりだったので、少し読みにくい部分があるかもしれません。
DC×刀剣乱舞×相棒 越境者
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「……おい、坊主。メガネの坊主! 生きてっか!? 起きろ!」
松田の怒号で、コナンは目を覚ました。頭部に痛みが走り、苦悶する。
「松田刑事、っ!?」
身体を起そうとして、出来ないと気づいた。シートベルトと手錠がコナンを拘束している。
コナンは、車の助手席にいた。
手錠の片方が、車の助手席のドアに通っている。
今まで見た経験がない手錠だった。手錠の部品の一部に、蛍光ピンクと青の液体が入っている。
「松田刑事、この手錠は……それに、交番の事件に行ったんじゃ」
松田を見たコナンは、息を呑んだ。信号が変わったのか、車が動き出す。
運転席の松田は、血まみれだった。どこに置いてきたのか、いつもの黒スーツの上着も黒いネクタイもない。サングラスも外していた。
松田のワイシャツの右わき腹から、べっとり血がついている。かなりの出血量だ。
「その血、松田刑事の……じゃないよね。ズボンは濡れていないし、床にも血痕がない」
コナンは血液の主を思い至り、目を見開く。
「まさか、高木刑事の」
「安心しな、高木の応急処置はした。すぐに救急車が来たから今頃、病院に搬送されている。現場に警察も来ただろうよ。俺が高木を刺したって、通行人を装った犯人に通報されたしな」
松田が不敵に笑う。イラついているのか、ハンドルを指でトンと弾いた。
「身内に追われるなんざ、冗談じゃねえ。嫌な展開だ。犯人が作った流れに乗せられちまっている」
「何があったの」
「米花公園の街灯が、爆発しやがった」
コナンは息を呑む。
「だが、これで確信した。今度は公安にも文句は言わせねえ。犯人のターゲットは俺だ。米花薬師野病院から現場の交番に行くまでは、必ず米花公園前の道を通る……交番爆破と公園の爆発は同一犯。報告によると、交番の爆発は特殊な爆弾で、ピンク色の炎。俺が公園で目撃した炎もピンク色だった」
コナンは、はっと息を呑む。
(ピンク色の炎……病院と同じ爆弾か!)
「爆発現場に高木と急行したら、いきなり撃ってきやがって……高木が俺を庇った」
「撃って来たって、まさか発砲されたの!?」
松田が舌打ちをする。
「犯人は拳銃を所持。逃げ遅れた民間人を盾にして、俺にスマホの破壊と乗車を指示。いつも俺が持ち歩いている、解体用具も手放させられた。乗り込んだ車の中にお前がいたってわけだ。それに、あのペストマスク……ありゃあ、三年前の」
コナンはスマホの振動を感じた。
上着のポケットから、スマホを出す。
黒いスマホを見て、コナンは息を呑んだ。
(このスマホ、俺のじゃねえ! 松田刑事の奥さんの……)
スマホ画面にメッセージが表示されていた。
相手の番号は非通知。
『松田陣平、首に爆弾をつけられた気分はどうだ?』
コナンは息を呑み、松田を見た。
(松田刑事の首……黒いチョーカーがある。オシャレな細身のチョーカーだけど、こんなアクセサリー、していなかったはず。チョーカーの中央に赤い結晶体が埋まっている。あの結晶体が爆薬か!)
「そのスマホ、あいつの……坊主、寄越せ」
「運転中のスマホ操作は道路交通法違反! ねえ、松田刑事。そのチョーカー……爆弾って本当?」
松田が気まずい表情をした。
コナンは構わず発言した。
「犯人からメッセージが届いている。読み上げるね。松田陣平、首に爆弾をつけられた気分はどうだ? そのチョーカーは、子どものシートベルトと連動している。子どものシートベルトを外したら……その瞬間、起爆する」
コナンは一瞬言葉を失った。
(なんて残酷な。犯人は、この状況を楽しんでやがる)
また、新しいメッセージが画面に表示される。
『松田、お前には私とゲームをしてもらう。楽しいゲームだ』
『お前には、今から私が指定する場所へ行ってもらう。数カ所だ。指定地点には、鍵を置いておく。鍵をすべて回収し、子どもの手錠を開錠出来たらお前の勝ち。鍵を一つでも取りこぼしたら、お前の負け』
『タイムリミットは、今日の日没まで。鬼は警察。鬼、つまり警察に捕まっても、お前の負け。警察への通報や、ギブアップは許さない』
『ゲームを放置したと、こちらが判断した時点で、子どもの手錠もチョーカーも起爆させる』
『移動ルートはカーナビに指示をした。勇敢なる警察官よ、健闘を祈る』
メッセージが終了する。
コナンは奥歯を噛み締めた。
「犯人は鍵があるって言ってるけど、たぶん……」
「嘘だな。犯人は俺を殺す気だ。しかも、ただ殺すんじゃねえ。追い詰め、獲物をいたぶり、仕留める……どうやらよほど、三年前の事件に腹を立てているらしい。俺に爆弾を解体されたことにな」
「三年前、何があったの」
松田の話は、次の内容だった。
三年前、萩原の墓参りのために松田、安室、一課の伊達刑事、そして諸伏と言う刑事が集まった。
安室がコナンに見せてくれた写真のメンバーだ。
四人は警察学校の同期で、萩原の友人だった。
墓参りの後、渋谷の雑居ビルで事件があり、松田と安室が臨場。
渋谷の雑居ビルには爆弾が仕掛けられており、松田が解体。
安室と、応援として駆けつけた伊達、諸伏が犯人と応戦するが、取り逃がしてしまった。
渋谷の雑居ビルの事件は、公安案件として扱われた。現在も情報は秘匿され、表向きはガス漏れ騒ぎとなっている。
「あの犯人は、顔を隠すためにペストマスクを着けていた。体格や挙動から考えても、今日の犯人は三年前と同一犯だろう」
コナンは話を聞きながら、カーナビとチョーカーを観察した。
「そのチョーカーとカーナビ……どっちも、犯人に盗聴、盗撮されているよね。犯人の指示に従うつもり?」
「仕方がねえだろ、今のところは……俺はともかく、お前は民間人だ。必ず助けてやっから、安心しろよボウズ」
松田が不敵に笑う。
コナンは、ある事実に気付いた。
松田も同じ事実に思い至ったのか、顔色が変わる。
(この犯人、松田刑事の性格を熟知している……松田刑事は三年前、多くの人を救うために殉職さえ選ぼうとした人だ。杉下刑事のおかげで助かったけど、松田刑事には利他主義的な危うさがある……)
コナンは息を呑み、瞠目した。
(最後の『勇敢なる警察官よ、健闘を祈る』は東都タワーの爆破未遂事件のメッセージと同一文。三年前の観覧車にも、同じメッセージがあった。ペストマスクの犯人からの皮肉だ。三年前、松田刑事は観覧車で死にかけたのだから)
東都タワーや観覧車の事件も、詳細は一般公開されていない。つまり、ペストマスクの犯人には協力者がいる。しかも、警察内部の。
コナンは発見を口に出せなかった。車内は犯人に盗聴、盗撮されている。わざわざ、こちらの気づきや推理を、犯人に教えるのは愚策だ。
(けど、どうしても必要な点は聞かなきゃならねえ。とりあえず……)
コナンは慎重に口を開く。
「ねえ、松田刑事。確認だけど、チョーカーと手錠の解体ってできる?」
「今は無理だ。解体用具がねえからな。坊主の手錠といい、俺のチョーカーといい、見たことねえ設計だ。こんな小型爆弾、どっから持って来たんだか。オーバーテクノロジーすぎるぜ。今の技術で、ここまでの爆弾の小型化は無理だ。こんな状況じゃなきゃ、楽しく解体してやるんだが……」
松田が道を右折する。
「どこに向かっているの?」
「米花サンプラザホテル……犯人から指定された場所だ。ハッ、どうやら俺たちの他にも、お客さんが大勢呼ばれているみてえだぜ」
松田が窓の外を見て、不敵に笑った。
コナンは眉を顰めた。
(今、別車線を通って行ったのは覆面パトカー。あっちの道も……パトカーもいる。多数の警察官が、米花サンプラザホテルに集められている!)
松田の怒号で、コナンは目を覚ました。頭部に痛みが走り、苦悶する。
「松田刑事、っ!?」
身体を起そうとして、出来ないと気づいた。シートベルトと手錠がコナンを拘束している。
コナンは、車の助手席にいた。
手錠の片方が、車の助手席のドアに通っている。
今まで見た経験がない手錠だった。手錠の部品の一部に、蛍光ピンクと青の液体が入っている。
「松田刑事、この手錠は……それに、交番の事件に行ったんじゃ」
松田を見たコナンは、息を呑んだ。信号が変わったのか、車が動き出す。
運転席の松田は、血まみれだった。どこに置いてきたのか、いつもの黒スーツの上着も黒いネクタイもない。サングラスも外していた。
松田のワイシャツの右わき腹から、べっとり血がついている。かなりの出血量だ。
「その血、松田刑事の……じゃないよね。ズボンは濡れていないし、床にも血痕がない」
コナンは血液の主を思い至り、目を見開く。
「まさか、高木刑事の」
「安心しな、高木の応急処置はした。すぐに救急車が来たから今頃、病院に搬送されている。現場に警察も来ただろうよ。俺が高木を刺したって、通行人を装った犯人に通報されたしな」
松田が不敵に笑う。イラついているのか、ハンドルを指でトンと弾いた。
「身内に追われるなんざ、冗談じゃねえ。嫌な展開だ。犯人が作った流れに乗せられちまっている」
「何があったの」
「米花公園の街灯が、爆発しやがった」
コナンは息を呑む。
「だが、これで確信した。今度は公安にも文句は言わせねえ。犯人のターゲットは俺だ。米花薬師野病院から現場の交番に行くまでは、必ず米花公園前の道を通る……交番爆破と公園の爆発は同一犯。報告によると、交番の爆発は特殊な爆弾で、ピンク色の炎。俺が公園で目撃した炎もピンク色だった」
コナンは、はっと息を呑む。
(ピンク色の炎……病院と同じ爆弾か!)
「爆発現場に高木と急行したら、いきなり撃ってきやがって……高木が俺を庇った」
「撃って来たって、まさか発砲されたの!?」
松田が舌打ちをする。
「犯人は拳銃を所持。逃げ遅れた民間人を盾にして、俺にスマホの破壊と乗車を指示。いつも俺が持ち歩いている、解体用具も手放させられた。乗り込んだ車の中にお前がいたってわけだ。それに、あのペストマスク……ありゃあ、三年前の」
コナンはスマホの振動を感じた。
上着のポケットから、スマホを出す。
黒いスマホを見て、コナンは息を呑んだ。
(このスマホ、俺のじゃねえ! 松田刑事の奥さんの……)
スマホ画面にメッセージが表示されていた。
相手の番号は非通知。
『松田陣平、首に爆弾をつけられた気分はどうだ?』
コナンは息を呑み、松田を見た。
(松田刑事の首……黒いチョーカーがある。オシャレな細身のチョーカーだけど、こんなアクセサリー、していなかったはず。チョーカーの中央に赤い結晶体が埋まっている。あの結晶体が爆薬か!)
「そのスマホ、あいつの……坊主、寄越せ」
「運転中のスマホ操作は道路交通法違反! ねえ、松田刑事。そのチョーカー……爆弾って本当?」
松田が気まずい表情をした。
コナンは構わず発言した。
「犯人からメッセージが届いている。読み上げるね。松田陣平、首に爆弾をつけられた気分はどうだ? そのチョーカーは、子どものシートベルトと連動している。子どものシートベルトを外したら……その瞬間、起爆する」
コナンは一瞬言葉を失った。
(なんて残酷な。犯人は、この状況を楽しんでやがる)
また、新しいメッセージが画面に表示される。
『松田、お前には私とゲームをしてもらう。楽しいゲームだ』
『お前には、今から私が指定する場所へ行ってもらう。数カ所だ。指定地点には、鍵を置いておく。鍵をすべて回収し、子どもの手錠を開錠出来たらお前の勝ち。鍵を一つでも取りこぼしたら、お前の負け』
『タイムリミットは、今日の日没まで。鬼は警察。鬼、つまり警察に捕まっても、お前の負け。警察への通報や、ギブアップは許さない』
『ゲームを放置したと、こちらが判断した時点で、子どもの手錠もチョーカーも起爆させる』
『移動ルートはカーナビに指示をした。勇敢なる警察官よ、健闘を祈る』
メッセージが終了する。
コナンは奥歯を噛み締めた。
「犯人は鍵があるって言ってるけど、たぶん……」
「嘘だな。犯人は俺を殺す気だ。しかも、ただ殺すんじゃねえ。追い詰め、獲物をいたぶり、仕留める……どうやらよほど、三年前の事件に腹を立てているらしい。俺に爆弾を解体されたことにな」
「三年前、何があったの」
松田の話は、次の内容だった。
三年前、萩原の墓参りのために松田、安室、一課の伊達刑事、そして諸伏と言う刑事が集まった。
安室がコナンに見せてくれた写真のメンバーだ。
四人は警察学校の同期で、萩原の友人だった。
墓参りの後、渋谷の雑居ビルで事件があり、松田と安室が臨場。
渋谷の雑居ビルには爆弾が仕掛けられており、松田が解体。
安室と、応援として駆けつけた伊達、諸伏が犯人と応戦するが、取り逃がしてしまった。
渋谷の雑居ビルの事件は、公安案件として扱われた。現在も情報は秘匿され、表向きはガス漏れ騒ぎとなっている。
「あの犯人は、顔を隠すためにペストマスクを着けていた。体格や挙動から考えても、今日の犯人は三年前と同一犯だろう」
コナンは話を聞きながら、カーナビとチョーカーを観察した。
「そのチョーカーとカーナビ……どっちも、犯人に盗聴、盗撮されているよね。犯人の指示に従うつもり?」
「仕方がねえだろ、今のところは……俺はともかく、お前は民間人だ。必ず助けてやっから、安心しろよボウズ」
松田が不敵に笑う。
コナンは、ある事実に気付いた。
松田も同じ事実に思い至ったのか、顔色が変わる。
(この犯人、松田刑事の性格を熟知している……松田刑事は三年前、多くの人を救うために殉職さえ選ぼうとした人だ。杉下刑事のおかげで助かったけど、松田刑事には利他主義的な危うさがある……)
コナンは息を呑み、瞠目した。
(最後の『勇敢なる警察官よ、健闘を祈る』は東都タワーの爆破未遂事件のメッセージと同一文。三年前の観覧車にも、同じメッセージがあった。ペストマスクの犯人からの皮肉だ。三年前、松田刑事は観覧車で死にかけたのだから)
東都タワーや観覧車の事件も、詳細は一般公開されていない。つまり、ペストマスクの犯人には協力者がいる。しかも、警察内部の。
コナンは発見を口に出せなかった。車内は犯人に盗聴、盗撮されている。わざわざ、こちらの気づきや推理を、犯人に教えるのは愚策だ。
(けど、どうしても必要な点は聞かなきゃならねえ。とりあえず……)
コナンは慎重に口を開く。
「ねえ、松田刑事。確認だけど、チョーカーと手錠の解体ってできる?」
「今は無理だ。解体用具がねえからな。坊主の手錠といい、俺のチョーカーといい、見たことねえ設計だ。こんな小型爆弾、どっから持って来たんだか。オーバーテクノロジーすぎるぜ。今の技術で、ここまでの爆弾の小型化は無理だ。こんな状況じゃなきゃ、楽しく解体してやるんだが……」
松田が道を右折する。
「どこに向かっているの?」
「米花サンプラザホテル……犯人から指定された場所だ。ハッ、どうやら俺たちの他にも、お客さんが大勢呼ばれているみてえだぜ」
松田が窓の外を見て、不敵に笑った。
コナンは眉を顰めた。
(今、別車線を通って行ったのは覆面パトカー。あっちの道も……パトカーもいる。多数の警察官が、米花サンプラザホテルに集められている!)