人魚姫とまでは
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外は雨。
朝からずっと降っている。
雨は少しだけ人を憂鬱にさせると言うけど、私にとっては特に関係無い。
今日は元々部活が無いけどこの後にジムで使うジャージを家に忘れた私は部室棟へと予備のジャージを取りに来ると、階段を登ろうとしてる跡部君の後ろ姿が見えたから私は声をかけた。
「跡部君」
「あーん?誰だ...なんだ藤堂か」
「今日は部活?」
「いや、忘れ物を取りに来ただけだ」
「私も。今日は男子が使うから」
「じゃあジムか?」
う...ん、と少しだけ返事を濁らせてしまった。
実はコーチと少しだけい言い合いをしたからいつものジムに行きにくいだけで、今日は他のジムを探して自主練をしようと思っていた事を階段を登りながら跡部君に話した。
「喧嘩か?」
「や...そこまでじゃないけど少し意見の食い違いみたいなもの」
「そうか......ならうちに来るか」
....
...
..ん?
って。
ATOBE SPORTS GYM
うちって、ここの事か...
「泳ぐのか?」
「筋トレだけのつもりだったけど」
「なら女子更衣室はあっちだ」
「あ、お金」
「いらねぇ。こないだ春大会優勝したんだろ、祝いだ」
そう言って跡部君は男子更衣室へ入っていってしまった。
にしても【跡部】って何でも持ってるから凄い。
逆に無いものを知りたい位...
入り口で立ち往生しても仕方ないからお言葉に甘えて使わせてもらうことになった。
着替えた私はストレッチから始めると私より先に着替え終えて始めていた跡部君がランニングマシーンで軽やかに走ってた。
少し緊張してたから遠慮する事なく出来そうでホッとした。
「調子はどうだ」
「ハァ、ハァ、うん、良いかな」
スポーツドリンクを差し入れしてくれた跡部君も涼しそうな顔をしてるけど汗が凄かったからまぁまぁ体を動かした事が分かる。
跡部君からドリンクをいただきタオルで汗を拭いながら乾いた喉を一気に潤してベンチへ仰向けに倒れこんだ。
「ハァ、あーーーー...久々に追い込んだ」
「没頭しすぎて周りが声かけずらそうにしてたぜ」
「ハァ、声を、かけさせなかった」
「わざとかよ」
「...うん」
集中したかった。
新しい場所では集中出来るものも出来なくなるから。
見たことあるとか、知ってるとか、言うて中学生だからそんな囲まれる程じゃないけど一言二言以上は交わす会話とか、そういう事の為の時間じゃないから私は新規開拓をあまりしてこなかった。
でも今日はいつもなら迷わず行くいつものジムには行かなかった。
「泳ぐか」
「え?」
「そういう顔してるじゃねぇか」
「どういう...でも水着持ってきてないし」
「いらねぇよ」
いや、いるでしょ
ってツッコミする間もなく半ば強引に軽く捕まれた手首で導かれた隣のプール施設。
光の早さでレンタル水着を渡されて更衣室に押し込まれ、今日は本当に泳ぐつもりなんてなかったんだけどなんとなく跡部君の雰囲気に押された気持ちの中で1度シャワーを浴びてから、急遽選んだ割にはなんだか着なれた様な気になる水着に身を通す。
髪を纏めながらプールサイドに足を踏み入れれば跡部君が私に気付き近寄ってくるけど、普段から鍛えてる証拠のスポーツマンらしい体つきが私の中にある照れという感情を少しだけ引き出した。
いつもはその体が水泳部の私達と違くていつも衣類で纏われてるから、クラスも3年違えば授業でも見るきっかけなど無くて凄く新鮮。
でもその感情はすぐに拭い跡部君のショートボックスの水着から見える足の筋肉が一番に目がいき、素直に羨ましい感情が溢れたのを口にした。
「ちょっと背中も見せて」
「おい...」
私は跡部君を軸にぐるぐると回りながら自分の欲しい肉付き部分を観察した。
(肩回りは流石テニスを本格的にやってるだけあるなぁ)
「...羨ましい」
「満足したのかよ。どうだ、俺様の体に惚れたか」
「うん、バタフライやる時に欲しい体してる」
「......あ?」
ブツブツと聞こえるか聞こえないかのボリュームで独り言を喋りながら藤堂は少しずつ俺から離れていつた。
本当に変わった奴。
女でここまでスポーツマンとして尊敬するのは藤堂位だ。
軽くストレッチをして入水の準備にかかる藤堂の隣のレーンへ位置につき、俺も水泳帽とゴーグルを装着した。
「跡部君が泳ぐイメージ無いなぁ」
「泳げねぇのにこのシチュエーションは後でネタになる程おかしな構図だろうが」
「学校で言いふらそうかな」
「やめとけ、俺様のファンから苛めに合うぞ」
「そう?」
でも跡部君モテるしありえるかな
笑ってそう言った藤堂は水中に潜り壁を蹴って潜水からのクロールであっという間に25メートルを泳ぎきろうとしている。
しなやかに泳ぐ藤堂を初めて生で見た俺は目を奪われた。
テレビやネットでカメラ越しに見る横からの視点じゃなく
俺を引き離して前へ前へと進んでいく
生身の藤堂の背中が眩しく見えた。
朝からずっと降っている。
雨は少しだけ人を憂鬱にさせると言うけど、私にとっては特に関係無い。
今日は元々部活が無いけどこの後にジムで使うジャージを家に忘れた私は部室棟へと予備のジャージを取りに来ると、階段を登ろうとしてる跡部君の後ろ姿が見えたから私は声をかけた。
「跡部君」
「あーん?誰だ...なんだ藤堂か」
「今日は部活?」
「いや、忘れ物を取りに来ただけだ」
「私も。今日は男子が使うから」
「じゃあジムか?」
う...ん、と少しだけ返事を濁らせてしまった。
実はコーチと少しだけい言い合いをしたからいつものジムに行きにくいだけで、今日は他のジムを探して自主練をしようと思っていた事を階段を登りながら跡部君に話した。
「喧嘩か?」
「や...そこまでじゃないけど少し意見の食い違いみたいなもの」
「そうか......ならうちに来るか」
....
...
..ん?
って。
ATOBE SPORTS GYM
うちって、ここの事か...
「泳ぐのか?」
「筋トレだけのつもりだったけど」
「なら女子更衣室はあっちだ」
「あ、お金」
「いらねぇ。こないだ春大会優勝したんだろ、祝いだ」
そう言って跡部君は男子更衣室へ入っていってしまった。
にしても【跡部】って何でも持ってるから凄い。
逆に無いものを知りたい位...
入り口で立ち往生しても仕方ないからお言葉に甘えて使わせてもらうことになった。
着替えた私はストレッチから始めると私より先に着替え終えて始めていた跡部君がランニングマシーンで軽やかに走ってた。
少し緊張してたから遠慮する事なく出来そうでホッとした。
「調子はどうだ」
「ハァ、ハァ、うん、良いかな」
スポーツドリンクを差し入れしてくれた跡部君も涼しそうな顔をしてるけど汗が凄かったからまぁまぁ体を動かした事が分かる。
跡部君からドリンクをいただきタオルで汗を拭いながら乾いた喉を一気に潤してベンチへ仰向けに倒れこんだ。
「ハァ、あーーーー...久々に追い込んだ」
「没頭しすぎて周りが声かけずらそうにしてたぜ」
「ハァ、声を、かけさせなかった」
「わざとかよ」
「...うん」
集中したかった。
新しい場所では集中出来るものも出来なくなるから。
見たことあるとか、知ってるとか、言うて中学生だからそんな囲まれる程じゃないけど一言二言以上は交わす会話とか、そういう事の為の時間じゃないから私は新規開拓をあまりしてこなかった。
でも今日はいつもなら迷わず行くいつものジムには行かなかった。
「泳ぐか」
「え?」
「そういう顔してるじゃねぇか」
「どういう...でも水着持ってきてないし」
「いらねぇよ」
いや、いるでしょ
ってツッコミする間もなく半ば強引に軽く捕まれた手首で導かれた隣のプール施設。
光の早さでレンタル水着を渡されて更衣室に押し込まれ、今日は本当に泳ぐつもりなんてなかったんだけどなんとなく跡部君の雰囲気に押された気持ちの中で1度シャワーを浴びてから、急遽選んだ割にはなんだか着なれた様な気になる水着に身を通す。
髪を纏めながらプールサイドに足を踏み入れれば跡部君が私に気付き近寄ってくるけど、普段から鍛えてる証拠のスポーツマンらしい体つきが私の中にある照れという感情を少しだけ引き出した。
いつもはその体が水泳部の私達と違くていつも衣類で纏われてるから、クラスも3年違えば授業でも見るきっかけなど無くて凄く新鮮。
でもその感情はすぐに拭い跡部君のショートボックスの水着から見える足の筋肉が一番に目がいき、素直に羨ましい感情が溢れたのを口にした。
「ちょっと背中も見せて」
「おい...」
私は跡部君を軸にぐるぐると回りながら自分の欲しい肉付き部分を観察した。
(肩回りは流石テニスを本格的にやってるだけあるなぁ)
「...羨ましい」
「満足したのかよ。どうだ、俺様の体に惚れたか」
「うん、バタフライやる時に欲しい体してる」
「......あ?」
ブツブツと聞こえるか聞こえないかのボリュームで独り言を喋りながら藤堂は少しずつ俺から離れていつた。
本当に変わった奴。
女でここまでスポーツマンとして尊敬するのは藤堂位だ。
軽くストレッチをして入水の準備にかかる藤堂の隣のレーンへ位置につき、俺も水泳帽とゴーグルを装着した。
「跡部君が泳ぐイメージ無いなぁ」
「泳げねぇのにこのシチュエーションは後でネタになる程おかしな構図だろうが」
「学校で言いふらそうかな」
「やめとけ、俺様のファンから苛めに合うぞ」
「そう?」
でも跡部君モテるしありえるかな
笑ってそう言った藤堂は水中に潜り壁を蹴って潜水からのクロールであっという間に25メートルを泳ぎきろうとしている。
しなやかに泳ぐ藤堂を初めて生で見た俺は目を奪われた。
テレビやネットでカメラ越しに見る横からの視点じゃなく
俺を引き離して前へ前へと進んでいく
生身の藤堂の背中が眩しく見えた。