Welcome to the Villains' world
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長身の双子のあとをついていくと
「ーー”首をはねろ ”!!」
と叫ぶ声が聞こえ、グリムと呼ばれた狸の首にガチャンと南京錠がつくのが目についた。
「ふぎゃっ!?なんじゃこりゃ!?」
「ハートの女王の法律・第23条”祭典の場に猫を連れ込んではならない」
ハートの女王?不思議の国のアリスじゃあるまいし…ていうか、猫だったんだ…狸じゃなかったのか。
「猫であるキミの乱入は重大な法律 違反だ。即刻退場してもらおうか。」
「オレ様は猫でもねぇ〜っ!!こんな首輪すぐに燃やして…あ、あれ?炎が出ねぇんだゾ!」
「ふん!僕がその首輪を外すまでキミは魔法を使えない。ただの猫同然さ。」
チートじゃん…その能力。心の中で呟く。
「にゃ、にゃにー!?俺様はペットじゃねーんだゾ!」
ぎゃーすか騒ぐグリムとは反対に、悦しそうにアズールと呼ばれたメガネの男が近く。
「いや〜。相変わらず素晴らしいですね。どんな魔法でも封じてしまう、リドルさんのユニーク魔法。」
胡散臭い笑顔だなぁ…。
「絶対に欲しい……じゃなくて。僕なら絶対にかけられたくありません。」
あの双子が仲良くしているであろう人物も、多分相当敵に回したらめんどくさそうな人物だな…と思い、一人傍観していると、学園長に話しかけられる。
「どうにかしてください!貴方の使い魔でしょう!?しっかり躾を…!!」
『だから、私のじゃありませんってば!!さっきから何度言えば…、、』
「…え? 貴方のじゃない?ではユウくん、あなたのですか?」
「いいえ、見知らぬケモノです。」
「……そ、そうでしたっけ?」
やっと話を聞いてくれたなと思いながら学園長を二人でジトォッと睨みつける。
「ごほん!では、学園外に放り出しておきましょう。鍋にしたりはしません。私は、優しいので。」
気まずそうに咳払いをし、にっこりと微笑む。
大魔法士になると叫び続けながらも放り出されてしまうグリムを眺めた。
『なんであんなに必死なんだろう…?』と心の中で呟く。
「少々予定外のトラブルはありましたが、入学式はこれにて閉会です。」
その声と共に、校長からの説明が入り、新入生達が寮長と呼ばれていた人たちに連れられ、部屋から出て行った。ディアなんとか寮の寮長はいなかったらしい…。誰も式のことを伝えていないかもしれないという話が聞こえてきて、なんだか顔も知らないその人のことが可哀想になった。
「あぁ、アーシェングロットくん、そして名前くん、ちょっと待っていただけますか?」
「はい、なんでしょうか?」
寮長はフロイドとジェイドに先に案内するように指示を出し私と一緒に学園長の元へ向かう。
「ーーさて、名前くんは無事組分けは終わってよかったのですが、遅刻してきた理由も改めて聞きたいので、ここに残っていただけますか?アーシェングロットくんはお出迎えもしなければならないと思うので、後で彼を迎えにきてあげてください。」
「かしこまりました。」とお辞儀をする寮長に申し訳なくなり、軽くお辞儀をすると、ニコリと微笑まれた。かっこいい…じゃなくて、あれは目が笑ってなかったな…。ていうか…彼?って言った?聞き間違えかな。
「さて、ユウくんーーー大変残念なことですが……貴方には、この学園から出て行ってもらわねばなりません。」
私の夢はどうやら相当この出会ってまもないユウくんに恨みがあるようだ。寮には振り分けられず、しまいにはこの学園から出て行け…と。ネタでよくある、アズ○バン行きを組分け帽子に言われる方がましではないか?いや、そんなことはないか。
「魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない。心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。さぁ、扉の中へ。強く故郷のことを念じて………」
「さぁ闇の鏡よ!この者をあるべき場所へ導きたまえ!」
学園長の声と共に闇の鏡に目線を向ける。だがしかし、闇の鏡は反応しない。
「ゴ、ゴホン……もう一度。闇の鏡よ!この者を……」
「どこにもない……」
「「え?」」
ユウくんと学園長の声が重なる。
「この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である。」
「後オクタヴィネルに振り分けられた生徒もだ…。」
『はい?』
無…魔力の次はそうきたか…。しかも私も帰れないときた…。いや、もう組分けられちゃったわけだけどさ…。心配そうに俯くユウくんを安心させるために肩を撫でると少しぎこちなく笑ってくれた。
「そもそも貴方達どこの国から来たんです?」
『日本ですけど…?』隣でユウくんも一緒です、と頷く。
当たり前でしょ、と言わんばかりの声で目上の人に対して答えてしまったが、それは気にしていないようだ。
「……聞いたことのない地名ですね。私は世界中からやってきた生徒の出身地は全て把握していますが、そんな地名は聞いたことがない。一度図書館で調べてみましょう。」
そんなことはありえるのだろうか?日本を知らないとかこの人常識知らずか?と疑いの目をかけていると仮面の下から少し睨まれた気がする。
図書館についていって、学園長に調べてもらうが、どこにも私達の出身地の名前は見当たらないという。
「貴方達、本当にそこから来たんですか?嘘をついてるんじゃないでしょうね?」
『なんでこんな状況下で嘘をつかなきゃいけないんですか…。』
「こうなってくると貴方が何らかのトラブルで異世界から招集された可能性が出てきましたね。」
あ〜トリップ系ね…わかるわかる…そういう小説読んでたもん、私も。
「貴方達、ここへくるときに持っていたものなどは?見るからに手ぶらですけど…。」
「あー、そういえば、財布もスマホもないです…。」
『あ、私もない!』
「スマホ?…ですが、困りましたねぇ。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者に連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので。」
その、私優しいのでは口癖なのだろうか…優しさを1ミリも感じないぞ…。
悩みに悩んだ学園長はどうやら学園内に今は使われていない昔寮として使われていた建物があるので、そこを掃除をすれば寝泊まりができるであろうと教えてくれた。その寮であれば、彼がユウくんに私達が元いた場所に帰れるように調べ物をしてくれている間、宿として貸し出してくれるそうだ。何がともあれ、散々な目にあった分、住むところが保証されるのはいいことだ。
「ありがとうございます」
「あ〜なんて優しいんでしょう、私!教育者の鑑ですね。」
助けてくれるとはいえ、やはり胡散臭い人だな…。
「あぁ、後、名前くんは寮に入れたということは、魔力はあるということですし、せっかくだからちゃんと4年学んでいったらどうですか?」
『それは、面白そうですし、全然やりたいです!でも、見た所、女生徒がいないそうですが…』
「何を言っているんですか?当たり前でしょう、ここ、男子校ですよ?」
『え?じゃあ、私無理ですよ……』
「はい?」
きょとんとした学園長とユウくんがこちらを見ている。
『え、だから、男子じゃないんで』
「そんな嘘はやめてください、女性らしい顔つきをした男子はいますが、そんな嘘はいけませんよ。」
『なんでそんな嘘つかなきゃいけないんですか……あっ』
学園長と言い争っていると、不自然に手元のブレスレットが光った。
『あれ?こんなブレスレットつけてたっけ…』
手元のブレスレットを外すとキラキラと周りが輝いた。
「……なるほど……。」
『ん?何が起きたんですか……?』
「どうやら、そのブレスレットは着用している際に貴方を男性的に見せれるように魔力が込められているそうですね。闇の鏡よ、彼女を映してあげてください」
何かに納得した学園長に誘導され鏡の前にたつとそこには普段通りの私がいた。半信半疑でもう一度ブレスレットをつけ直してみると、少しだけ光に包まれたかと思うと、学園長の言う通り、男性的な外見になっていたのだ。
あれ、でも身体的な変化はそこまでないな…。見た目だけなのかな…とマジマジと顔や体を触っていると、ごほん、と咳払いが一つ。
「由々しき自体ですね……。ふむ、でもそのブレスレットがあるのであれば問題はなさそうです。帰ることもできない今追い出すこともできません。ましてやか弱い女性であるのであれば!なるべくバレないように過ごしてくださいね?男子校ですから、思春期の男の子は怖いので…」
と背筋の凍るような笑顔を見せつけられた。
「あぁ、そうだ、ユウくん。この事はくれぐれも内緒にしておくように!」
「は、はい!」
「アーシェングロットくんには、貴方が他の世界から来ている事だけは伝えておきます。魔力はあるとはいえ、魔法も初めてということでしょう?彼は教え方が上手いはずです、彼に教えてもらうことにしてください」
『はい、ありがとうございます。』
そうお辞儀すると、ユウくんと学園長はオンボロ寮に向かうため私とは違う道につくといった。自分のおたく?ヴィネルの寮に向かうための道を途中まで教えてもらうと、ちょうど迎えにきた寮長と出会い、自分の寮の説明や、寮室まで案内してもらったのだ。
「ーー”
と叫ぶ声が聞こえ、グリムと呼ばれた狸の首にガチャンと南京錠がつくのが目についた。
「ふぎゃっ!?なんじゃこりゃ!?」
「ハートの女王の法律・第23条”祭典の場に猫を連れ込んではならない」
ハートの女王?不思議の国のアリスじゃあるまいし…ていうか、猫だったんだ…狸じゃなかったのか。
「猫であるキミの乱入は重大な
「オレ様は猫でもねぇ〜っ!!こんな首輪すぐに燃やして…あ、あれ?炎が出ねぇんだゾ!」
「ふん!僕がその首輪を外すまでキミは魔法を使えない。ただの猫同然さ。」
チートじゃん…その能力。心の中で呟く。
「にゃ、にゃにー!?俺様はペットじゃねーんだゾ!」
ぎゃーすか騒ぐグリムとは反対に、悦しそうにアズールと呼ばれたメガネの男が近く。
「いや〜。相変わらず素晴らしいですね。どんな魔法でも封じてしまう、リドルさんのユニーク魔法。」
胡散臭い笑顔だなぁ…。
「絶対に欲しい……じゃなくて。僕なら絶対にかけられたくありません。」
あの双子が仲良くしているであろう人物も、多分相当敵に回したらめんどくさそうな人物だな…と思い、一人傍観していると、学園長に話しかけられる。
「どうにかしてください!貴方の使い魔でしょう!?しっかり躾を…!!」
『だから、私のじゃありませんってば!!さっきから何度言えば…、、』
「…え? 貴方のじゃない?ではユウくん、あなたのですか?」
「いいえ、見知らぬケモノです。」
「……そ、そうでしたっけ?」
やっと話を聞いてくれたなと思いながら学園長を二人でジトォッと睨みつける。
「ごほん!では、学園外に放り出しておきましょう。鍋にしたりはしません。私は、優しいので。」
気まずそうに咳払いをし、にっこりと微笑む。
大魔法士になると叫び続けながらも放り出されてしまうグリムを眺めた。
『なんであんなに必死なんだろう…?』と心の中で呟く。
「少々予定外のトラブルはありましたが、入学式はこれにて閉会です。」
その声と共に、校長からの説明が入り、新入生達が寮長と呼ばれていた人たちに連れられ、部屋から出て行った。ディアなんとか寮の寮長はいなかったらしい…。誰も式のことを伝えていないかもしれないという話が聞こえてきて、なんだか顔も知らないその人のことが可哀想になった。
「あぁ、アーシェングロットくん、そして名前くん、ちょっと待っていただけますか?」
「はい、なんでしょうか?」
寮長はフロイドとジェイドに先に案内するように指示を出し私と一緒に学園長の元へ向かう。
「ーーさて、名前くんは無事組分けは終わってよかったのですが、遅刻してきた理由も改めて聞きたいので、ここに残っていただけますか?アーシェングロットくんはお出迎えもしなければならないと思うので、後で彼を迎えにきてあげてください。」
「かしこまりました。」とお辞儀をする寮長に申し訳なくなり、軽くお辞儀をすると、ニコリと微笑まれた。かっこいい…じゃなくて、あれは目が笑ってなかったな…。ていうか…彼?って言った?聞き間違えかな。
「さて、ユウくんーーー大変残念なことですが……貴方には、この学園から出て行ってもらわねばなりません。」
私の夢はどうやら相当この出会ってまもないユウくんに恨みがあるようだ。寮には振り分けられず、しまいにはこの学園から出て行け…と。ネタでよくある、アズ○バン行きを組分け帽子に言われる方がましではないか?いや、そんなことはないか。
「魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない。心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。さぁ、扉の中へ。強く故郷のことを念じて………」
「さぁ闇の鏡よ!この者をあるべき場所へ導きたまえ!」
学園長の声と共に闇の鏡に目線を向ける。だがしかし、闇の鏡は反応しない。
「ゴ、ゴホン……もう一度。闇の鏡よ!この者を……」
「どこにもない……」
「「え?」」
ユウくんと学園長の声が重なる。
「この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である。」
「後オクタヴィネルに振り分けられた生徒もだ…。」
『はい?』
無…魔力の次はそうきたか…。しかも私も帰れないときた…。いや、もう組分けられちゃったわけだけどさ…。心配そうに俯くユウくんを安心させるために肩を撫でると少しぎこちなく笑ってくれた。
「そもそも貴方達どこの国から来たんです?」
『日本ですけど…?』隣でユウくんも一緒です、と頷く。
当たり前でしょ、と言わんばかりの声で目上の人に対して答えてしまったが、それは気にしていないようだ。
「……聞いたことのない地名ですね。私は世界中からやってきた生徒の出身地は全て把握していますが、そんな地名は聞いたことがない。一度図書館で調べてみましょう。」
そんなことはありえるのだろうか?日本を知らないとかこの人常識知らずか?と疑いの目をかけていると仮面の下から少し睨まれた気がする。
図書館についていって、学園長に調べてもらうが、どこにも私達の出身地の名前は見当たらないという。
「貴方達、本当にそこから来たんですか?嘘をついてるんじゃないでしょうね?」
『なんでこんな状況下で嘘をつかなきゃいけないんですか…。』
「こうなってくると貴方が何らかのトラブルで異世界から招集された可能性が出てきましたね。」
あ〜トリップ系ね…わかるわかる…そういう小説読んでたもん、私も。
「貴方達、ここへくるときに持っていたものなどは?見るからに手ぶらですけど…。」
「あー、そういえば、財布もスマホもないです…。」
『あ、私もない!』
「スマホ?…ですが、困りましたねぇ。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者に連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので。」
その、私優しいのでは口癖なのだろうか…優しさを1ミリも感じないぞ…。
悩みに悩んだ学園長はどうやら学園内に今は使われていない昔寮として使われていた建物があるので、そこを掃除をすれば寝泊まりができるであろうと教えてくれた。その寮であれば、彼がユウくんに私達が元いた場所に帰れるように調べ物をしてくれている間、宿として貸し出してくれるそうだ。何がともあれ、散々な目にあった分、住むところが保証されるのはいいことだ。
「ありがとうございます」
「あ〜なんて優しいんでしょう、私!教育者の鑑ですね。」
助けてくれるとはいえ、やはり胡散臭い人だな…。
「あぁ、後、名前くんは寮に入れたということは、魔力はあるということですし、せっかくだからちゃんと4年学んでいったらどうですか?」
『それは、面白そうですし、全然やりたいです!でも、見た所、女生徒がいないそうですが…』
「何を言っているんですか?当たり前でしょう、ここ、男子校ですよ?」
『え?じゃあ、私無理ですよ……』
「はい?」
きょとんとした学園長とユウくんがこちらを見ている。
『え、だから、男子じゃないんで』
「そんな嘘はやめてください、女性らしい顔つきをした男子はいますが、そんな嘘はいけませんよ。」
『なんでそんな嘘つかなきゃいけないんですか……あっ』
学園長と言い争っていると、不自然に手元のブレスレットが光った。
『あれ?こんなブレスレットつけてたっけ…』
手元のブレスレットを外すとキラキラと周りが輝いた。
「……なるほど……。」
『ん?何が起きたんですか……?』
「どうやら、そのブレスレットは着用している際に貴方を男性的に見せれるように魔力が込められているそうですね。闇の鏡よ、彼女を映してあげてください」
何かに納得した学園長に誘導され鏡の前にたつとそこには普段通りの私がいた。半信半疑でもう一度ブレスレットをつけ直してみると、少しだけ光に包まれたかと思うと、学園長の言う通り、男性的な外見になっていたのだ。
あれ、でも身体的な変化はそこまでないな…。見た目だけなのかな…とマジマジと顔や体を触っていると、ごほん、と咳払いが一つ。
「由々しき自体ですね……。ふむ、でもそのブレスレットがあるのであれば問題はなさそうです。帰ることもできない今追い出すこともできません。ましてやか弱い女性であるのであれば!なるべくバレないように過ごしてくださいね?男子校ですから、思春期の男の子は怖いので…」
と背筋の凍るような笑顔を見せつけられた。
「あぁ、そうだ、ユウくん。この事はくれぐれも内緒にしておくように!」
「は、はい!」
「アーシェングロットくんには、貴方が他の世界から来ている事だけは伝えておきます。魔力はあるとはいえ、魔法も初めてということでしょう?彼は教え方が上手いはずです、彼に教えてもらうことにしてください」
『はい、ありがとうございます。』
そうお辞儀すると、ユウくんと学園長はオンボロ寮に向かうため私とは違う道につくといった。自分のおたく?ヴィネルの寮に向かうための道を途中まで教えてもらうと、ちょうど迎えにきた寮長と出会い、自分の寮の説明や、寮室まで案内してもらったのだ。