第1話 目を奪われる




リラの予想通り、ほぼ入れ違いでXANXUSが部屋に戻った。
テレサは慌てて化粧室を出てリビングに行くと、ちょうどネクタイを緩めながら欠伸をしているXANXUSを会った。

「…!」

XANXUSはテレサの姿を見ると、一瞬動きを止めた。

白いワンピースに身を包んだテレサは、何かの間違いでここに迷い込んだ天使のようだった。

「……あっ…あの……」

テレサは迷いながらも、XANXUSのそばに歩み寄ると、顔を少し赤くして俯いた。

「………あ、……ありがとうございます………私なんかに、こんな素敵な……」

緊張か、テレサの声が少し震えて、胸の前で両手をぎゅっと握りしめた。

テレサの白い肌が惜しげなく晒され、細い脚はすらりと長く伸びて、細身な骨格を強調していた。

「(…………本当は、こういう色が……好きなの)」

ーーだから、すごく嬉しくて。夢みたいで…

すると、XANXUSの手がテレサの腰に回った。わずかな力で腰を引くと、髪にキスを落とした。

「……悪くねえ」

それはXANXUSにとっては最上級に近い褒め言葉だった。
当のテレサは、髪にキスをされて驚いてそれどころじゃなかったのだが。

テレサに出会って今の今まで、泣きそうな顔しか見ていなかった。
やはりテレサは相当単純らしく、服を贈っただけで、顔を真っ赤に染めて、戸惑いながらも僅かに嬉しそうな顔をする。涙が溜まって今にも泣きそうなほど溢れているが、その理由が恐怖ではないのは明らかだった。

綺麗な青い瞳は、恐怖で濡れようが、喜びで濡れようが、同じように輝いた。
別に、どちらでも良い。何が理由だろうと、そのガラス玉のような瞳を眺めて楽しめれば、テレサが怯えようが喜ぼうが、どうでも良いことだ。







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